さて、行楽シーズンに限らず昨今は廃墟ブームでわざわざ廃墟に出向く人々もおるようであるな。
芦屋道顕の霊的護身術-危険な場所の見分け方- back numberはこちら
太陽が出ている時間帯であれば生者に仇なす何者かも力が弱っているゆえに、よほど波長が合わぬ限りは滅多には憑依など起きぬもの。廃墟ブームで観光に行くのはあまり関心はせぬが、昼間でなおかつ外から見るだけで中に足を踏み入れぬならばそれほど危険はなかろう。
廃墟写真集などがあるが、それらも昼間に撮ったもの、夜であっても遠景であれば撮影者も恐らくは問題なく帰ることができたはずじゃ。
■夜の廃墟は『異界』そのもの
しかし、太陽が沈んでから廃墟内に足を運ぶは話は全く別。昼間はただの廃墟でも夜はそこは異界の者達が支配する、異界そのものの領域となる。
多少でも霊感のある者はそこにいる何者かに気付いてしまうゆえ、頼られる……憑依される可能性が高く危険である。ふだんは霊感がゼロという者であっても、気付かぬゆえに危険な場所まで足を踏み入れて、地雷を踏むがごとく怨霊や悪鬼の怒りを買い憑依されてしまう危険がある。
夜の廃墟に足を踏み入れたとて、何者にも干渉されず無事な者ももちろんおるが、彼らは強い守護者がついているからじゃ。あるいは、本人が人間よりも魔物に近い存在の場合も平気どころかむしろパワーを増すことがあるが、それはよほどまれ。
ごく一般人で、