TOP画像:Andrew Cote on Twitter
chatGPTが世界を変えつつあるこの2023年。もう一つ、世界を変える新発見が世間を賑わせている。僕自身、イマイチどんなものか理解しきれていないし、もしかしたらすぐに下火になってしまうかもだけど、一応この時点でいったん取り上げておくね。
LK-99の可能性について韓国の研究者による『査読前論文』がネットで話題に
このLK-99ブームは、2023年7月、ソーシャルニュースサイト「Hacker News」に「LK-99」という超伝導体の可能性に関する投稿がされたことから始まった。
それは韓国の3名の研究者による査読前論文※で、「常温常圧で超伝導性を示す画期的な発見」と主張されている。400ケルビン(約127℃)でLK-99の抵抗がゼロになったことや、磁石の上を浮遊する様子を示す動画を提供して、それが『マイスナー効果の結果』だと述べている。この主張が正しければ、無抵抗の電力線や浮上式鉄道など、新たな時代の可能性が開かれるとのこと。
参照元:常温常圧の超伝導を実現!? 謎の物質「LK-99」の再現に“素人”まで参戦、過熱するDIY競争の舞台裏
Twitter改めXで話題になった動画
First video of LK-99 Full Levitation, aka flux-pinning
This video was just posted to the Chinese video-sharing site BiliBili and claims to be a highly pure synthesized sample of LK-99.
What is the physical phenomenon behind this and what does it mean?
Levitation of… pic.twitter.com/KGRhGjtrOy
— Andrew Cote (@Andercot) August 5, 2023
この動画の投稿者はとても長くて詳しい技術的な解説をしてくれてるんだけど、さっぱり分からないからここでは割愛(苦笑)とにかくすごいんだ!という部分だけ翻訳したよ↓
一部翻訳:これは私が知る限り、LK-99サンプルの磁束ピン浮遊を示す最初のビデオです。これが実際に起こっていることだとすれば、この新素材の特性に関する非常にユニークで有望な発見であり、今後の研究の可能性を示している。もしこれが本当なら、まさに画期的なことである。
『常温常圧超伝導体』とは?
ということで、LK-99というネーミングやそのメカニズムについてはおいといて『常温常圧超伝導体』とは何か、その登場の何がすごいのか?について。
・・・常温常圧超伝導体は、通常の温度と圧力条件で超電導現象が起こる物質を指す。超伝導は、電気抵抗がゼロになり、電気エネルギーを効率的に伝導する現象。
過去、超伝導は非常に低温でしか発現されない現象だった。でも近年の研究により常温(室温)でも超伝導が起こる物質が発見され、エネルギー伝送や電子デバイスの性能向上に革新をもたらす可能性があるとされていた。
LK-99が本物なら世界はこれからどうなる?
今回は再現実験の動画がネットに溢れて一大ブームになり、これを取り入れると噂の流れたアメリカの送電網インフラの会社の株が爆上げするとか、まあいろいろあったみたいだけど、もしかしたらあまりにも凄い発見だからこそ既得権益者達にSTAP細胞みたいに潰されるかもしれないし、過去には『本当にウソだった』世紀の発見もあるし(苦笑)まだどうなるかは分からない。
でも、もしこのLK-99が本物で実用化まで至るなら、世界はchatGPTの登場以上に大きな変化、進化を迎えることになる。例えば、
高効率エネルギー転送が可能になる
超伝導材料を使用した電力線は電気の抵抗がゼロであるため、電力の伝送ロスが極めて少なくなる。このため、電力の効率的な送電が可能となり、エネルギーの無駄を減らすことができる。
高性能電子機器がより発達する
超伝導技術は、高性能の量子デバイスや超高速コンピュータの開発にも貢献する。データ処理や通信の速度が向上し、情報技術の分野に革新をもたらすとされる。
浮上式鉄道(リニアモーターカー)がより安価に普及させられる
超伝導材料を利用した浮上式鉄道は、車両とレールの間に磁場を発生させて浮遊する仕組み。摩擦が極めて少ないため、高速かつエネルギー効率の良い交通手段となる。
他にも、常温で利用できる超伝導磁石ができれば、非常に強力な磁場をさまざまな場所に今までよりずっと簡単に生成できる。物質の特性や反応を研究する際に重要な役割を果たし、材料科学や化学などの分野での研究が進展する。
・・・LK-99が本当なら、ね。
【補足】
※『査読前論文』とは?
僕は知識がないから『査読前論文』からその意味が分からなかった。こう思ったんだ「査読=その分野の権威、専門家が提出された論文を読んで正しいかどうか審査して、OKだったら学会で発表されて論文集にも載る。その査読がされてない=まだデタラメかもしれない、査読されないうちに広めちゃえ!みたいなもの」なんて。いやはや、恥ずかしい(苦笑)
実際の『査読前論文』を世間に公開する意義について、正しくはこちら↓
【査読前論文】
査読前論文(Preprint)は、学術研究の結果や論文を査読プロセスを経る前に、公開される形式の論文を指す。通常、研究者が論文を学術雑誌に投稿する前に、専門分野の共同体や他の研究者に対して自身の研究成果を共有するために利用される。
査読前論文は、学術研究の最新の進展や発見を迅速に共有するために重要な役割を果たす。他の研究者がその成果を参照し、議論や意見交換が行われることで、研究の品質向上や新たな洞察が得られる可能性が高まる。
査読前論文はまだ査読プロセスを経ていないため、内容に対して評価や批判を受ける前提で公開される。査読を経た正式な学術雑誌に掲載される前に、研究結果を修正や改善することもよく行われる。
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