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名前を聞いたことはあっても、食べたことがない人も多いモロヘイヤ。そんなモロヘイヤには、どんな栄養があるのでしょうか?今回は、モロヘイヤの栄養について。その効能や人気レシピなど、モロヘイヤについて詳しくご紹介します。
モロヘイヤとは?どんな野菜?
モロヘイヤは葉を刻むと粘り気が出るのが特徴の葉物野菜で、7月~8月に旬を迎えます。その栄養価は高く、一般的に食物の収穫が減る夏の時期に旬を迎えるため、夏バテ予防にもなるとされる食材です。また、古くから食用できると認知されており、古代エジプトではその高い栄養価で当時の王様の病気を治したと言われています。
ちなみに、モロヘイヤが日本で食べられるようになったのは1980年代からだそう。「全国モロヘイヤ普及協会」が設立され普及に努めたことにより、人気が出て現在のように気軽にスーパーで購入できる野菜となりました。
モロヘイヤの栄養や効能って!?
王様の病気まで治したとされるモロヘイヤには、どのような栄養素があるのでしょうか。その詳しい栄養成分や効能について調べてみました。
モロヘイヤの栄養成分と効能①高いβカロテン
モロヘイヤには、ほうれん草と比較して2倍以上のβカロテンが含まれています。このβカロテンは体内でビタミンAに変換して、皮膚や粘膜を正常に保つ働きをする他、ガンの予防や免疫力の強化などに役立つ栄養素です。
ちなみに、モロヘイヤに含まれるβカロテンは体内に入ると必要なぶんだけビタミンAに変換され、それ以外は体内に蓄えられるか尿として排出されるため、摂りすぎる心配はありません。ビタミンAは妊婦が過剰摂取すると赤ちゃんに先天異常が起きる可能性があるとも言われていますが、必要なぶんだけビタミンAになるモロヘイヤは妊娠中でも安心して食べられますよ。
モロヘイヤの栄養成分と効能②カルシウム
モロヘイヤには、魚のメザシやシラス干しよりも多くのカルシウムが含まれています。カルシウムは骨や歯を作るための重要な栄養素である他、中枢神経を鎮め、イライラ感などのストレスの軽減に有効とされています。
モロヘイヤの栄養成分と効能③食物繊維
モロヘイヤの食物繊維は100gあたり5.9gと、バナナと比較して10倍程度の食物繊維を含んでいます。食物繊維は便秘の予防になるだけでなく、糖尿病や肥満などの生活習慣病の予防に役立つと言われていますから、モロヘイヤを食べることでしっかりと摂取しておきたいですね。
モロヘイヤの栄養成分と効能④葉酸
モロヘイヤは妊婦や乳児に必要だと言われる栄養素、葉酸も100gあたり250μgと豊富に含んでいます。葉酸は妊娠初期に妊婦が食べると二分脊椎症などの神経管閉鎖障害発症のリスクを軽減してくれるため、妊婦には特に葉酸が必要だと言われています。
モロヘイヤの栄養成分と効能⑤ビタミンE
モロヘイヤには、ビタミンEも豊富。ビタミンEはシミやそばかすから肌を守るなど、アンチエイジングに効果がある栄養素です。また、女性ホルモンの分泌を調整し、生理不順を改善させる効果もあるなど、特に女性には欠かせないビタミンです。美容のためにも、モロヘイヤを食べるのはおすすめですよ。
さすが王様に献上されただけあって、モロヘイヤには様々な栄養成分や効能があるのですね。モロヘイヤは妊婦にも嬉しい栄養素の入った野菜ですから、栄養不足が気になる方はぜひ積極的に摂取してみて下さいね。
モロヘイヤとほうれん草、栄養が多いのはどっち!?
モロヘイヤとほうれん草は、見た目もおひたしにして食べられるところも似ていますよね。それでは、モロヘイヤとほうれん草を比較して栄養が優れているのはどちらなのでしょうか。簡単に比較してみたいと思います。
モロヘイヤとほうれん草、ビタミンB1含有量(100gあたり)を比較
・モロヘイヤ…0.18mg
・ほうれん草…0.05mg
モロヘイヤとほうれん草、ビタミンB2含有量(100gあたり)を比較
・モロヘイヤ…0.42mg
・ほうれん草…0.20mg
モロヘイヤとほうれん草、ビタミンC含有量(100gあたり)を比較
・モロヘイヤ…65mg
・ほうれん草…19mg
モロヘイヤとほうれん草、食物繊維含有量(100gあたり)を比較
・モロヘイヤ…5.9mg
・ほうれん草…3.6mg
モロヘイヤとほうれん草、鉄含有量(100gあたり)を比較
・モロヘイヤ…1.0mg
・ほうれん草…2.0mg
モロヘイヤとほうれん草を比較したところ、鉄以外のほとんどの栄養成分でモロヘイヤのほうが優れていることがわかりました!同じ葉物野菜とは言っても、栄養素を比較するとこれほど差があるものなんですね。今まで栄養補給のためにほうれん草を食べていた、という方は、ほうれん草の代わりにモロヘイヤを食べてみるのもおすすめですよ。
モロヘイヤのカロリーは?
モロヘイヤの栄養成分がわかったところで、気になるのがそのカロリー。栄養価が高いぶん、カロリーも高いのではないか、と心配ですよね。そこで、モロヘイヤのカロリーについても調べてみました。
モロヘイヤのカロリー(100gあたり)…38kcal
モロヘイヤは栄養価が高い割に、とっても低カロリー!このカロリーなら、ダイエット中も安心してモロヘイヤを食べることができますね。特にダイエット中はカロリーを気にするあまり栄養が偏りやすいものですが、モロヘイヤを食べていれば栄養バランスのとれたダイエットができるでしょう。
モロヘイヤの糖質は?
モロヘイヤは葉物野菜なので、糖質は低そうにも見えますね。でも実際はどうなのでしょうか。そこで、カロリーだけでなく糖質も調べてみました。
モロヘイヤの糖質(100gあたり)…0.4kcal
モロヘイヤは糖質から見ても、太りにくい食材であることがわかりました!これだけ糖質が低いなら、遅めの夕食でもおひたしなどにして食べられますね。ちなみに、モロヘイヤは他の野菜と比較しても食物繊維が多め。ダイエット中のみならず、便秘でお悩みの方にもおすすめの食材なんですよ。
モロヘイヤには毒性があるって本当!?
栄養価が高く、美容や健康のためにもぜひ食べたいモロヘイヤ。しかし、一つだけ注意することがあります。それが、種と茎には毒性があるということ。
モロヘイヤに含まれる毒性はストロファンチジンと言われ、人体に入るとめまいや動悸、心不全などを引き起こす可能性が指摘されています。スーパーなどでモロヘイヤを購入する場合は葉の部分だけの販売のため安全ですが、自宅などでモロヘイヤを栽培する場合は、その毒性を避けるため、種や茎を取り除いてから食べるよう注意して下さい。また、モロヘイヤは鮮度が重要な野菜です。変色しているものやしなびているものは鮮度が落ちているため、食用は避けたほうが良いでしょう。
モロヘイヤの種や茎には毒性があるとはいえ、市販の葉は安全で栄養価も高い優れた野菜です。毒性があるからと調理しないのではなく、毒性のある部分だけを取り除いて栄養のある葉部分だけを食べるのが賢い選択ですよ。
モロヘイヤは生で食べられる?
栄養価が高いけれど、部位によっては毒性もあるモロヘイヤ。果たして生で食べられるのかどうか、気になりますよね。結論から言うと、生で食べることができます。ただし、生のモロヘイヤにはシュウ酸によるえぐみがあり、食べずらいので一度茹でるのがおすすめ。
また、シュウ酸は尿路結石などの原因になることでも知られています。このシュウ酸はカルシウムと結合することでシュウ酸カルシウムとなり、結石の材料となります。生食するとこのシュウ酸を多く摂取することになりますが、シュウ酸は水溶性。一度茹でてしまえば、ほとんどが水中に溶け出してしまうため、結石が心配な方も安心して食べることができます。
モロヘイヤは生食もできるけれど、茹でることでさらにおいしく食べやすくなるのですね。それでは、実際にどんなレシピが人気なのでしょうか。下記でそのレシピについても見ていきましょう。
おひたしにスープ!簡単モロヘイヤの人気レシピ
せっかく栄養豊富なモロヘイヤでも、レシピを知らなければなかなか作ることができませんよね。そこで今回は、モロヘイヤの人気レシピの中から、おひたしとスープのレシピをご紹介したいと思います。
モロヘイヤの簡単人気レシピ①モロヘイヤのおひたし
【材料】(2人分)
モロヘイヤ 1袋
水 適量
塩 小さじ1
めんつゆ 大さじ1
かつお節 適量
【作り方】
1.モロヘイヤから葉の部分だけを切り取り、水でよく洗う。
2.沸騰した湯に塩とモロヘイヤの葉を入れ、40秒程度茹でる。
3.ザルを使ってお湯を捨て、流水にさらして熱を取る。
4.水気をよく切ったらまな板に置き、モロヘイヤの葉を粗く刻む。
5.器に刻んだモロヘイヤを入れ、めんつゆを入れて混ぜる。
6.モロヘイヤを冷蔵庫に入れて30分程冷やす。
7.冷蔵庫からモロヘイヤのおひたしを取り出し、かつお節をかけて完成。
モロヘイヤで一番人気のおひたしレシピです。モロヘイヤのおひたしは冷やすと食べやすいので、暑い日やサッパリしたものが食べたい日におすすめです。味付けはめんつゆとかつお節だけ、と簡単なレシピなので、気軽に作ってみて下さいね。
モロヘイヤの簡単人気レシピ②モロヘイヤのスープ
【材料】(2人分)
モロヘイヤ 1/2束
卵 1個
鶏がらスープの素 大さじ1
水 450ml
ごま油 小さじ2
料理酒 小さじ2
水溶き片栗粉 適量
塩コショウ 適量
【作り方】
1.モロヘイヤから葉の部分だけを切り取り、水でよく洗う。卵は溶いておく。
2.鍋で1分程茹でたらザルにあげ、流水にさらして熱をとる。
3.モロヘイヤの水気をよく切ったら、包丁で葉を細かく刻んでおく。
4.鍋に湯を沸かして鶏がらスープの素、ごま油、料理酒を入れてよく混ぜる。
5.刻んだモロヘイヤを入れたら一旦火を止めて水溶き片栗粉を入れ、よく混ぜる。
6.再び沸騰させ、溶き卵を回しいれてかき混ぜたら火を止める。
7.塩コショウで味を調え、器に入れたら完成。
モロヘイヤを使った、人気の卵スープです。栄養価が高いモロヘイヤを毎日の生活に取り入れたいなら、簡単にできて飽きにくいスープがおすすめ。スープは具材を変えてアレンジしやすいのも人気のポイントですよ。
最後に
栄養価が高く、妊婦にも嬉しい栄養素が含まれているモロヘイヤ。種や茎に毒性はありますが、きちんと取り除けば大丈夫!今回ご紹介したおひたしやスープのレシピを参考に、ぜひモロヘイヤ料理を毎日の生活に取り入れてみて下さいね。