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今年は戌年です。年の初めには犬モチーフのものがたくさん売られていたりしましたが、もう忘れていたという人もいるのでは?最近はネコブームに押され気味でしたが、犬ブームも再燃しています。犬は昔から私たち人間の身近な存在でしたので、犬にまつわる言い伝えもたくさんあります。
今回は犬に関するおまじないや言い伝えをご紹介します。
① 犬が遠吠えすると人が死ぬ
犬は霊感が強く、死にまつわる凶事を察知して吠えると言われていました。
それほど本能を残している動物であり、昔から家を守ってきた歴史があります。
また「犬が遠吠えすると火事がある」とも言われていました。
こちらも身の周りの危険を察知する本能にあやかりたいと願って生まれたジンクスです。
② 葬式で犬が吠えると、続いて死人が出る
①と同じように、犬の「死を嗅ぎつける能力」を表したものです。
犬は今では私たちを癒し家族として一緒に暮らす存在ですが、日本の歴史の中では家を守るのが犬の仕事でした。
目に見えないものをキャッチできるとされていたため、幽霊が見えるとも言われていました。
お葬式に来ている「死神」が見えているのかもしれません。
③ こよりで犬の形を作り、尾の部分から火をつける。完全に燃えれば待ち人は来るが燃え残れば待ち人は来ない
遊郭で流行した待ち人占いです。
昭和初期まで行われていました。
犬を待ち人、つまり自分の好きなお客さんに見立ててこのような占いをしました。
来て欲しいという強い念が通じると犬は燃え、通じなければ燃えないという結果です。
まじないの要素も入っている遊女の占いです。
④ 赤ちゃんの産着に「赤ん坊の産毛」と「犬の毛」を混ぜた毛玉を作って縫い込むと、悪魔を祓える
中国のまじないです。
かつて中国では「ちゅう生鬼(ちゅうせいき)」という悪魔が生まれたばかりの赤ちゃんの魂を奪うという言い伝えがありました。
「ちゅう生鬼」は未婚のままで亡くなった女性が悪魔になったもので、自分が赤ちゃんに入り込んで生まれるチャンスを狙っていると言われています。
赤ちゃんを乗っ取られないために産毛と犬の毛でお守りを作ったのがこのまじないの始まりです。
このお守りは「狗毛符(くもうふ)」と言います。
日本でも犬張子と同じ発想のまじないとされます。
⑤ 犬が屋根に上ると大凶事がある
朝鮮の言い伝えです。
これは「犬が屋根に上がって逃げるほどの危険が地上に起きる」という意味と、「屋根に上がられた家の運気が犬の魔力でどんどん落ちていく」という意味があります。
どちらにしても屋根に上がられてしまった家には近々不運な出来事がありそうです。
⑥ 犬が門前の土を掘ると不幸が起こる
他にも「草を食べると大雨の前兆」「前庭を掘ると大きな喜びがある」という言い伝えもあります。
どれも朝鮮に伝わる言い伝えです。
犬が敷地内のどこにどんな行動を起こすかで、その後に起こることを見極めていたようです。
残念ですが、朝鮮も日本も犬に関してはあまり良い言い伝えはありません。
前庭を掘るのは「ここほれわんわん」ということなのでしょう。
⑦ 犬が出掛ける人の左の膝のにおいをかいだら、財産を獲得する兆し
インドに伝わる言い伝えです。
他にも「右膝なら女性とのいさかいがある」、左太ももなら「感覚を喜ばせる物を受け取る」、右太ももなら「親しい人との不和」、両足をかいだら「旅行の中止」と言われています。
インドでも犬は人々の身近な存在です。
犬を使った占いのようになっているのが面白いところです。
⑧ 黒い犬に出会うと縁起が悪い
ヨーロッパの言い伝えです。
ヨーロッパのこの手の言い伝えといえば「黒猫」を思い出しますが、黒い犬が魔女の使いと信じられていたため、死や不運などと結びついてこのようなジンクスが出来上がりました。
⑨ 病人のかかとをこすったラードの焦げた皮を犬に与えて、病気の治りを占う
フランスの言い伝えです。
もし犬が食べれば病気は回復、食べなければ病人が死ぬと言われていました。
医療が完全でなかった時代とはいえ、いささか極端な占いですね。