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妊娠中のマイナートラブルのひとつに貧血があります。
妊娠中は赤ちゃんに多く血液を送るため、妊婦さんは貧血になりやすい体になっています。
いままで貧血になったことがなくても、妊婦検診で初めて指摘された方も多いのではないのでしょうか。
出産時にはとても出血をするので、場合によっては輸血をしながらの出産になることもあります。
貧血は血液検査で見付かりますが、妊娠中に行われる血液検査は三回です。
もしかしたら今も気付かないまま家事や仕事をしているかも知れません。
症状と予防法を知って、マイナートラブルを解決しましょう。
どうして妊娠中は貧血になりやすい?
先程お伝えしたように、赤ちゃんと血液を分け合っているので妊婦さん自身の血液が足りなくなってしまいます。
ただし、大量の出血を伴うリスクのある出産に備えて妊娠と共に血液を作り始めます。
それでも貧血になってしまう理由は、その作られる内容に関係があります。
血液はざっくりと分けて固形成分と液体成分とに分けられます。
固形成分は酸素を運搬したり免疫を担ったりしており、液体成分は栄養を運んだり体の中を掃除したりしています。
また、妊娠初期には液体成分から羊水が作られていきます。
合わせて固形成分のほとんどを占める赤血球を作る為には鉄分が必要不可欠なため、作りたくても作れず、結果的に液体成分が増えていきます。
簡単に言うと、インスタント味噌汁を規定量より多くお湯を入れてしまった状態が身体の中で起こります。薄味が好みの方もいらっしゃると思いますが、体はほんの些細な変化でも重大な症状となって現れるおそれがあるので注意が必要なのです。
妊娠中に起こる貧血の症状は?
妊娠中に貧血になると、軽度であれば自覚症状がない場合もありますが、めまいや立ちくらみが起こります。
他にも頭が重たかったり、やる気が起こらなかったり。
普通の健康状態と違うよ!と体から様々なサインが送られます。
貧血は重症化しなければ低体重児や奇形など赤ちゃんに障害が残る恐れは少ないとされています。
しかし、貧血により階段で立ちくらみから転倒を起こしてお腹をぶつけてしまうリスクが上がります。
加えて、貧血状態では満足に運動もできず、食事もままならないでしょう。
そうすると、胎児の発育に少なからず影響が出るであろうことは予想できます。
貧血の予防と治療法は?
血液検査で貧血だと判断されると、医師は妊娠中でも服用可能な鉄剤を処方してくれます。
ただし、鉄剤の服用ですぐに貧血が改善されるわけではなく、中長期的に服用する必要があります。
日常の食生活からコツコツと鉄分を摂り、体に蓄えて予防しておくことが必要です。
効率よく食事から鉄分を摂取するために、ビタミンCを含むキャベツやブロッコリーとともに、牛肉、豚肉などの動物性の鉄分を摂ることが大切です。
また、産後も出産で多くの血液を失った上で、更に血液が母乳の材料となるので、妊娠中にいかに鉄分を失わないかというのはとても大切なのです。
健康な妊娠生活を送れるように
貧血は妊娠を通していつでも起こりうるものなので、少しでも不安があれば医師と相談しましょう。
つわりが辛くて栄養のことまで頭が回らない…という方も多いと思います。
自分が貧血になってから行動を起こすのではなく、妊娠には貧血がつきもの!と知識をつけ、いざその症状に見舞われても冷静に判断できると良いですね。
かくいう私も、つわりが酷く、神食と呼ばれるつわりの時でも食べられる食材に手を伸ばしスポーツドリンクばかり飲んでいたので見事に貧血になり鉄剤を妊娠中は手放せませんでした。
生まれてくるまだ見ぬ赤ちゃんのため、出来ることを少しずつ無理ない範囲で行っていけばきっと、赤ちゃんは笑顔で返してくれるはず。
もし妊娠中で貧血真っ最中な方は、医師や栄養士さんに相談して、日々の生活改善を目指してみることから始めてみませんか?