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『ペトロダラー』ってなんのこと?
最近、SNSでフォローしている世界のメディアのニュースを追っていると『ペトロダラー(Petrodollar)終焉』という言葉をよく見かける。
例えば、こんな記事↓
” アジアが台頭し、バイデンがアメリカを破壊している。
サウジアラビアはBRICSへの加盟を計画している。
それは、私たちの富の源であるペトロダラーの終わりです。私たちはもうお金を刷ることができなくなり、32兆ドルの負債を抱えることになるのです。”
Saudi Arabia Joining BRICS Spells the End of the Petrodollar
ペドロダラーは米ドルと合わせて『終わること』が世界の真実探究者にとっては望ましい!?
そして、SNSで真実を追いかけている人達の投稿でもやはり『ペトロダラー終焉』をよく見かける。ペトロダラーの終わりとセットで『ドル崩壊』『ドル基軸通貨時代が終わる』『通貨リセットキター!』なんて言葉も並んでいて、多くの人達が『ドルとペトロダラーの終わり』を喜んでいる。
でも、恥ずかしながら僕自身も世界の真実探究者を名乗りつつ世界経済には疎くて(苦笑)いい歳して『ペトロダラー』が石油を買うお金の呼び名であることは分かるけど、具体的な説明をできるほど理解してはいなかったから、改めて調べてみたよ。
『ペドロダラー』と言われると分からない。でも『オイルマネー』なら分かるよね
『Petrodollar(ペトロダラー)』という言葉は、石油を意味する petroleum(ペトロリアム)と、アメリカ合衆国ドルを意味する dollar(ダラー)を掛け合わせて作られた造語だそうだ。
日本では『オイルマネー』と呼んでいる、同じ意味が海外では『ペトロダラー』いや、よくあることだけど『オイルマネー』という言葉のほうが日本独特の『和製英語』だったんだね。
オイルマネー、もとい、ペトロダラーは原油取引でアメリカドルが世界的な基軸通貨として使用されていることを指している。原油輸入国が原油の価格をアメリカドルで支払うことが一般的で、そのために世界中の国々がアメリカドルを保有するようになっているんだ。
ペトロダラーが成立した背景には、1970年代のオイルショックがある。当時、OPEC(石油輸出国機構)が原油価格を急騰させて、アメリカ政府は原油の価格を支払うためにドルを保有する国々を増やすことを目的に、原油をアメリカドルで支払うことをOPECに要請した。OPECがこれに応じたから、アメリカドルが原油取引の基軸通貨として確立されたんだってさ。
ペドロダラーがあるからアメリカドルは世界の基軸通貨になっていてアメリカが世界の強国でいられる
ペトロダラーがあるからこそ、アメリカは世界的な基軸通貨としてのドルの地位を維持できている。原油輸入国がドルを保有することで、アメリカの債務国である国々からの投資や資本流入を促進できる。
そして、これまでは一度確立されてしまった世界的な『原油取引はアメリカドルで行う』が崩される要因がなかったから、アメリカドルは安泰、ひいてはアメリカという国も安泰だった。ペトロダラー以外の通貨が原油取引に使用されることはあったけど、その比率は非常に少なかった。
だけど、原油を輸入する中国はかれこれ自国の通貨である人民元を原油取引に使用することを推進してきた。さらに、アメリカの支配に対抗する立場のロシアやイランなどの一部の国々は自国通貨での原油取引を行うことを模索してきた。
ペドロダラーおよびアメリカドルの存在感が薄れている5つの原因
だけど、2023年4月現在、やはりペドロダラーおよびアメリカドルは存在感が薄れてきている。ここでは詳しくは説明しないけどざっと以下の5つの原因がある。
1. エネルギー市場の多様化による米ドル以外の通貨の使用増加
2. 新興国の自国通貨でのエネルギー取引の推進
3. 米ドルに対する競合通貨の増加
4. 米国の財政赤字の拡大によるドルの価値低下
5. 米国の制裁政策による外国企業のドル離れ
この5つの中でも特に注目なのは3.米ドルに対する競合通貨の増加で、中国やロシアなどが自国通貨でのエネルギー取引を推進して米ドル依存度を減らす動きは元々あったけど、冒頭に引用したニュースにも出てくる【BRICS】の台頭が世界の基軸通貨としての米ドル衰退の主要因となりつつある。
この【BRICS】ブリックス、については次の記事で!
続く。
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