※2024年2月5日時点の情報までで執筆しています。
SNSの陰謀論者と呼ばれる真実探究者界隈では2020年頃からずっと囁かれてはいるけれど、2024年になっていよいよ本格的に「今年か!?遅くとも来年か!?」と言われ出している『ドルの崩壊』について。
以前にも「通貨リセット」のシリーズで触れたけど、
そろそろまたドル崩壊の兆しが見えてきたから、改めて説明していくよ。
世界がこうなるとドル崩壊!?想定される2つのシナリオは?
一つのシナリオは、『中国の人民元が基軸通貨になる』というもの
中国は人民元の国際化を進めており、ブラジルやアルゼンチンなどとの通貨スワップ協定や香港での人民元建て債券発行などを行っている。
中国が資本規制を撤廃し、法治主義的な政府を構築すれば、人民元はドルに代わる基軸通貨の候補になる可能性がある。
ドルが基軸通貨の座から転落すれば、アメリカの国際的な影響力や信用力が低下し、ドルの価値が暴落するリスクが高まる。
もう一つのシナリオは『米国の財政赤字が拡大し、インフレが加速する』というもの
米国はコロナ禍で大規模な財政出動を行い、財政赤字が過去最高の水準に達した。
また、FRBは金融緩和策を継続し、インフレ率が2%を上回っても利上げを見送る方針を示している。これらの政策がインフレ圧力を高め、米国債の信用力を低下させる可能性がある。
米国債の信用力が低下すれば、ドルの需要も減少し、ドルの価値が暴落するリスクが高まる。
BRICSの台頭はドル崩壊にどのような影響を与える?
BRICSは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国の頭文字をとった造語で、世界経済における新興国の台頭を表す言葉。¹BRICSの経済規模は、購買力平価で計測すると、主要先進国を上回る可能性がある。
↓BRICSについては、こちらで詳しく話しているよ↓
通貨リセット(3)国際金融システムの終焉を加速させる『BRICS』とは?【Kuの社会勉強】
BRICSの台頭がドル崩壊に影響を与える可能性は?
・BRICSはドルに依存しない国際金融システムの構築に向けて、協力を強化している。2014年には、BRICS開発銀行や通貨準備プールを設立。また、自国通貨や他の新興国通貨での貿易や投資を促進。これらの動きは、ドルの需要を減らし、ドルの価値を下げる可能性がある。
・BRICSは世界の資源やエネルギーの需要と供給に大きな影響を与える。特に、中国やインドは、世界の原油や金属などの消費量の大部分を占めている。BRICSは、これらの商品の価格や取引条件に関して、ドル以外の通貨での決済を求めることがある。これも、ドルの需要を減らし、ドルの価値を下げることに繋がる。
・BRICSは世界の政治や安全保障においても重要な役割を果たす。特にロシアや中国は、アメリカと対立することが多く、国際的な秩序やルールに異議を唱えることがある。BRICSはアメリカのドル覇権に挑戦するために、他の新興国や途上国との連携を強めている。これもやはり、ドルの信用を損なうこと、ドルの価値を下げることに繋がる。
◎記事の内容について
ドル崩壊の想定しうるシナリオはいくつかありますが、それらが実現する確率やタイミングは不確実です。ドルは2024年2月5日現在はまだ世界の基軸通貨であり、日本を含む多くの国や機関がドルを保有しています。
ドルの価値が暴落すると、世界経済に深刻な影響を及ぼすため、ドルの安定を維持するための協調的な対応がなされる可能性もあります。ドル崩壊のシナリオはあくまで仮定の話であることを忘れないでください。
ドル崩壊のシナリオに関する情報は、自己責任でご利用ください。筆者及び運営者はこの回答によって生じたいかなる損害についても責任を負いません。
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