しかし、やり方さえ分かればそこらへんをふらついておる雑魚の魑魅魍魎やちょっとした悪意の念、誰やらの生霊も死霊も、怪しい霊能者に頼まずお祓いできるのであるから、いい時代になったといえよう。かつて、あらゆる祓いを専門家に頼んでいたのは、彼らが秘儀を隠匿していたからじゃ。
今ではクリーニングに出さずともお洒落着洗いとお洒落着洗いモード付きの洗濯機があれば自宅でドライクリーニングマークのものも洗えるように、霊的な世界の常識も変化しているのじゃ!
とはいうものの、やはり素人はもちろんのこと、ちょいと修行した程度の若い拝み屋や陰陽師見習い、普通の僧侶や神主では太刀打ちできぬ強力な呪いも世の中には存在する。
■家系にかけられた呪詛は最も手強い
それこそが家系にかけられた呪詛なのじゃ。
★「末代まで」の呪いをかける者がまず少ない
「末代まで祟ってやる」「お前の血筋を根絶やしにしてやる」は、セリフとしてはよく聞くが、実際に呪いをかける者はごく少数。普通に誰やらを恨んでも、憎いのは通常はその相手のみで、良識ある大人ならば憎き相手に子供がいても、子供には罪がないと理解して子供まで呪うことはない。
たまに本人をより苦しめるために、本人ではなく本人が大切にしている誰かを狙う呪者もいるが、それも通常は呪いの対象者が生きている間に発動し、呪いの対象者が死ねば終わる呪いである。
★末代まで呪うには相応の代償がいる
そして、己を苦しめた相手を呪うことは死後の魂のことを考えれば決してよろしくないのは当然であるが、ある程度は「負のエネルギーの等価交換」であって、呪うた側の魂へのペナルティも呪うための労力もそごで大きなものではない。大概は己の命や運気との引き換えで支払えるものじゃ。