（２）いわくつきの場所から戻るとき家に妖（あやかし）を招き入れないための方法

（２）いわくつきの場所から戻るとき家に妖（あやかし）を招き入れないための方法

さて、（１）霊感があるおぬしのための霊的防御術では魑魅魍魎がいそうな場所に出かける前にやっておきたい防御術と、万が一そやつらと出会うてしまった場合の対処法を紹介したが、今回は、死霊や物の怪がどうにもこうにも祓えずに、家まで着いて来てしまったかもしれないときの対処方法じゃ。

■悪いものが憑いたときのサイン

★人間由来の死霊の場合

死霊など、人間由来の悪霊はたいがい、首の後にくっつくか入り込む。暑くてしかたがない……と思いながら歩いていたのに、急に背筋がゾクッとする、いわゆる「寒気」がしたならば、何かしら人間由来のものが憑いてきたのかもしれぬ。

あるいは、地を這うているような死霊の場合は足にしがみつく。それまで普通に歩いていたのに、妙に足が重だるくなったときは、何かがしがみついているやもしれぬ。

★悪心を抱く自然霊や物の怪の場合

人間だったのははるか昔で、悪心を抱き続けたか人の世界で裏切りに遭うて悲しみ続けたがゆえに魔の道へ迷いこみ、やがて魔物と化した人間の成れの果て、あるいは人間だったこともない自然霊の?化（へんげ）した物の怪（もののけ）の中でも人間に敵意を抱く存在、そやつらもやはり跋扈しておる。

が、そやつらは人間とはかけ離れた波動を持つゆえ、直接生きた人間の肉体に入り込むことはままならず、ゆえに死霊のようにばったり出くわしてすぐに取り憑くことはない。

しかし、安心できぬどころか、死霊よりもそやつらが恐ろしいのは、そやつらはその人間に取り憑くのではなく、その人間に目星をつけておいて、後から頃合いを見計らって喰うてしまおうと思うていることじゃ。起きている間や昼の太陽が出ている時間は、いかに霊的に弱い人間であっても、ある程度は守りがあり、異界のものの波動に抵抗ができるが、寝ている間は無防備になる。

そして、そやつらはその寝込みを襲うために、家の中に身を潜めようと画策しているのじゃな。

■悪いものを家に入れないための対処法

これもまた、意外に思うやもしれぬが、普段も家の中に入れたくない訪問販売員やら、花粉対策と似たようなものなのじゃ。

★憑いてきた悪霊を祓う方法

首や足にしっかりしがみついてせっかく家の前まで憑いてきたとて、やつらは意外にもすぐに払い落とせる場合が多い。

町でしつこいナンパ師に出会って恐ろしくも家の前までついてこられたとして、何も言わずおぬしが家に入ればやつらは図々しくついてくるかもしれぬが、毅然と「やめてください！警察呼びますよ！」といえば、さすがに家に押し入りはすまい。（いや、この場合は生きている人間のほうが何をしでかすか分からず、１０００倍怖いが）

悪霊であっても、おぬしとは恐らくは初対面の行きずりで、多少波長が合ってしまったとはいえ、赤の他人でおぬし自身への大きな恨みはないはず。（しかし、肝試しに殺人現場を冷やかしたり赤の他人でも死者を罵るなどしたなどの場合はこの限りではないぞ）

ゆえに、おぬしが己の不調に感ずる身体の部分、首であれ肩であれ足であれ、それを玄関のドアを開ける前に手のひらでバンバンと強く叩いて「立ち去れ！」と心の中で一喝すれば、離れてくれることも多い。誰かとともにいれば、相手に自分の背中を強くバンバンと叩いてもらうのもよかろう。

それでも憑いて入ってきたり、念がまだまとわりついているようであれば、その日身につけていた中で洗えるものは全てすぐに脱いで洗濯し、己はシャワーを浴び、粗塩と清酒を入れた風呂に浸かってさっぱりすることじゃ。

魑魅魍魎を家に入れないようにするには？

さて、人間とはほど遠い存在の場合は、そのまま人間憑くことができず、後を追ってきても、人間に招き入れられぬ限りは、人間の家の敷居をまたぐことはできない。敷居だけでなく、窓などからも入れぬものなのじゃ。

ゆえに、そやつらは、目星をつけた人間に実際の「印」をつける。神仏がお守りをポータルとして、お守りを持つ人の元へ助けにくるように、物の怪どもは己が人間につけた印をポータルとして家の中に入り込むのじゃ。

その印とは、主に鳥の糞、犬の糞、山などを歩いた場合は知らず知らずのうちに踏んでいる獣の遺骸の欠片、それから動物の毛、人の毛、虫、小石や木片などじゃな。

そして、そやつらを家に入れぬためには、こういった小さな穢れを家の中に持ち込まねばよいだけなのじゃ。

その方法はとても簡単。家に入る前に、服を確認すること。何か、鳥の糞がついておらぬか、虫がついておらぬか、動物の毛がついておらぬか……。

それから、念のため悪霊対策のときと同じように体を叩き、綺麗に見えても、服もはたく。

犬の糞や獣の遺骸、虫や小石がついているやもしれぬゆえ、玄関のたたきを踏む前に、靴底を確認してウェットティッシュなどで拭いてもよかろう。玄関前に、靴裏の汚れを落とすマットを敷いている家もときどきあるが、あれでもよかろう。（その場合、マットは常に水洗いするなど厄払いしておく必要がある）

ざっとこれだけのことをしておけば、後をつけてきた魑魅魍魎も「こやつは手強い！面倒じゃ！」とさっさと諦めて去ってくれるはずじゃ。

関連記事：（１）霊感があるおぬしのための霊的防御術