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節分というと「鬼は外、福は内」の掛け声がつきものですが、最近では「恵方巻」が人気ですね。しかしこれほど生活に馴染んでいる節分ですが、本当の意味をどれほどの人が知っているでしょうか。今回は節分についてご紹介します。
節分とは「季節を分けること」
節分はその字のごとく「季節を分ける日」のことを指しました。
二十四節気の立春、立夏、立秋、立冬の前日はどれも「節分」なのです。
その中でも春という季節は一年の始まりとされ、特に重要視されるようになりました。
そうした習慣が定着し、立春前の節分が現代のように「節分」として定着していったと言われています。
鬼と豆は本来別もの?
鬼を退治するのは本来「前年の鬼(悪いこと)を翌年に持ち越さないように」というお祓いの意味がありました。季節ごとにお祓いをする行事は現代では様々な形で伝わっています。
これは元々中国から伝わった行事で「追儺」や「鬼やらい」がそれに当たります。
それとは別に、こんな鬼退治の話が伝わっています。
鞍馬山から鬼が出てきて人々に悪さをしていました。
すると毘沙門天が現れて「鬼が出てくる穴に豆をぶつけよ」と人々に告げました。
困った人々はお告げのとおり炒った豆を穴にぶつけて、鬼を払うことができました。
これが鬼退治の豆の始まりです。
豆は「魔滅」につながることから魔を払う力があるとされています。
この言い伝えから豆を使うようになり、鬼を払う節分行事に豆が登場することになったのです。
恵方巻文化ははっきりしていない?
現在では恵方巻をどのスーパーでも見かけるようになりましたが、そのいわれは実ははっきりしていません。
大阪が発祥とされていますが、年代やはっきりとした発祥地は不明とされています。
「大正初期には巻き寿司を食べる習慣があった」と書かれている文献が、見つかった中では一番古い年代を指しています。
このことから、恵方巻は伝統ある魔除け行事ではなく、近代に始まった新しい文化なのです。
節分に男女が集まって巻き寿司を食べる様子を見て、ある商人が「縁起が良い巻き寿司」を販売の売り文句にした、という説もあり、販売する業者に乗せられて広まった感じもあります。
恵方巻の正しい食し方は?
恵方巻の正しい食べ方は、発祥が曖昧なだけにはっきりと決まっていないのが現状です。
であれば多少のアレンジも良いでしょう。楽しく食べるのが一番です。
最も一般的なのは、「節分の日に恵方を向いて太巻きを丸ごとかぶりつき、食べきるまで無言でいること」です。
「笑顔で食べること」という地域もありますが、「切ってはいけない」というきまりはどこの地域でも共通するルールのようです。
最後に
曖昧とはいえ、縁起をかついだり幸運を願ったりすることは素晴らしい文化です。
神様が誰であっても神事のように良い文化を後世に伝えることは、たとえそれが業者の策略であったとしても、とても日本人らしいと言えます。ぜひ家族や好きな人と恵方を向いて恵方巻を食しましょう。