日常に潜む妖怪(2)直接、体に触れて生気を奪う手強い妖怪も【芦屋道顕の現代の呪】

日常に潜む妖怪(2)直接、体に触れて生気を奪う手強い妖怪も【芦屋道顕の現代の呪】

そこに伝統芸能を愛好し、その道の通になることにアイデンティティを見出すようになり、マウンティングを好むようになると、やはり魔の漬け入る隙ができるのであろう。

とかく、着物やアンティーク、宝石などには持ち主の念、執着が入りやすく、人手を経ていくうちに、妖魔の格好の住処となる。

日常に潜む妖怪(2)直接、体に触れて生気を奪う手強い妖怪も【芦屋道顕の現代の呪】

六条の御息所(Public Domain)

そして、妖魔の棲みついたそれを手にした人は、妖魔を身の内に呼び込みやがて支配されてしまうのじゃな。

良いものは時代を越えて受け継がれていくべきであり、古いものを大切にするのは素晴らしいことではあるが、過ぎた執着や競争心は、自身も他人も不幸にしてしまう。

ミイラ取りがミイラにという言葉があるが、困ったことにこういった妖怪に出会ってしまい、うまくかわせずに何度となく関わるようになると、気付けば己の身の内にも魔が棲んでいることもある。過去には忌み嫌っていたお節介おばさんに、自身がすっかりなってしまわぬ保証はない。

難しかろうが「人のふり見て我がふり直せ」人にされて嫌なことは、自身がやらぬよう常に己を客観視すること、そして何より、負の影響を与えんとする妖怪達からはできうる限り遠ざかることじゃ。

そして、ごく手軽に魔を避ける手段としては、下着、特に下半身に赤いものを身につけることじゃ。血のようなどす黒さの混ざった赤では逆効果であるが、祝い事で使う紅白の幕や結びの赤の色は、人の生気を奪う妖怪が最も嫌う色である。

日常に潜む妖怪(2)直接、体に触れて生気を奪う手強い妖怪も【芦屋道顕の現代の呪】

では、次回は、人に厄を付ける疫病神のような妖怪についてじゃ。


(1)はこちら→日常に潜む妖怪(1)人の生気を吸い取るあやつは妖怪ぞ!

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