独特な苦味があることから、子どもが苦手な野菜としても知られるピーマン。しかし、親としてはピーマンをしっかり食べて、その栄養を摂取してもらいたいですよね。そんなピーマンに含まれる豊富な栄養成分やピーマンを使ったおすすめレシピについてご紹介します。
ピーマンの栄養って?ピーマンに含まれる栄養成分
野菜らしい苦味があることからも、栄養豊富なイメージがあるピーマンですが、実際にはどのような栄養成分があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
ピーマンの栄養成分①ビタミンC
ピーマンに含まれる栄養成分の代表的なものが、ビタミンCです。ビタミンCというと熱に弱いイメージがありますが、ピーマンに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくいという特徴があるのも嬉しいポイント。このビタミンCはコラーゲンの生成に必須の化合物であり、皮膚のメラニン色素の生成を抑える他、日焼けを防ぐなど美容のためにも欠かせない栄養素です。また、風邪予防や疲労回復にも、ビタミンCが役立つと言われています。人生100年とも言われる時代ですから、ビタミンCが豊富なピーマンをしっかり食べて、老化防止に努めたいですね。
ピーマンの栄養成分②βカロテン
ピーマンには、βカロテンも豊富に含まれています。このβカロテンは体内でビタミンAに変換して、皮膚や粘膜を正常に保つ働きをする他、ガンの予防や免疫力の強化などに役立つ栄養素です。βカロテンには強い抗酸化作用もあると言われており、美容の大敵、シミ予防にも効果的。ピーマンは美容にいいビタミンCとβカロテンがともに豊富なため、特に女性の方におすすめですよ。
ピーマンの栄養成分③カリウム
カリウムは、ナトリウムとともに細胞の浸透圧を維持しているほか、心臓機能や筋肉機能の調節などの働きをしています。また、体内の余分な塩分を排出し、血圧を抑える効果がある栄養素です。むくみを解消してくれる栄養成分としても知られていますから、塩分の摂りすぎによるむくみが気になる方は、積極的にピーマンを食べると良いでしょう。
ピーマンの栄養成分④クエルシトリン
ピーマンの苦みの正体は、「クエルシトリン」というポリフェノールの一種にピーマン特有のにおいが加わって感じると言われています。このクエルシトリンは、高血圧の抑制や利尿作用、便秘解消などに役立つ栄養成分と言われています。
ピーマンの栄養成分⑤カプサイシン
カプサイシンは、ピーマンと同じ品種の一つである赤色のパプリカに特に多く含まれている栄養成分です。太陽の光を多く浴び、成熟した赤色のパプリカでは、赤唐辛子に含まれているカプサイシンと同じ効果があり、血行促進作用や脂肪燃焼作用、美肌効果などがあると言われています。
独特の苦味があるピーマンですが、ビタミン類が豊富で、栄養たっぷりの野菜であることがわかりました。ピーマンはその苦味自体にも栄養がある野菜ですから、苦味も含めてピーマンの味を楽しんでいきたいですね。
子ども向けのピーマンがあるって本当!?
子どもが嫌いな野菜の代表格とも言われる、ピーマン。どうしたら子どもが食べてくれるんだろう、と頭を悩ます親御さんも多いことかと思います。そんな子ども向けに、ピーマンの品種改良が進んでいることはご存知でしょうか。
ピーマンが嫌われる理由は、栄養成分でもあるクエルシトリンの効果によるもの。このクエルシトリンを取り除き、品種改良することで、現在では「こどもピーマン」と呼ばれる子ども向けのピーマンが販売されています。この子ども向けのピーマンは、一般的なピーマンやパプリカとは形状も味も異なり、肉厚でジューシーなことが大きな特徴になっています。子ども向けの味に改良されているこどもピーマンを料理に使えば、ピーマン嫌いのお子様でもピーマンを美味しく食べてくれるかもしれませんよ!
ピーマンを食べ過ぎるとよくないって本当!?
苦手な子どもは多いものの、大人になって好きになった!という方も多いピーマン。そんなピーマンが大好きな方にとって気になるのが、「食べ過ぎると良くない」といううわさ。このうわさは本当なのでしょうか。
ピーマンの食べ過ぎで懸念されることが、「ビタミン過剰症」というもの。このビタミン過剰症とは、ビタミンの過剰摂取によって起こる症状の総称です。ピーマンに多く含まれる栄養成分といえば、前述のピーマンの栄養成分でも取り上げたビタミンCとβカロテンです。ビタミンCの過剰摂取によって心配されるのが、下痢が起こりやすくなる、というもの。ビタミンCは一度に1000mg以上を摂取することで、下痢などの悪影響が起こりやすくなると言われています。ただし、一度に1000mg以上のビタミンCを摂取するには、ピーマンを一食で10個以上食べる必要があり、現実的ではありません。
また、βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換される栄養素のため、ピーマンを食べ過ぎても必要以上のビタミンAには変換されず、よってβカロテンによるビタミンAの過剰症になることはありません。一般的に、ビタミン過剰症はサプリメントの摂り過ぎによって起こることが多く、ピーマンの食べ過ぎによってビタミン過剰症になることはほぼありません。とはいえ、栄養バランスのとれた食事をするためには、偏った食材の食べ過ぎは身体によくないのも事実。ピーマン以外にも色々な食品を食べ過ぎることなく、栄養バランスのとれた食生活をしたいものですよね。
ピーマンには、実は栄養がない!?
ビタミンCやβカロテンなど、ビタミン類が豊富に含まれているピーマン。でも、実は「栄養が少ない」と言われることがあるのだとか。それはなぜなのでしょうか。
ピーマンに多く含まれている栄養成分の中でも代表格のビタミンCは、熱に弱い栄養素として知られています。しかしピーマンは独特の苦味があるため、生ではあまり食べられることがなく、レシピの多くが加熱した調理方法となっています。そのため、加熱によりビタミンCが失われたピーマンには、他にたいした栄養素がないのではないか、という見方があるようです。
ピーマンに含まれるビタミンCは、確かに加熱によって生の状態よりは減ってしまいます。しかし、ピーマンにはビタミンPというビタミンCを熱や酸化から守るビタミンが含まれている上に、ピーマンの果肉が厚く組織がしっかりとしていることも、ビタミンCが壊れにくい要因となっています。そのため、ピーマンには栄養がない、ということはありません。
また、ピーマンと同じ品種であるパプリカには、ビタミンCやβカロテンがピーマン以上に多く含まれています。これは、まだ未成熟のうちに摘み取られるピーマンと異なり、パプリカのほうが長く太陽に照らされ、成熟してから出荷となるため。このパプリカと比較されることで、ピーマンには栄養がない、と思われがちなようです。
確かに五大栄養素はあまり含まないものの、多くのビタミン類が摂取できるピーマンは、栄養がない野菜ではありません!ぜひピーマンを積極的に食べて、その栄養成分を吸収していきたいですね。
おいしくて簡単!ピーマンの栄養満点レシピ
油との相性がよく、加熱することでおいしくなるピーマン。そんなピーマンを使った、おすすめレシピをご紹介します。
ピーマンの簡単レシピ①ピーマンと玉ねぎのケチャップ炒め
【材料】(2人分)
ピーマン 3個
玉ねぎ 1/2個
豚ばら肉 150g
〇ケチャップ 大さじ3
〇醤油 小さじ1
〇砂糖 小さじ1
〇しょうがチューブ 適量
塩コショウ 少々
オリーブオイル 適量
【作り方】
1.洗ったピーマンのヘタとタネをとり、細切りにする。
2.洗った玉ねぎも薄切りにする。
3.〇の調味料を合わせておく。
4.豚ばら肉を、食べやすい大きさに切る。
5.熱したフライパンにオリーブオイルを入れ、豚ばら肉を軽く炒める。
6.豚ばら肉に火が通ったらピーマンと玉ねぎを入れ、軽く混ぜて1分フタをする。
7.フタをとり、〇の調味料をまわし入れてまんべんなく混ぜ炒める。
8.塩コショウで味を調え、器に盛ったら完成。
子どもも好きなケチャップを使った、ピーマンの簡単なレシピです。子ども向けに作る場合は、ピーマンや玉ねぎをみじん切りにしておくのもおすすめ。いつもの野菜炒めの味に飽きた時にもどうぞ。
ピーマンの人気レシピ②ピーマンの肉詰め
【材料】(2人分)
ピーマン 3個
合いびき肉 200g
玉ねぎ 1/2個
オリーブオイル 適量
〇パン粉 適量
〇牛乳 大さじ1
〇卵 1個
〇塩コショウ 少々
●オイスターソース 小さじ2
●みりん 小さじ1
●酒 小さじ1
●水 50ml
【作り方】
1. 玉ねぎはみじん切りにし、熱したフライパンでキツネ色になるまで炒める。
2.ピーマンを縦半分に切り、種をとっておく。
3.ボウルに〇の材料を入れて混ぜ合わせる。
4.3の入ったボウルに合いびき肉と玉ねぎを入れ、よく練り混ぜる。
5.ピーマンに4の肉をたっぷり詰める。
6.●の調味料を合わせておく。
7.熱したフライパンにオリーブオイルをひき、肉を下にして軽く焼く。
8.肉を下にしたまま、●の調味料を入れてからフタをして弱火で5分蒸し焼き。
9.ピーマンを下にして、さらに5分焼く。
10.ピーマンの肉詰めを取り出して皿に盛りつける。
11.フライパンに残った調味料を軽く煮詰めてからピーマンの肉詰めにかけて完成。
ピーマンを使った定番料理、ピーマンの肉詰めのレシピです。子ども向けに作る場合、上にチーズをかけて焼くのもおすすめ。濃いめの味が好きな方は、たれの上にケチャップをかけてもおいしいですよ。
最後に
ピーマンの栄養についてご紹介しました。ビタミン類が豊富で、独特の苦味にも栄養があるピーマン。油との相性もよく、加熱してもビタミンCが壊れにくい優秀な野菜ですから、ぜひ今回のレシピを参考に、食卓に登場するピーマン料理の回数を増やしてみてくださいね。