本来は饅頭や団子を、あるいは昨今ならば食べ物を道端に置くとカラスや野良猫がやってきて近所迷惑になるゆえ、食べ物の代わりに100円玉を置いていく、などじゃ。
すると、憑いてきた魑魅魍魎はそこで「こんなところに饅頭が」あるいは「こんなところに金が」と、立ち止まるのじゃ。ドラクエでモンスターの動きを止めるのに「魔物のエサ」があるが、置き饅頭や金はまさにそのような役割を果たすのじゃな。
そして、魔物が「そうだ、あの人間を追っていたのだった」と思い出し前を向くと、そこには三叉路がありどちらに行ったのかが分からない。また、魔物は三叉路があっても何かにぴたりとくっついていない限りは、基本的には真っ直ぐに進む。
ゆえに、三叉路でターゲットの人間を見失った魔物はとりあえず真っ直ぐに進む。左右の道は選ばぬゆえ、うまく逃げ切れるわけじゃ。
しかし、ひとたび家にまで憑いてきて、おぬしと共に長く過ごした憑き物は、おぬしの行動範囲を知り、いくらまいたつもりでも、すぐに追いついてくる。
そんな「しばらく、憑いたままにしてしまった」魔物でも振り切れるのが、三叉路の術の強力版の『三方の惑い術』じゃ。
★三方の惑い術のやり方
憑いた人間の行動範囲を知り尽くした魔物を惑わし振り切るには、ふだんの行動範囲を逸脱すること。それも効果的に逸脱するにはやはり三方を使うのじゃ。
まず、自身の家とふだんよく行く場所の方角をチェックする。学生なら学校、塾、友達とよくいく繁華街などのある町が家からどの方角にあるか。社会人ならば会社の場所、彼と良く会うお気に入りの店などの方角もチェックしておく。
そして、家を中心にした八方位の中で、良く行く方角「以外」の、なるべく縁のない方角を3方位見つける。
そして、