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パレスチナ問題をこれまでまったく知らずに、今回のイスラエルとの『戦争状態』で初めて興味を持った人向けの初歩的な内容だよ。僕自身がそうなんだけど(苦笑)一緒に勉強しよう!
(1)を先に読んでね↓
イスラエルとパレスチナ(1)第三次世界大戦の火種との預言とイスラエル建国までをざっくりと【Ku】
(2)では1948年のイスラエル建国から現在までをざっくり時系列で挙げていこうと思ったけど、その前に『パレスチナ』という言葉が何をさすのか、パレスチナ人とは誰をさすのか、実は分かってない人もいるんじゃないかな?と思って、そこから説明していくよ。
まず『パレスチナ』は何をさすのか?地方名?国家名?
「パレスチナ」という名称は、まず、歴史的に地中海東岸の地方を指す言葉で、これは世界共通認識だ。
パレスチナ地方には、現代の国家では、イスラエルとパレスチナ国(パレスチナ自治区)東部の砂漠地域を除くヨルダン、レバノン、シリアの一部(シリア南部)が存在する。
けれど、今挙げた『パレスチナ国』が存在するか?イスラエル内の『自治区』扱いなのかについては、世界で認識が分かれている。
共和制国家『パレスチナ国』とは?
★『パレスチナ国』は存在する
国連が国として認めるか認めないかはともかくとして、国家として独立宣言をし、国号を『パレスチナ国』と定めた国は存在している。
★パレスチナ国は『パレスチナ人』の国。では『パレスチナ人』とは?
現代、「パレスチナ人」と呼ばれる人々は、パレスチナの地にずっと住んできたアラブ人をさす。アラブ人とは、アラビア語を話す人々。(モスリムがほとんどではあるものの、他の宗教の人々もいる)パレスチナに住むユダヤ系の人々はイスラエル建国で『イスラエル人』になったので、それ以外の、『非ユダヤ系のアラブ人』が現代の「パレスチナ人」となる。
★パレスチナ国は国連未加盟
パレスチナ国は、国際連合には未加盟だけど、2021年の時点で国連加盟国のうち138カ国が、パレスチナ国を国家として承認している。
緑色はパレスチナを国家として承認している国。
ちなみに日本、アメリカ、そしてイスラエルは承認していない55カ国の側だ。
日本はパレスチナ国を国家として認めていないから、マスメディアなどでの呼称は『パレスチナ自治区』となっている。
相次ぐ暴動はイスラエル建国ゴリ押しがそもそもの原因?
★1948年イスラエル建国で戦争勃発
【1947年】第二次世界大戦が終結してから2年後、1947年の時点ではイギリスが委任統治※していた『パレスチナの地』には、アラブ人とユダヤ人が住んでいた。けれど、両者は宗教も異なり対立が深刻化していた。
※委任統治:第一次世界大戦後、国際連盟の元で一定の地域の統治権を有力国に委任していたことをさす。実質的には『植民地支配』だった。
イギリス統治下のパレスチナではアラブ人とユダヤ人の争いが絶えなかったため、1947年の国連総会でパレスチナをアラブ国家とユダヤ国家に分割する決議を採択。
しかし、アラブ側はこの分割決議を拒否。
【1948年】アラブ側の拒否にも関わらず1948年5月14日、ユダヤ人国家としてのイスラエル国が建国される。
これに反発する周辺のアラブ諸国とイスラエルの戦争が勃発。1948年から1973年までに4度の『中東戦争』が起きる。
【1967年】第三次中東戦争でイスラエルが勝利。パレスチナ自治区(ガザ地区とヨルダン川西岸地区)を占領。パレスチナ人(アラブ人)の多くが難民となった。
1993年に和平合意『オスロ合意』締結で『パレスチナ暫定自治政府』設立
その後も、イスラエルとアラブ諸国・パレスチナ人の間で戦争やテロは収まらず。
【1993年】イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)が和平合意(オスロ合意)を締結。この合意で、西岸地区とガザ地区でパレスチナ暫定自治政府(PA)が設立。ここから5年間の暫定期間後に、パレスチナ暫定自治政府の最終的な扱いを決めることになった。
このオスロ合意のとき、ビル・クリントン米大統領、イスラエルのイツハク・ラビン首相、PLOのヤーセル・アラファート議長が握手をした写真は今は歴史の教科書に載ってるらしいね。
このオスロ合意で、イスラエルはパレスチナ自治政府の承認と一部の領土の返還を約束。しかし、オスロ合意は完全に実施されず、その後の二国間の和平交渉は停滞し、暴力やテロが再燃。
【2000年】大規模な暴動が起きて、イスラエルは西岸地区に入植地や分離壁を建設。
ちなみに、現在問題となっているパレスチナの過激派組織『ハマス』の支配は2006年から始まるんだけど、この『ハマス』については次の記事で。
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★久賀原鷹彦(Ku)の過去記事
※KUGAHARAの表記を今月から久賀原鷹彦に改めます(苦笑)