★呪いを解くのは人任せではなく己で。しかし、家系への呪いは……。
わしの得意分野は霊的な事象であるゆえ、ほかのメンバーのように男心をどうこうせい、あるいは占いでの相性や時期がどう、という話ではない。
そして、もしこれから話すことにおぬしの状況が当てはまって「結婚できぬのは呪いじゃぁ!」と思うたとしても、わしは出張でのお祓いなどは受け付けておらぬのでご了承くだされ。たまにご依頼をいただくようじゃが、全てお断りしておる。バイトでお祓いはしておるが、それはきちんと修行を積んだその道何十年の方の付き添いと指示を受けてじゃ。一人で勝手にやろうとすれば、たちまちバレて大目玉を食ろうてしまうし、大物の妖怪や悪霊相手となれば失敗して身体を乗っ取られかねぬ。君子危うきに近寄らずじゃ!
と、わしの事情はどうでもよかろうが、そうでなくとも他人にこういった相談をするのはくれぐれも注意が必要である。中には、明らかに呪いではなくとも呪いと決めつけて高額な報酬を受け取らんとする悪徳業者もおるゆえな。そやつらにまかり間違って相談するのは飛んで火に入る夏の虫であるぞ。
さらに、通常の憑依や呪い、祟りは「本人のみが」解決できるもの。陰陽師であれサイキックであれ僧侶であれ、他人が何かを祓うても、本人に断固たる思いがなければ、祓うた何者かはすぐに戻ってきてしまう。
厄除けなどは特に、例えは最悪であるが……風呂に入らぬオタク男子の匂いをなくすため、説得して一度は風呂に入らせても、しばらくすればまたそやつは風呂を怠り匂い出すようなもの。他人が出来るのはシャワーのある場所を教え、使い方を教え、身体の洗い方を教える、それを習慣化するよう言い含める、までなのじゃ。