ただ、その女友達はアラフォーになる現在も独身だし、その昼下がりの自由が丘ランチにタータンチェックのスーツをキメてきた彼との別れを後悔していた。
彼はその後、別の女性と結婚して、久々に見かけたときには家族連れだったそうだ。何の変哲もないジーンズとサマーニットにスニーカーでも充分オシャレに見える、こざっぱりした品のいいパパになっていた。
「服はぜんぶ、奥さんに選んでもらっている」と嬉しそうに話す彼に、彼女はなるほどその手があったかと感心すると共に「惜しいことをした」と思ったそうだ。
この彼のように、もともとセンスはゼロで自分にセンスのない男の中でも、きちんと他人の意見に聞く耳を持つタイプはちゃんといる。持って生まれたセンスはダメでも、恋人や妻という専属スタイリストのおかげで、見栄えのする男になっていくことは多い。
「いい男はみんな彼女か奥さんがいる」と嘆きたくなる背景にはこの彼女や奥さんの手間暇があるのは周知の事実だろうけど、いざダサ男を目の前にすると「これをどうにかするのは無理」と思ってしまうのも無理もない。
なにしろ、ダサいまま、それを誰に指摘されても「自分は自分」と開き直って一生を送る男も少なくないからね。そして、そんな男はやはり他の面でも的外れで頑固だったりするから、必然的に「余り物」になっている。
婚活の場で出逢う男の多くはこのタイプだろうし、