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健康長寿で知られる沖縄の名産品、黒糖。こちらでは、黒糖に含まれる成分や作り方、利用方法について詳しくご紹介しています。ご自宅で毎日利用する白砂糖を黒糖に替えるだけで、様々なこうかを期待できる話題の健康美容食品。食生活の改善やダイエット、美容効果に興味のある方は、是非ご覧になってみてください。
黒砂糖(くろざとう)のカロリー・糖質・栄養素など食品分析
黒砂糖のカロリーや糖質、含まれている栄養素などについて分かりやすくご紹介します。
黒砂糖の大さじ1杯のカロリーと糖質
黒砂糖のカロリーは、100gあたり354kcalです。粉末タイプの黒砂糖はスプーン大さじ1杯(9gとしたとき)で32kcalとなります。
1g=約3.5kcal=糖質0.9gのように考えると良いと思います。固形タイプの黒砂糖をスプーンに乗せた場合は、粉末よりも重くなりがちです。カロリー計算をする時は、正しい重さを量ってから計算するのが良いでしょう。
また、糖質は、100gあたり89.7g。スプーン大さじ1杯(9gとしたとき)では、約9gの糖質と計算できます。上白糖(100gあたり384kcal/糖質99.3g)やグラニュー糖(100gあたり387kcal/糖質100g)と比較すると、黒砂糖のカロリーは低く糖質は同じくらいです。
黒糖のGI値
黒糖のGI値(摂取後の血糖値の上昇率)は、約99です。黒糖に含まれるフェニルグルコシドの働きも影響してか、上白糖(109)やグラニュー糖(110)よりも若干低い数値となっています。
黒糖には、フェニルグルコシド以外にもの、健康や美容に良いとされる様々な成分が含まれています。
黒砂糖に含まれる成分や栄養素
黒砂糖には美容と健康に欠かせない様々な成分、栄養素が豊富に含まれています。
・フェニルグルコシド
糖の吸収を抑え、血糖値やコレステロール値の上昇を緩やかにさせる作用があります。
・ラフィノース
腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える作用が期待できます。便秘改善をはじめ、アトピー性皮膚炎の改善や免疫力を高める効果も。
・オフタコサノール
エネルギーを効率良く生みだすためのサポートを行います。運動能力向上やスタミナ向上、他に心筋梗塞や動脈硬化の予防も期待できます。
・抗酸化ポリフェノール
活性化酸素などの有害物質を取り除く作用があり、美肌効果や生活習慣病の改善に役立ちます。
・ビタミン
黒砂糖には、ビタミンB1、B2、B6などが含まれています。疲労回復や免疫力アップが期待でき、風邪や夏バテ防止にも効果的です。
・ミネラル
黒砂糖に含まれるミネラルは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、リンなどです。美容はもちろん、健康な体作りや疲労回復にも効果があります。
黒糖の特徴
砂糖の中でも低カロリーで、ビタミン・ミネラルなど栄養豊富な黒糖。こちらでは、様々な視点から見た黒糖の特徴についてご紹介します。
黒糖は何できているの?
黒糖の原料は、サトウキビです。サトウキビの茎の絞り汁を煮詰めて水分を飛ばし、濃縮させたものを冷やして固めて結晶上にしたものが黒糖になります。
サトウキビは白砂糖の原料にもなっていますが、白砂糖の白い理由は、製造過程でサトウキビの糖蜜を取り除いて作られているからです。
市販での黒糖は、固形か粉末が主で、沖縄や奄美の特産品が多いですが、最近ではフィリピンやベトナム産の黒糖も見られるようになりました。
沖縄黒糖はなぜ人気なの?
沖縄黒糖が人気の理由は、本場の本物の黒糖だからです。
市販されている黒糖のパッケージを見ると、「黒糖」「黒砂糖」「加工黒糖」など若干異なる名称が書かれています。これは、消費者庁が定めたルールの一つで、製造方法や使われている材料によって決められた表示名称があるからです。「黒糖」「黒砂糖」と商品表示できるのは、サトウキビの絞り汁のみが材料になっているものだけです。「加工黒糖」と表示されているのは、糖蜜や水酸化カルシウムなど、サトウキビ以外の材料が使われている商品となります。
更に、「沖縄黒糖」と表示されている商品は、サトウキビだけで作られているうえに、沖縄県黒砂糖協同組合に所属する製糖工場のみで製造されたもの。いわば、“本場の本物の黒糖”なのです。
そして、沖縄の黒糖には約400年の歴史があります。長寿の島としても知られる沖縄名産の、“歴史ある本物の黒糖”というのが、この沖縄黒糖の人気の理由でしょう。
黒糖は痩せやすい?太りやすい?
黒糖が痩せやすいと言われている理由の一つとして、黒糖に含まれている成分、フェニルグルコシドが糖の吸収を抑制する効果あるからということが考えられます。
また、白砂糖と比較して考えると、白砂糖は摂取したらすぐにブドウ糖へと分解され血糖値を急上昇させますが、黒糖はミネラルやビタミンなど糖以外の成分も含まれているため、血糖値の上昇が多少緩やかになります。血糖値上昇によるインスリン分泌はダイエットの敵。白砂糖を使うなら、黒糖を…と、少しずつ積み重ねていけば、ダイエット効果も得られるでしょう。
ただ、砂糖と比較すると黒糖はおすすめですが、糖分には変わりありませんので、取りすぎには注意が必要です。体質や筋肉量などによっても、効果や作用は様々ですので、ご自身の健康状態を考慮した使い方を心がけてください。
黒砂糖・上白糖・グラニュー糖・はちみつを比較!カロリーや糖質は?
黒砂糖と同じく、甘味料の一つとして知られる上白糖やグラニュー糖、はちみつ。黒砂糖以外の砂糖のカロリーや糖質を見てみましょう。
カロリー | 糖質 | |
黒砂糖(100g) | 354kcal | 89.7g |
グラニュー糖(100g) | 387kcal | 100g |
角砂糖(100g) | 386.9kcal | 100g |
上白糖(100g) | 384kcal | 99.2g |
三温糖(100g) | 328kcal | 98.7g |
はちみつ(100g) | 294kcal | 79.7g |
【三温糖って?】
三温糖は、カラメル色をした茶系の砂糖です。サトウキビから白砂糖を製造し、そのあと再加熱して作られる日本特有の砂糖です。煮物などに使うとコクが出ます。
さて、黒砂糖とその他の甘味料を比べてみるとわかるように、黒砂糖は低カロリー低糖質です。上白糖やグラニュー糖、角砂糖は、料理の味に影響しにくいため、ご家庭でもよく使われますが、カロリーも糖質も高めになっています。
また、はちみつは低カロリー低糖質ですが、市販されているものは高価格。毎日のお料理をすべてはちみつで賄うのは少々大変です。低カロリー低糖質、さらに手の届きやすい黒砂糖に注目が集まるのも頷けるのではないでしょうか。
黒糖はそのまま食べても大丈夫?効果を高めるレシピや利用法
黒糖には、さとうきびのビタミンやミネラルが含まれています。ビタミンやミネラルは、健康な体を保つために欠かせない栄養素。
腸内環境を整えるラフィノース、糖の吸収を抑えるフェニルグルコシドなどの話題の成分も含まれているため、ダイエットや美肌にも効果が期待できます。
黒糖をそのまま食べると糖尿病になる?
様々な栄養素が含まれている黒糖ですが、糖分には変わりありませんので食品全体で見ると糖質は高いです。黒糖をそのまま食べたからといって糖尿病になるとは限りませんが、過剰摂取は避けるべきでしょう。
しかしながら、糖類全体で見た場合には、黒糖は血糖値の上昇が穏やかな特徴があります。お料理に白砂糖を使ったり、グラニュー糖が入ったお菓子をつまんだりするより、ひとかけらの黒糖をそのまま食べる方が、血糖値の上昇を抑えられると言えます。糖分を控えめに使うことが健康維持のために良いのはもっともですが、満足感を得られないと結果的に過剰摂取となってしまうケースもありますので気をつけたいところ。
ひとかけらの黒糖をそのまま口に入れると、その甘みとコクが一気に広がり、高い満足感を得られるという方々も多いですので、試してみてはいかがでしょうか。
また、ヨーグルトやコーヒー、紅茶、ミルクなどに、黒糖をそのままかけたり混ぜたりして楽しむのもおすすめです。糖質0のヨーグルトや低脂肪牛乳などをチョイスすると、ダイエット効果も期待できるでしょう。
黒砂糖レシピ1.黒糖寒天
材料(2人分)
・黒砂糖…75g
・しょうが汁…小さじ1
・粉寒天…2g
・水…250ml
- 鍋に粉寒天と水を入れて混ぜ合わせたら、中火で煮詰めて行きます。煮立ったまま1分ほど混ぜましょう。
- 黒砂糖を加えて、混ぜ溶かし、しょうが汁を入れます。
- ボールに移し、粗熱を取るためにボールの底を氷水につけます。
- 粗熱が取れたら、容器に流し込み、冷蔵庫で冷やしたら出来上がりです。
黒砂糖レシピ2.わらび餅
材料(2人分)
【わらび餅】
・黒砂糖…大さじ1.5
・わらび餅粉…30g
・水…150ml
【きな粉】
・黒砂糖…大さじ1.5
・きな粉…大さじ2.5
・塩…一つまみ弱(お好みで)
- お鍋に黒砂糖とわらび餅粉を投入し、水を数回に分けて入れて混ぜ合わせます。きな粉は前もって混ぜ合わせておきましょう。
- 中火でとろみがつくまでヘラなどを使って煮混ぜていきます。とろみがついたら弱火にし、さらに半透明になるまで混ぜ合わせましょう。
- まだ熱いうちに水で濡らしたスプーンなどを使って一口サイズをすくい、冷水に落とします。
- わらび餅が冷めきったら、水気をきり器に盛ります。きな粉を振りかけて出来上がりです。
黒砂糖レシピ3.ゴーヤの黒砂糖煮
材料
・ゴーヤ…中くらい1本
・黒砂糖…100g
・水…適量
・すりごま(白)…適量(お好みで)
- ゴーヤを縦で半分に切って、中綿や種をスプーンでくり抜きます。1㎝弱の厚みで半月切にし、軽く塩を振って水気をとります。とれたら、水で洗い流し、軽く絞っておきましょう。
- 鍋にカットしたゴーヤを入れ、ゴーヤよりも下になるくらいの水を入れ、黒砂糖を加えます。中火より強めの火加減で焦がさないように煮詰めて行きます。この時、できるだけアクも取り除いておきましょう。
- すりごまや砕いたピーナッツなどと和えると見た目にも美味しくなります。
黒糖パック
黒糖は、豊富なビタミンとミネラルが含まれており、高い保湿効果があることでも話題になっています。
黒糖の本場沖縄や、美容大国の韓国でも“黒糖パック”は大人気。黒糖(粉末がおすすめ)と水をそれぞれ20gずつ鍋に入れて、とろみがつくまで弱火にかけて出来上がりです。少し冷ましてからお肌に薄く塗ってください。7~8分程度のパックがおすすめです。最後はきれいに洗い流します。
黒砂糖には害がある?乳児ボツリヌス症に注意
ハチミツ、コーンシロップ、井戸水、自家製野菜ジュースなどに紛れ込みやすい「ボツリヌス菌」。乳児ボツリヌス症とは、腸内環境がまだ整っていない1歳未満の赤ちゃんに発症する細菌感染症の一つです。
黒砂糖もボツリヌス菌が紛れ込むことがある食品の一つと言われています。乳児ボツリヌス症は、1986年から36例の報告がなされており、国内初の死亡事例があったことから各関係機関でも注意喚起されるようになりました。
ボツリヌス菌は、大人が摂取しても害はありませんが、腸内環境が整っていない赤ちゃんが摂取して、体内にボツリヌス菌が増殖してしまうと、神経麻痺などの重い症状を引き起こしてしまう可能性があります。ボツリヌス菌は、海や川や山、家の中にも、どこにでもある菌で、大人が摂取しても害はないとされていますが、1歳未満の乳児がいらっしゃるご家庭では注意が必要です。
また、ボツリヌス菌以外にも、糖尿病など何らかの疾患がある方は過剰摂取などに注意されることをおすすめします。
最後に
低カロリー低糖質の甘味料として話題の「黒糖(黒砂糖)」。健康な体作りや美容に欠かせない、豊富な栄養素も含まれています。他の甘味料と比較しても、その差は歴然。普段使用している白砂糖を黒糖にするだけで、カロリーや糖質を抑えながら美容と健康に配慮した生活を送ることができます。1歳未満の乳児がいらっしゃるご家庭は注意が必要ですが、利用方法やきちんとした知識を持っていれば、食生活の改善にも活かせるおすすめの健康食品です。