妖怪といえば、水木しげるのゲゲゲの鬼太郎が有名で、さらに古くは遠野物語などにも悪霊のみならず妖怪変化(へんげ)の話はたくさんある。
昨今では陰陽師絡みの漫画やアニメも多くなっているが、そこに出てくる妖怪のほとんどが、見た目にそれと分かる異形か、あるいは人と間違えてうっかり付き合っているうちに、その本来の姿を暴露してしまうものじゃ。
人がごく普通の生活を送っていれば、悪霊も妖怪も、そうそう出会うものではない。生涯、闇の存在とは無縁で過ごす人のほうが圧倒的に多い。
しかし、それと分かる「異形」の妖怪や、人間に化けた妖怪には出会わずとも、
人間でありながら心に魔を宿し、妖怪に近しい魔力を持つ者
は、驚くほど多く、町を歩けば1日に少なくとも数人はすれ違うておるはずじゃ。
さて、この話を周囲にしたところ「まさか!」や「うそうそ (苦笑)」などの冷ややかな反応は皆無であった。それどころか「いるいる!うちの会社にも」「ご近所に」「こないだ、居酒屋で」「役所で」などなど、自身もまた人間の姿をした妖怪に出会うたという証言がたくさん集まってしまったのじゃ。
想像以上に多種多様な妖怪が現代人の中に巣食うていて、祓うのは危険ゆえ薦めぬが、被害を受けぬよう対処が必要と思うて、今回、