私たち人間の一生は「ライフステージ」と呼ばれるいくつかの段階に分けられます。そのライフステージにはそれぞれの特徴があるため、そのことを理解し適切な過ごし方をすることが大切です。特に女性の場合は、初潮から閉経に渡って女性ホルモンの影響で心や体に様々な変化が起こります。更年期と呼ばれる症状もその1つです。そんな更年期によるホルモンバランスの乱れに取り入れたいのがアロマテラピーです。アロマテラピーによって、更年期やホルモンバランスの乱れによる女性特有の悩みを解決し、より豊かな気持ちで生活を送りましょう。ここでは、女性のライフステージに合わせて取り入れたいアロマテラピーについてまとめていきたいと思います。
女性ホルモンの効果・働きとは
女性の場合、初潮から閉経に渡って女性ホルモンの分泌が変化していきます。
女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」があります。
そのうち、エストロゲンには骨を丈夫に保ち、血中コレステロールの増加を抑制する働きや、皮膚や粘膜の乾燥を予防する働きがあります。
そして、女性らしさや美を保つ働きをしているのです。
エストロゲンの働きは、20代・30代で分泌量がピークに達し、更年期になると急激に低下するといわれています。
そのため、女性の健康を守るための重要な働きが衰えてくるということなのです。
このようにして女性ホルモンのバランスが乱れることによって、様々な不調が現れます。
例えば、冷え性・便秘・疲労・頭痛・子宮筋腫・子宮がん・自律神経失調症・性感染症・貧血・うつ症状・肥満など数多くの症状があります。
女性ホルモンバランスの乱れにはアロマテラピーが効果的!
女性ホルモンは、脳の視床下部という場所からの司令によって分泌されます。
そして精油の香りは、脳にダイレクトに届くことによって、脳からの司令を受けホルモンの分泌調整をする役割を担ってくれるのです。
また、視床下部には自律神経や免疫機能をコントロールする部分もあるため、精油の香りが脳に届くことで精神的な部分にも良い影響を与えてくれます。
更年期に多く現れる症状に「ホットフラッシュ」というものがありますね。
この症状は、突然大量の汗が出るケースや動悸が伴うケース、顔が暑くて手足が冷たいなどといった症状があります。
この症状も、エストロゲンの急激な減少によって起こるものです。
そんな時には、制汗作用のある精油を使ったアロマテラピーが効果的です。
女性ホルモンの状態に合わせて精油を選び、特有の症状を和らげましょう。
ホルモンバランスの乱れにおすすめの精油は以下の通りです。
「クラリセージ」の効果
エストロゲン作用・制汗作用・子宮強壮作用・月経痛・不安・更年期
「ローズ」の効果
ホルモン分泌刺激作用・子宮強壮作用・月経痛・抑うつ・生理不順・更年期
「イラン・イラン」の効果
ホルモン調整作用・月経痛・生理不順・更年期
「ゼラニウム」の効果
ホルモン調整作用
「サイプレス」の効果
制汗作用・更年期・生理不順・生理痛
「ジャスミン」の効果
子宮強壮作用・月経痛・うつ・不安
このように、ホルモン作用を持つ精油を上手に利用することで更年期障害や月経時における様々な症状を緩和し、効果を発揮するといわれています。
※ エストロゲン作用やホルモン調整作用のある精油は、妊娠中・授乳中の方は使用を避けるようにしてください。または医師との相談の上、適切に使用しましょう。
更年期の女性のホルモンバランス調整におすすめのアロマレシピ
更年期で不安定な心と体の手作り香水(フレグランス)
- ローズオットー精油 1滴
- ジャスミン精油 1滴
- ネロリ精油 1滴
- ホホバ油 15ml
ホホバ油と精油を混ぜて作った香水を手首などに少量塗ります。
香りが気分を高揚させ、ホルモン作用を持つ精油の力で更年期のイライラを抑えてくれます。
携帯用として持ち歩くことで、更年期における不安な心のお守りにもなってくれるはずです。
- ペパーミント精油 4滴
- 無水エタノール 5ml
- 精製水 25ml
無水エタノールに精油を混ぜて、さらに精製水を加えて混ぜたものをスプレー容器に移します。
ペパーミントの冷却効果で、更年期に多く現れるホットフラッシュの症状を改善します。
更年期障害における不眠におすすめの芳香浴
ラベンダー 1滴
ネロリ 1滴
オレンジ・スイート 1滴
これらの精油をティッシュペーパーに垂らし、寝る前に芳香浴を行います。
枕元に置いて寝るのも良いですね。
医療現場においても使用されている精油は、身体に与える影響が期待されており、様々な研究がなされています。
2017年に長崎大学大学院が発表した研究結果でも、精油の吸入が女性ホルモンに影響を与えるものとして報告されています。
最後に
このように、女性のライフステージに起こりがちな体や心の不調は、アロマテラピーによって乗り越えることができるということがわかります。
ですから、ホルモン作用を持つ精油を用いて、芳香浴・アロマバス・マッサージなどといったアロマテラピーを積極的に行いたいものですね。
携帯用として持ち歩けるアロマスプレーがあるだけで心が落ち着きます。