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開運占い軍団のスタッフが経験した実話です。今回もスタッフが話してくれるよ。そして、前回に続いて今回も現実問題として、非常識だったために危うく犯罪者扱い!という「本当にあった怖い話」だそうです。
この記事はこの話の続きです↓
【ほん怖】延命措置は拒否のはずが少しの迷いで1ヶ月人工心肺装置に繋がれた実母の話【Kuの社会勉強】 | cyuncore (キュンコレ)
十数回の危篤呼び出しの末、本当に最期が近いとのことで個室に移動した翌々日に息を引き取る
前回、実母の延命措置は断る予定だったものの、気の迷いで人工心肺装置を装着してしまい、日本の法律上、事実上外せない状態となってしまったことまで話しました。今回はその続きです。
全身状態の悪化で入院から約1ヶ月後に亡くなるも浮腫みがひどかった
・・・結果として、全身症状の悪化、特に問題のあった心臓は機械で保たれているため、心臓ではなく腎臓の機能がとりわけ悪化してしまいました。点滴で栄養を入れ続けているのですが尿として排出されなくなり、どんどん全身が浮腫んで、他の臓器にも影響が出て、といった状態でした。
その状態では、さすがに回復の見込みが一切なく、また、人工心肺装置を装着し続けていることで、その挿管部分から感染症の兆候があるとのこと、感染症防止のためにという名目で、ようやく外せることになりました。
それまではICUにいましたが、ICUは他にも患者さんがいるので、医師チームからの提案と、個室に移したいという家族の希望から、最期の支度などもあるため、人工心肺装置のうち、呼吸器の管を抜き、気管切開にして個室に移すことになりました。
この期に及んでまた、喉に穴を開けるのか……。と、そして場合によっては気管切開後にまだまだ生きる(他の管は抜けないまま)可能性があるわけで、正直その提案には躊躇しました。
それでも個室には窓があり、家族が寝泊まりもできる、気管切開をすることで口に入っている管はなくなり、喉からになるのは、医師や看護師さん達によると、本人も口が自由になり、状態次第では水など飲めるので今よりはるかに楽とのことで、気管切開に同意しました。
気管切開をして個室に移り、初日は家族が泊まることになりました。
医師の話では、気管切開後、やはり腎臓が要因になり、全身の状態が悪く、また心臓が止まるまでは時間の問題とのこと。今度、心臓が止まったら電気ショックなどの蘇生はしないとのこと、説明を受けました。
そして、日付が代わり、昼前に病室に泊まり込んだ家族から連絡が。血圧が下がり、脈拍も弱くなり、今回は本当に死が近いから駆け付けるようにとのこと。
すぐに支度して病院に向かいましたが、私が病室に着いた時点で、家族曰くもう30分ほど前にモニターの心電図などはすべて平らに、数値は0になっていて、息を引き取ったとのこと。ですが、まだ死亡確認をしておらず、医師は私の到着を待っていたとのことでした。私の到着後、担当医師が来て死亡確認。実に、亡くなるまで1ヶ月近くかかってしまいました。
『早く火葬しなければ』とテンパって葬儀社に怪しまれる
実母が亡くなるまでに、最初に危篤から生還した約1ヶ月前の時点で、地元の葬儀社とはメールで何度もやりとりをして葬儀プランを決め、予算も決めていました。小さな葬儀社で、遺体のお迎えの車の台数が限られているとのこと、実際に亡くなった場合には、早めに電話を言われていたので、すぐに電話をしました。
私はそのとき、『早く火葬しなければ!』とテンパっていたので、車を手配してくれる方が『今日明日は安置をして、火葬場は最短で3日後に……。』と、至って普通で、なおかつ家族葬のみで告別式をしない今回のプランでは最高の日程を伝えてくださったのに対して、
『3日後と言わず、今日火葬場が空いていれば今日、火葬できませんか?』と、言ってしまったんですね(苦笑)
すると、電話口の方が『え!?・・・何か、お急ぎのご事情がおありですか!?・・・少々お待ちください』と、電話を保留に。それからしばらくして、ドスの効いた男性の声で『お電話代わりました、◯◯◯(上の役職の肩書とフルネーム)でございます。まず、日本の法律上、当日の火葬は異例でございまして、どのようなご事情が。また、どこでどのようにお亡くなりになったのか、詳しくお聞かせいただけますか?』と。そこでさすがに勘の悪い私も「あ、何か疑われてる!?」と気付いて、素直に「早く火葬にしないと!」と思ってしまった理由を伝えました。
なにより、1ヶ月も寝たきりのままチューブに繋がれ、最期はひどく浮腫んでいたので『早くしないと腐ってしまう!!』と、本気で心配だったのです。また、葬儀社に支払うための葬儀費用はカードが使えないので現金を持ち歩いていたため、スリや強盗に遭うまたは自分のうっかりで無くしてしまわないうちに、できるだけ早く葬儀社に支払ってしまいたい、という気持ちもありました。
結局は、電話に出た『上の人』が、私が単なる無知な慌て者と理解して、火葬までの日数の事情を教えてくれました。
実は日本には『墓地、埋葬等に関する法律』というものがあり、その中で遺体は、医師の死亡確認から24時間以上経過してからでないと火葬してはならないと決まっているんですね。(特定の指定感染症で死亡した場合を除くそうです)なので、火葬前に必ず1日以上は遺体を安置する必要があるそうです。
さらに、遺体を迎える場所が病院であることから、また穏やかな声のトーンに戻って丁寧に今後の手続きを教えてくれ、無事に葬儀に漕ぎ着けることができました。
ちなみに、あとでメールでいつもやりとりをしていた若い担当の方にそのときのことを尋ねたら、「万が一だけど、自宅で亡くなって早く火葬を、と望む遺族の場合、事件性があることがある」「病院でも、故意に人工呼吸器を止めたなどの隠蔽の可能性がある」ということを、遠回しな表現で答えてくれました(苦笑)
【参考】
第3条 埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。
墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号) |厚生労働省
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