……その後、その子はクラスで孤立して担任にも「モンスターペアレントの娘だからなるべく関わらないようにしよう」って腫れ物扱いされるようになっちゃったとか、ね。
塾・習い事・習い事ばかりで、友達と遊ばせてくれなかったとか。
社会人になっても、一人暮らししたいのに絶対させてくれなくて、門限もあって、結局彼氏もできなかったから、結婚できなくて当然なのに、30過ぎてからは手のひら返したように「あんたも早く結婚してお母さんたちを安心させなさい!!」とか。
「おまえがアタシのチャンス潰してきたんでしょ!!」
って、叫びたくなるとか。
で、ここに挙げた例であれば、どっちも決して、お母さん自身に悪意はないのよ。純粋に、娘を心配してるのよね。
だから、母親の言葉のウザったさやその重み、束縛に隠されちゃってる「娘が大切だからこそ、心配してる」部分に注目するといいのよ。
「お母さんは、私に失敗してほしくないんだ。お母さんは、私のことが大切だけど、その表現が下手くそなんだ。だって、誰もお母さんに表現法を教えなかったから。おばあちゃんも、きっと表現法が下手くそだったんだ。お母さんだって本当は私にクドクドいいたくないんだ」
とかって。
まあ、このへんは「毒親」対策のちゃんとした心理学の本なんかもいっぱい出てるから、ガチで関係がこじれてるならそういうのも参考にしたほうが具体的に自分に合った解決法は見つかると思うけど。
で、何か言われたときに注目するポイントをそうやって「心配してくれてる」ほうにフォーカスして、今までなら「バイト禁止?うるさいな、今どきみんなやってるよ。アタシの自立の自由を奪わないでよ!」
じゃなくて、「お母さん、ありがとう。最近、バイト先の人間関係がこじれて怖い事件とか、お客がストーカーとか、いろいろあるもんね。心配してくれてありがとう」って。「あなたのおっしゃることを、私はしっかり分かってますよ」ってはっきり態度と言葉で示してあげるのね。
そうすると、最初は「ふん!やっと分かった?」みたいな態度を取るかもだけど、何か言われるたびに「わかってるようるせーな!」じゃなくていちいち「うんうん、ありがとう。お母さん、本当に私のことが大事なんだね!」ってやってると、面白いことに「規制が緩む」のよ。
(あら、この子やっぱり私の心配は分かってるのね……。あのときもあのときも……。じゃあ、そろそろ、バイトくらいは許可してあげようかしら)って、気持ちが変化するときがやってくるのよ。