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2025年3月までの世界の大麻政策
2025年3月までの大麻に関する世界の動きを振り返ると、いくつかの国や地域で合法化や規制緩和が進む一方、再規制や厳格化の動きも見られます。以下に、主な動向を時系列に沿ってまとめておくよ。
医療用・娯楽用共に合法化の広がりは2021年から
2021年以降、医療用や娯楽用大麻の合法化が世界的に広がりを見せた。
【メキシコ・ドイツ】
メキシコでは2021年3月に嗜好用大麻の合法化が議会で承認され、世界最大級の市場が誕生する可能性が注目された。
ドイツでは2024年4月から娯楽目的の大麻使用が合法化され、2025年にその影響を調査する予定が立てられている。
この動きは、闇市場の壊滅や健康被害の抑制を目的としたもので、流通を管理下に置く試みとなっている。でも、未成年への影響や普及の助長が懸念されて賛否両論が続いている。
【アメリカ】
アメリカでは、州レベルでの合法化が進む中、連邦レベルでの動きも加速。
2025年3月時点で、連邦大麻合法化案がホワイトハウスに提出される見込みとなり、大麻関連株が急伸するなど経済的な期待が高まっている。
カリフォルニア州のような先行地域では、1996年の医療用合法化に続き、2016年から嗜好用も認められ、全米最大の市場が形成されている。
一方で、フロリダ州では2024年11月の住民投票で合法化が否決されるなど、地域差も顕著に。
日本は?
日本では、2024年12月12日に大麻取締法が改正され、大麻由来成分(CBDなど)の医薬品使用が解禁された一方、不正使用に対する「大麻使用罪」が新設され、規制が強化された。医療目的での活用が期待される一方、乱用防止が重視されている。市場では、CBD製品の普及が進みつつあるものの、嗜好用大麻の合法化は依然として議論されていない。
タイは合法化後「再規制」
タイでは、2022年に歴史的な合法化が行われたものの、2025年から再規制が始まった。中毒者増加などの課題が浮上し、医療目的などに限定する方向へ舵を切っている。
タイでのこの動きは、急速な合法化がもたらす社会的な影響を再考する契機となっている。
トランプ政権の大麻政策は?
2025年3月29日時点で、ドナルド・トランプ大統領の大麻政策に関する具体的な動きは、彼の第2期政権(2025年1月20日就任)開始からまだ日が浅いため、詳細な実績として固まっていない。だけど、彼の過去の発言や選挙キャンペーン中の公約や現在の政治的文脈から、現時点での政策の方向性を以下にまとめる。
2024年選挙キャンペーンと第2期への公約
2024年の大統領選でトランプは、大麻政策についてこれまでより明確な支持を表明し、注目を集めた。
フロリダ州の嗜好用大麻合法化支持
2024年9月、トランプは自身のSNS「Truth Social」で、フロリダ州の嗜好用大麻合法化(Amendment 3)を支持し、「少量の大麻所持での逮捕や投獄は不要」と主張。ただし、この住民投票は60%以上の賛成が必要だったが達成できず否決された。
スケジュールIIIへの変更支持
大麻を連邦規制物質法のスケジュールI(医療用途なし、乱用可能性高い)からスケジュールIII(医療用途あり、乱用可能性低い)に再分類するバイデン政権の提案を支持。これにより、医療研究の促進や大麻ビジネスの税負担軽減が期待される。
銀行アクセス改善
大麻関連企業が銀行サービスを利用しやすくする「SAFE Banking Act」を支持。州で合法なビジネスが金融機関から排除される現状の改善を目指すと述べた。
厳格な薬物政策との両立
一方で、トランプは違法薬物(特にフェンタニル)販売者への死刑適用を主張するなど、薬物政策全体では厳罰姿勢も強調している。
これらの発言は、従来の共和党支持層だけでなく、大麻合法化を支持する若者や民主党寄りの層へのアピールと見られている。
第2期政権(2025年3月時点)の展望
トランプは2025年1月20日に第47代大統領として再就任し、共和党が上下両院で多数派を握る状況下で政策を進めている。
【大麻政策に関する現時点での展望】
スケジュールIIIへの再分類
バイデン政権が2022年から進めてきたプロセスが未完のまま引き継がれ、トランプがこれを推進する可能性が高いと見られる。2025年中にもDEA(麻薬取締局)が正式決定を下すとの予測があり、トランプ側近のマット・ゲーツ元下院議員は3月28日、「トランプの大麻改革は目前」と発言している。
州権尊重の継続
トランプは「州が決めるべき」との立場を維持しつつ、連邦規制の緩和で州の合法化を後押しする可能性がある。既に24州とワシントンD.C.が嗜好用大麻を合法化しており、この流れが加速するかもしれない。
経済的優先
大麻産業は急成長中で、2030年までに市場規模が約4440億ドルに達する予測がある。トランプのビジネス重視の姿勢から、経済効果を理由に改革を進める可能性も指摘されている。
閣僚の影響
保健福祉省長官に指名されたロバート・F・ケネディ・ジュニアは大麻合法化に積極的で、再分類や研究促進を強く後押しする可能性がある。また、イーロン・マスク(トランプの側近で大麻支持派)の影響も注目される。