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出産が近づいてくると、なんとなく考えていた「立ち会い出産をして貰うかどうか」の悩みは、いよいよ現実味を帯びてくることだと思います。うちの場合は、私自身が「立ち会い出産はして貰わない」と決めていたので、悩むまでもありませんでした。ただ、立ち会い出産に対する考え方は人それぞれ。ここでは、わたしの経験を交えながら、立ち会い出産について、さまざまな角度からご紹介したいと思います。
私が立ち会い出産を選ばなかった理由
私が立ち会い出産をしなかった一番の理由は、「私が叫んだり、のたうち回っているところを絶対に夫に見られたくなかった」から。子どもの頃から、ドラマの出産シーンで、出産中に女性が叫んだり、汗を大量に流して痛そうにしている姿を見ていたので、出産に対するイメージは何となくついていました。ただ「あれはあくまでもドラマだから、自分が出産するときはきっとあんなもんじゃないだろう」と心のどこかで思っていました。そこで夫には、「私が分娩室に入ったら、絶対について来ないで。立ち会い出産は絶対に嫌」と事前に伝えていました。
立ち会い出産をしなかった夫がそのときしていたこと
うちの場合は、私が陣痛から出産までに約10時間ほど時間がかかったことと、出産が真夜中だったこと、仕事先から直行して病院に駆けつけてくれたので疲れていたこともあり、私が分娩室に入る前から夫は眠りこけていました…。私は立ち会い出産をして欲しくなかったので、むしろ「あー寝ててくれてよかった」と心の中で思っていました。しかし出産後、助産師さんに「お父さん!起きてください!!生まれましたよ!!」と叩き起こされていたのを見たときは、面白かったです。うちの場合はこんな感じでしたが、私の知人で子どもが3人いるところは、3人目ともなるとご主人も余裕があるからか、「めでたいな」と勝手に酒盛りをして一人で盛り上がってしまい、立ち会い出産どころではなかったそうです…。
また、別の知人はご主人が長男で、しかもそのご主人一家にとってその知人の子は、初孫だったそうです。そのため、(知人にとって)お舅さん・お姑さん・ご主人・義理の妹さんと、一家総出で知人の立ち会い出産をしてくれ、出産現場をしっかりと見守ってくれたそうです(…)。三者三様、家族の数だけ、立ち会い出産にもこんなにいろいろなドラマがあるのです。
立ち会い出産のメリットとは?
立ち会い出産にはメリットがいろいろあります。まず一番のメリットとして挙げられるのは、「妊婦の不安を取り除くことができる」こと。特に初産の場合、出産は未知の世界。しかも膨らんだおなかに入っている赤ちゃんが、股の間から出てくるわけです。怖いし、痛そうだし、不安でしょう。しかも、お医者さんや看護師さん、助産師さんも普段の先生や看護師さんとは異なる可能性が高いと考えられます。そんな中、夫が立ち会い出産をしてくれたら、かなり不安は和らぐと思います。
次に立ち会い出産のメリットとして挙げられるのは、「夫に出産の大変さを知って貰える」こと。(大変失礼ながら事実として)妊娠や出産の心身の大変さは、当事者である妊婦にしか分かりません。たとえおなかが大きくなっても、多くの妊婦は普通に生活をしています。ですから、普段の生活の中で妊婦がどれだけ気をつけて暮らしているのかを想像することができない夫は多いのではないでしょうか。
妊婦の大変さが唯一分かる方法が、この立ち会い出産。立ち会い出産であの出産の場面を目の当たりにして、妊婦の痛さ・大変さ・辛さが分からない夫はいないはずです。特に普段からあまり家事に協力的ではない夫ならば、出産後のことも考えて、ぜひ立ち会い出産をして貰ったほうがいいかもしれません。
立ち会い出産のデメリットは?
立ち会い出産には、もちろんデメリットもあります。妊婦の立場からのデメリットは、「自分のすごい姿を夫に見られてしまう」こと。出産のあまりの痛さに取り乱してしまったり、その痛さの凄まじさから、先生や看護師さん、助産師さんに八つ当たりをしてしまったり、「いきみ」の際の凄まじい雄叫びを聞かれてしまったり、もっとすごい場合だと「いきみ」のあまり脱糞してしまったりと、出産は普段なら絶対にしないことをしてしまう可能性が高いです。
対して夫側の立ち会い出産のデメリットとしては、普段は可愛らしい妻の上記のような姿を見て、「妻を女性として見られなくなってしまう」こと。いつもはか弱く楚々とした妻の立ち会い出産での逞しい姿に、多くのご主人は、かなりの衝撃を受けるそうです。またおなかから出てきたばかりの赤ちゃんの姿と胎盤のグロテスクさとそれらが発する匂いに吐き気をもよおしたり、中には立ち会い出産で気を失ってしまう男性もいるそうです。
もしあなたのご主人がそのようになる可能性がある方ならば、立ち会い出産をして貰わないほうがいいかもしれません。
立ち会い出産をする・しないは、夫婦でよく話し合って
立ち会い出産をしたほうが良くて、しないほうが間違っている、ということは決してありません。なぜならば、出産のスタイルは子どもの数だけあり、どれが「正しい出産」なんてことは絶対にないから。ですから、たとえ同じ家族であっても、子どもの数だけ出産は異なります。つまり一番大切なことは、「ママと赤ちゃんが安心して出産できる」こと。
以上より、ママが立ち会い出産を望むならば、パパは立ち会い出産をしてあげてください。逆にママが立ち会い出産を希望しないなら、立会い出産は控えましょう。ちなみにご主人一家総出で立ち会い出産をした私の知人は、いまだに「“いきみ”たかったけど、いきめなかった」と出産時の不満を口にしています。出産は一度の人生で、そうそう行なえるものではありません。とにかく周りは、ママが納得のいく出産を行なえるようにサポートしてあげましょう。
最後に
立ち会い出産には、良い点も注意点もあります。また、立ち会い出産とは、あくまで出産のスタイルの一つに過ぎません。「立ち会い出産をするか・しないか」に固執するのではなく、あくまでママにとってベストな出産が行なえるように、ママの気持ちを最優先してあげてください。ママにとって、納得のいく素敵なお産ができますように。