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(1)では、観葉植物を使う呪い(まじない)を紹介したが、今回は情報と根気、そして何よりも寛容さが肝要になる呪いじゃ!!……っと、おやじギャグをすまぬ。少しでも残暑が吹き飛んだなら幸いじゃ……。
本題に戻って……今回紹介するのは禁断とはいえ、これはまったくもって誰に対しても無害かつ、他のあらゆる呪いと併用してOKかつ、いつ始めても止めてもかまわぬ緩やかな呪法じゃ。
しかし、手軽ではあるが、これを行うには乗り越えるべき心の問題が多く、効果があろうと理解できても、やはり心情的に実行できぬという人も多い。
が、実行して望み通りであれ予想外の形であれ、幸せをつかんだ者はいても、不幸になった者はいない。続くかどうかは分からぬが、とりあえず試してみてはいかがであろうか。
他のあらゆる呪いと併用OKの『隣人愛の呪法』とは
これは元々特に名がなかったが、これを機に『隣人愛の呪法』と名付けようぞ。
『隣人愛の呪法』は「ライバルの幸せな結婚を願うことで、己の恋を叶える」方法じゃ。
これだけではなんだか分かりにくかろうて、とりあえず方法を先に説明しよう。
<隣人愛の呪法 やり方>
★隣人愛の呪法の準備
ライバルのフルネームと顔を知っておくこと
顔は、直接逢うもよし、写真を見せてもらうもよし(そのような機会があるかは分からぬが)とにかく、ライバルの顔と名前が分かっていることが必要じゃ。
また、これは難しかろうが、分かる場合はライバルの夢や目標、趣味や好み、特に異性の好みや理想の結婚相手も把握すしておく。
★隣人愛の呪法の実践
やり方は単純。毎晩寝る前に、ライバルの顔を思い浮かべながら「○○○○(ライバルのフルネーム。敬称はいらぬ)は、ハンサムで背が高くお金持ちの彼に愛されて結婚します」と、ライバルの幸せを願うのじゃ。
もし、ライバルの好みが分かっている場合は、その好みも取り入れた願い文を唱えるとよい。例えば、海外旅行が大好きなライバルならば、さきほどの願い文に「……お金持ちで海外旅行好きな彼に愛されて」といった具合で付け加える。
この願い文を、寝る前に10回繰り返す。これを続けるうちに、ライバルにはそのような相手が出てきて、おぬしの愛する彼とは別れてくれるというわけじゃ。
★願い文の中身が今の彼と相違しているほどよい
さらにいえば、願い文で唱える「ライバルのために出てくる新たな恋人・結婚相手」の特徴が、おぬしの愛する彼とかけ離れていればなおよい。ただし、世間一般の常識に照らしあわせて、歓迎されない特徴を盛り込まぬことじゃ。
例えば、おぬしの愛する彼が背が高くハンサムだからと、ライバルのために「背が低くブサイクな……」と唱えたら、これは悪意のある呪い(のろい)となって、己に跳ね返ってしまう可能性が高い。また、悪意ある願いは神仏の領域には届きにくいのじゃ。
ゆえに、そういった愛しき人のプラス面は変えず、ライバルが彼に対して、物足りなく思うている部分を付け加えた内容がよい。
これは、愛しき人の愚痴などから、ヒアリングできるであろう。「今の彼女は俺の両親と仲が悪くて。俺の母親が彼女を嫌ってるんだ」などと聞けば、願い文には「……その彼の母親は、○○○○のことを娘のように可愛がる優しい人で、とても幸せな結婚生活を送ります」などがよかろう。
「彼女は、俺にタバコをやめろってうるさいんだ」と聞けば、「タバコを吸わない彼が現れ」「専業主婦になりたいらしいけど、俺は働いてくれる女性がいい」と聞けば「その彼は○○○○が専業主婦になることを喜びます」などじゃな。
しっくりとくる願い文ができあがるまで、何度修正してもよい。毎晩唱えるのが理想じゃが、一日くらい忘れても効果がまったくなくなるわけではないので大丈夫じゃぞ。
ライバルの幸せを願うと何が起きるか
さて、この方法を「憎いライバルの幸せを願うなんてとてもできない」と思って実行したくなければ、それはそれでよい。しかし、この方法を実行すると、2ついいことが起きやすくなる。
1つ目は、この呪法の目的たる、「ライバルに、今の彼以外にもっと素敵な相手が現れて去っていくので『略奪愛』ではなくなる」こと。そして、おぬしがいくらこの呪法をやったとしても、人の不幸を願う呪いではなく、赤の他人の幸せを願う善行であるため、反動で悪しきことが起きるなどのペナルティが一切ない。
略奪愛や不倫は世間から後ろ指を刺されるが、この場合はライバルが先に彼を捨ててしまうゆえ、おぬしは正々堂々と、失恋した彼を優しく受け入れる女神として登場し、周囲にも祝福されて結ばれることが可能になるわけじゃ。
2つ目は、これはこの呪法が「斜め上」の効果を発揮し、おぬし自身にこの呪法が効いてしまうことじゃ。
呪法とは常に、破れたときには呪者本人の身に降りかかると言われるが、この呪法も例外ではない。もしも、ライバルにこの呪法がさまざまな理由で効かなかった場合は、この願い文の相手は、おぬしの相手として現れるであろう。
また、潜在意識は願い事の「主語」を判別しないという説がある。他人を呪ったり悪口を言ってはいけない理由がそれだと言われている。
例えば、「A子なんか試験に落ちればいいのよ」と呪いの言葉を吐いたら、潜在意識は「A子」を認識しないゆえ「己が試験に落ちればいい」と認識して、そのように働いてしまうそうじゃ。
これは逆に考えれば、他人の幸せを願うて口にしたセリフ、強く思ったセリフも、己の身に反映するわけじゃな。
★結局、愛しい彼とは結ばれないこともある?
実は、この呪法のよいところは、結果的にライバルが去りおぬしが愛しき彼と結ばれるか、もし恋に破れたとて、その場合は願い文が己に働き「愛しき彼より素敵な彼」が現れる点じゃ。
願い文の内容次第では、ライバルが好きそうな相手の特徴が、自分にとってはまるで好みではなく、趣味に合わない相手が現れるのでは……と気がかりかもしれぬが、それも心配ない。願い文通りに完璧な相手が出てくることはこの呪法に限らず稀有であり、大概は「大事な部分だけ合っている」相手が現れるもの。
ゆえに、ライバルの好みを最大限考慮すると「イケメンで背が高くてエリートサラリーマンで都心のタワマン住まいで、ワイン好きの趣味が合って……」と唱えていたとして、
おぬしの好みが「イケメンで背が高くて、でも私の実家の自営業を継いでくれて、うちの親と田舎の家に住んでくれて、芋焼酎が好きで」だとすれば、「イケメンで背が高くて」までが叶い、あとはどうにでもなる相手が出てくるであろう。
いずれにしても、幸せになれるというわけじゃ。