それに、彼にだけ態度がいいと、やっぱり気持ちを見抜かれるかもしれないから、ジムでは他のスタッフにも感じ良くしてるよ。女性スタッフにも、いつもありがとうございます!って挨拶してるし。
僕:なるほど、そうやって「彼女からは、なんだかとても『好意』を感じるけど、僕に対してだけじゃなく、彼女はみんなに対して感じのいい人なんだな」って思わせる作戦だね。間違ってないよ。むしろ、今話してくれたことをぜんぶ、本当に出来ているなら彼は間違いなく君に『人として』であれば好意を持つはずだし、褒めたら喜ぶはずなんだよね。
男はたとえ劣等感が強くてネガティブな態度をとりがちだとしても、基本的にはやっぱり褒めてくれる人には好感を抱くものだ。恋愛対象じゃなくても、自分を認めてくれる相手のことはなるべく大切にしようと思う。若い男でも、ニコニコしたおばあちゃんにはすごく優しくできる人はたくさんいる。でも、それはそのおばあちゃんがむしろ、確実に恋愛対象じゃないからこそ、だったりするんだよね。
これが例えは悪いけど、おばあちゃんと呼べる年齢だけど「私、夫に先立たれたけど、もう一花咲かせたいのよね」「私、こう見えて息子や孫みたいな年齢の男の子に好かれるの」なんて言ってる女性が相手だとどうなるか。とたんに、そのおばあちゃんの「人間としての好意」のはずの言葉も行動もすべてが薄気味悪く思えてきてしまうんだ。
彼女:どういうこと?
僕:つまり恋愛対象ではないからこそ、安心してその褒め言葉を受け取れる相手と、恋愛対象だとしたら、同じ何気ない言葉でも、怖くて受け取れなくなってしまう相手が存在するんだ。
とても残酷だけど、あえて言うよ。