ライター室屋の「○○男とデートに行きます」第9回 謙虚なイケメン男

ライター室屋の「○○男とデートに行きます」第9回 謙虚なイケメン男

いい感じの男性に出会ったにもかかわらず、誘い方すら忘れてしまったデート。
それならばまず身近にいる男性を誘ってデートに慣れよう!という荒療治デート支援コラム。
さて、今回登場する身近な男性は・・・?

第9回 謙虚なイケメン男

毎週ちまちまとデートのシミュレーションに関するコラムを書かせていただいているのだが、とうとう担当のIさんから「時にはちゃんと参考になるものも書いてくださいね♡」と釘を刺されてしまった。
要約すると、「もう妄想話はいいからマジのヤツくれよ」ということだ。
ついに真面目な大人に怒られてしまった。ご機嫌伺いのため、連載継続のため、干物女のため、少しは参考になることも書いておこう。せめて今週だけでも。

正直、住む世界の違うリア充イケメンをすんなりデートに誘えるような女であれば今まで生きるのに苦労していない。恐らく私がそんな女であったならば過去に大学は中退していなかっただろうし現在の年収も150万円以上あったはずだ。
どうすればイケメンとデート出来ますかね?と言われてもそんなのこっちが知りてぇわというのが本音だが、一応提供側としては知っているフリをしなくてはならない。
今回は「なんでも知ってるお姉さん」の感じでお伝えしたいと思う。

謙虚なイケメン男とは、文字通り非の打ち所のない謙虚なイケメンを指す。
イケメンと言えば全員性格がドス黒く、干物女を生ゴミでも見るような目で見て拒絶しているかというとそうでもない。ちゃんといい奴もいる。
謙虚イケメンは自分がどう立ち振る舞えばいいかということをよく分かっているのでその所作は美しい。相対する女が美人でもブスでも、きちんと敬語で話し、腰が低く、マザーテレサのように相手をいたわり、自分がイケメンに生まれたことを誇示しない。

つまり奇跡の哺乳類である。

干物女からすればこんな男性はデートに誘うどころか挨拶も難しいかと思うが、そんなに落ち込むことはない。
目標をたった一度きりのデートに定めれば、意外にお誘いのハードルは低いのだ。
何も付き合うわけじゃないし告白をするわけでもない。
誰もが羨む憧れのイケメンとのウキウキデート。ぜひ実現させたいものだ。
「謙虚なイケメン男」とのデートについて想定していこう。
第9回 謙虚なイケメン男

出典:chiwawakick.com より 漫画「坂本ですが?(佐野菜見)」一巻

♡お誘いポイント♡

1.土下座も脅迫もしてはいけない
2.誘い文句には「メ・イ・シ」
3.お誘いするのは三度まで

イケメンとのデート。こちらからのお誘い。
まず頭をよぎったのが「土下座」だが、女性から男性へのデートのお誘いに土下座は有効ではない。普通にドン引きされるし、こいつはやべぇという評判に拍車をかけてしまう。やめておくべきだ。

「あなたがデートしてくれないなら死にます!」と脅迫することも考えたが、こちらも普通に訴えられるか警察に突き出されてしまうのであまりよくない。
聡明な読者ならお分かりかと思うが、前科がつくリスクを賭けてまでイケメンをデートに誘ってはいけないのだ。というか、迷惑だ。

念頭に置いて頂きたいのは、卑屈になりすぎない、のめりこみすぎないこと。
とにかく客観的に自分を見て落ち着くことだ。いくら相手の心が広くても、「私なんか」「お時間ございましたら」なんて物言いはNGである。

デートに誘う時は簡潔に。潔く。宝くじを購入するときのように、「当たればいいなぁ」ぐらいの気持ちでポジティブにお誘いするべきである。
もちろん緊張するかと思うが、それを悟られないくらいの努力とイメトレは必要だろう。
ただ、勘違いオンナのような振る舞いはしないように。
「ねぇアタイと遊ぼうよ」なんて言ってしまうと明日から「残念な土屋アンナ」いう不名誉なニックネームをつけられてしまう。

謙虚なイケメン男とのデートはたとえばこんな誘い文句で。
「よかったら今度の日曜、三時間だけ付き合ってもらえませんか。すっごく面白い話題の映画があるんですけど、いつも一人で行くからちょっとさみしくて」

コツは、「メ・イ・シ」である。
誘い文句に、
・メリット (彼にとってどんなメリットがあるのか)
・いたわって欲しいアピール (軽めの同情を引く言葉)
・所要時間 (どれぐらい時間がかかるか。短めの時間)

を織り込むことである。

上記の場合、「すごく面白い映画が見られる」「いつも一人」「三時間」というワードがそれにあたる。

よくデートのマニュアルに「具体的な日時を指定すると相手に逃げられやすい」と書いてあるのだが、私はそこを気にしない。
だいたいどんな相手にだってそれなりの都合や断る権利がある。
モヤッとした誘い文句など相手にとって迷惑だ。断られたらまた折を見て誘えばいい。
ちなみに三度誘って三度とも断られたらその人とのデートは諦めよう。
気持ちを切り替えて次、次!なのである。

デートの場所はもちろん相手の興味あるところにすること。
音楽が好きならライブ、グルメな彼なら美味しいレストランなど。相手がどんなにオタクでもあまり凝ったところへは行かず、話題になっている定番のところがいいだろう。
ド定番すぎて逆に行けてないようなところを狙うのがオススメである。最近の映画なら「アナ雪」「ベイマックス」あたりだろうか。
謙虚な男はこちらも謙虚に。誠実にお誘いしよう。

謙虚イケメンは胡散臭いぐらいに心優しい。
たとえ忙しい生活を送っていても、一度ぐらいは貴方とのデートに応じてくれるかもしれない。意を決してデートに誘ってみよう。
もし彼が貴方にとって本当に大好きな人でも、誘いにフラれて落ち込む必要はない。
三回もデートを断っておいて埋め合わせをしない男など、もともと大した男ではないのだ。そんなことよりもっとイイ男を探すべきである。

ちなみに。
今回のようにマジのデートの誘い方を載せてしまうと、私がプライベートで同じ方法が使えなくなってしまう。今後は出し惜しみさせて欲しい。
最近、私の夫や親がこのコラムを読んでいるそうだ。身動き取りづらい私のかわりに貴方が活躍することを願ってやまない。
干物女たちのご武運を祈る!

〈今回のまとめ〉

♡装備品♡    特になし
♡必要スキル♡  真摯な心と客観性

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