*ちなみに彼女は美人の部類に入るし、ジム通いは筋トレ目的で、太っているわけでもない。
僕:最初に「かっこいい!」とか「すごい筋肉ですね!」とか、見た目を褒めちゃった?
あとは「インストラクターって、モテるでしょ?お客さんから誘われたりしないの?」なんて言っちゃった?
彼女:まさか!そういうこと言うと逆効果だって知ってるから。外見はまったく褒めてないよ。褒めるときも、グループ内で人気ナンバーに入ったって聞かされて(かっこいいもんね)と思ったけど「指導が本当に上手だものね。貴方のすごさはやっぱりみんなに伝わるんだよ」なんて答えたんだよ??
僕:それに対して、彼は?
彼女:それがさ、喜ぶどころか「でも、うちのグループ小さいですし、その中で競ってるのもバカらしくて。しょせん、井の中の蛙ですよ」だって。それは、謙遜してるだけとは思ったけどね。
僕:謙遜だけど、謙遜し過ぎだね。何か、コンプレックスでもあるのかな?
彼女:そういえば、学生時代はプロのスポーツ選手目指してたけど、選抜選手になれなくて、結局大学にも行かず、しばらくフリーターした後でバイト先のジムで資格取ってインストラクターになったんだって。
僕:なるほど。じゃあ彼はその話だけでも「プロのスポーツ選手になれなかった」ことと、大卒の君には大したことがないように思えるだろうけど「大学を出ていない」ことは彼のコンプレックスだね。
彼女:そういえば、会話の中で私が「学生時代の友達と」と話してたときに、出身校聞かれたんだよね。それで素直に大学名を言ったら(*彼女は都内の6大学に入る名門大学卒)頭いいんですね!って一応褒めてくれたけど、そのあと、最近ニュースになった同じ大学の逮捕された学生の話をし出して、ちょっとムカついたかな。
僕:なるほど。彼はそれだけでも君に対して少し、対抗心を抱いたかもしれないね。
彼女:えー?私はただ単に自分の経歴の当たり前のこと話しただけだよ?そんなの、出身地どこ?って聞かれて「東京」って答えただけで田舎の人に「だから気取ってるんだぁ」って言われるくらい理不尽なんだけど。こっちとしては、大学名はまるで自慢したつもりないし、彼が大学出てないことで馬鹿にしたことも一度もないよ!
僕:うん、まさにそういうことだよ。馬鹿にしてるつもりはなくても、相手が「自分にないもの」を持っていると、それだけで相手の発言がすべて自慢に聞こえることってあるでしょ。