季節の変わり目で体を壊しやすい時期におすすめなのがクエン酸。クエン酸の効果としてよく知られているのが、体と肌への効果ですが、ダイエットにも効果があるとされています。さらに掃除用品として利用されているほどです。その一方で、クエン酸の取りすぎは体に良くないとか、クエン酸には言われているような効果なし、という意見も。今回はそんなクエン酸について幅広くお伝えします!
そもそもクエン酸ってなに?
「クエン酸」とは、食べ物や飲み物に含まれる栄養成分です。クエン酸は、みかんやレモン、グレープフルーツなどの柑橘類やお酢、梅干しなどに含まれる酸っぱい成分、つまり「酸味」のことです。ちなみにクエン酸は、イチゴにも含まれているそうです。なんだか意外ですよね。
クエン酸のスゴイところは、体に良い効果があるだけでなく、美肌やダイエット、筋トレ、さらに普段の掃除にまで活躍の幅を広げてくれているところです。
クエン酸の効果は体に良いって本当?
皆さんは、「疲れたときは梅酒が良い」って聞いたことはありませんか?また、運動部に所属していた方の中には、部活の休憩時間に「レモンの蜂蜜漬け」を食べていたという方がいらっしゃるかもしれません。このように、レモンや梅干しは、体にいい食べ物として昔から知られていますが、それらに共通しているのが、「クエン酸が含まれていること」です。クエン酸には本当に体に良い効果があるのでしょうか?
農林水産省の公式ホームページを見ると、「クエン酸」は、「疲労回復や血流改善、新陳代謝の促進、美肌作用といった効能があ」ると書かれています。クエン酸には体に良い効果があると考えられますが、クエン酸の何が「疲労回復や血流改善、新陳代謝の促進」のような効果を体に発揮するのでしょうか。
NHKの『らいふ』の「酢が体にいい理由」によると、クエン酸に疲労回復など体に良い効果が期待できるのは「食べ物に含まれるエネルギーを活動のためのエネルギーに変えるときに役立つ成分」だからだそうです。クエン酸とエネルギー源である糖質や、糖質の代謝を促すビタミンB1を一緒に摂取すると、スタミナアップや疲労回復に効果的なのだそうですよ。
つまり、レモンの蜂蜜漬けを運動後に食べるのは、クエン酸の効果を体に発揮させるという点で理に適っていると言えるでしょう。
クエン酸は肌にも効果があるの?
まず、クエン酸のなにが肌に効果を発揮するのでしょうか?先ほどご紹介した農林水産省の公式ホームページにも、「クエン酸」は「新陳代謝」を「促進」するので、「美肌作用といった効能があ」ると書かれています。
同じく先ほどご紹介した、NHKの『らいふ』の「酢が体にいい理由」にも、「クエン酸には、カルシウムやマグネシウムなど、体内に吸収されづらいミネラルと結びついて、吸収されやすい形に変える「キレート作用」があ」るとされています。このキレート作用によって、老化を防止し、いつまでも美しさを維持するアンチエイジング効果が期待できるので、美肌にもいい、というわけです。
クエン酸が新陳代謝を促進し、身体の細胞が本来の働きをすることで、老化を防止したり、美肌を作る効果が期待できますが1点だけ注意いただきたいことがあります。それは、「クエン酸の効果が肌にあるから」と、一度に摂取しようとすることです。クエン酸は一度に取りすぎても、時間の経過とともに体の外に排出されるので、意味がありません。ですから、クエン酸は必要な分だけ、摂取するようにしましょう。
クエン酸を取りすぎるとどうなるの?
先ほど、「クエン酸を取りすぎても意味がない」と書きましたが、もしクエン酸を取りすぎた場合、体の外に出る以外に、どうなるのでしょうか。
クエン酸には、唾液や胃液の分泌を促進する働きがあります。そのためクエン酸を取り過ぎてしまうと、胃腸内を刺激して荒れさせてしまい、胃痛の原因になってしまいます。例えば、胃潰瘍の症状がある人は、症状を悪化させることがあるので、注意が必要とされているそうです。
また、もしクエン酸を梅干から摂取するときは、梅干しの食べ過ぎはクエン酸の取りすぎだけでなく、そのまま塩分の取りすぎになりますので、くれぐれもご注意ください。
「クエン酸に効果なし」って噂は?
クエン酸を取りすぎる人の心理はおそらく、クエン酸の良い効果を信じているからこそ、そうしているのだと思います。その一方で例えば、クエン酸には疲労回復の効果なし、という意見もあります。
ではなぜ、クエン酸に疲労回復の効果なしという意見があるのでしょうか。まず、クエン酸に疲労回復の効果なしとする意見の背景には、乳酸との関係が大きく影響しているようです。
少し前までは、疲労の原因は乳酸と言われていました。そして、クエン酸を摂っても乳酸値が下がらなかったことから、クエン酸に疲労回復の効果なしとされる原因になったようです。しかし最近の研究で、そもそも乳酸が疲労の原因ではないことが判明しました。
そのため現在ではクエン酸に疲労回復の効果なしという意見は間違いであると一般的に認識されているようですよ。
クエン酸の効果は掃除でも!
クエン酸のスゴイところは、その効果が幅広いところです。その効果は掃除でも発揮してくれます。では具体的に、クエン酸の効果は、掃除の中でもどこで特に発揮するのでしょうか。
クエン酸を使った掃除でおすすめなのが、「キッチンまわり」です。蛇口やシンクまわりの白い汚れの正体は、水アカと石鹸カスになります。クエン酸は、水に溶かすと酸性になります。
掃除で使う場合、クエン酸と反対の性質を持つアルカリ性の汚れにクエン酸を使うと中和作用で汚れを落とすことができます。そのアルカリ性の汚れというのが、水アカと石鹸カスなのです。ですから、クエン酸の効果は、掃除でもしっかり発揮できるというわけです。
さらにクエン酸の効果を掃除で実感できるのは、「トイレ」でしょう。なぜならば、クエン酸には「消臭・除菌効果がある」ので、トイレのアンモニア臭にもバッチリというわけです。
クエン酸が含まれている意外な食べ物とは?
クエン酸が含まれている食べ物の代表格と言えば、「梅干し」や「みかん」「レモン」などの柑橘系の果物ですが、意外な食べ物にもクエン酸が含まれています。
クエン酸が含まれている意外な食べ物とは、冒頭で挙げた「イチゴ」以外に「トマト」「リンゴ」「メロン」「桃」「キウイフルーツ」など。それほど酸っぱくない果物にも、実はクエン酸が含まれています。
クエン酸入りの飲み物で元気を回復!
クエン酸入りの飲み物は、いろいろあります。こちらでは手軽に取れるクエン酸入りの飲み物をご紹介します。コンビニで売られているクエン酸入り飲み物の中で、特におすすめの飲み物といえば、ポッカサッポロの「キレートレモン」。レモンと炭酸の組み合わせは、酸っぱいものが好きな方にとってはハマってしまう美味しさではないでしょうか。しかも、「キレートレモン」には、クエン酸が1350㎎も入っています。同じくコンビニで見かけるハウスウェルネスの「C1000グリーンレモネード」になると、なんとクエン酸が3000㎎も含まれているそうです。興味がある方は、ぜひ一度飲んでみてくださいね。
クエン酸にダイエット効果は期待できる?
皆さんは少し前に流行っていた「お酢ダイエット」を覚えていますか?その当時はかなり流行し、「お酢ソムリエ」なる人がテレビで登場するなど、非常に注目されたダイエットでした。もしかすると、リンゴ酢やブルーベリー酢、いちご酢など、フルーツ酢の美味しさや手軽に始められるところから、実際にチャレンジされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
既述の通り、お酢にはクエン酸が豊富に含まれています。そのため、クエン酸のダイエット効果は期待できると一般的に考えられているようです。
もう少しクエン酸のダイエット効果を詳しく説明すると、クエン酸には「クエン酸回路」という、体の仕組みをスムーズにして、摂取した糖質、脂質、タンパク質をエネルギーに変換する回路を形成する働きがあります。つまり、この働きによって栄養分がエネルギーに変わって、脂肪として蓄積される分が減るということになります。そのため、クエン酸のダイエット効果が期待できるというわけです。
クエン酸は筋トレでも大活躍!
クエン酸と言えば、筋トレでも大いに活用されています。その理由として考えられるのが、上記の農林水産省の公式ホームページにも書かれているように、クエン酸は一般的に、疲労回復に役立っていると認識されているからでしょう。そのため、筋トレには欠かすことができない市販のサプリメントの中にも、クエン酸入りのものがよく売られているようです。
ただ、「サプリメントはちょっと苦手だけど、自然にクエン酸をとって、筋トレ後の疲労を回復させることはできないの?」とお考えの方もいらっしゃることでしょう。そのような方におすすめなのが、「オレンジジュースを筋トレ後に飲む」ことです。
その理由はまず、オレンジジュースに含まれるクエン酸が疲労物質を分解し、疲労回復に役立つからです。あと、オレンジジュースと言えばビタミンCですが、ストレスを軽減したり、疲労回復効果を高めたりする作用があると言われており、心身共に癒してくれると考えられます。またオレンジジュースには、すぐにエネルギーになる果糖が多く含まれているので、より早く疲労を回復してくれるものとされています。
最後に
クエン酸の幅広い効果についてご紹介してきました。クエン酸は、体や肌へはもちろん、掃除用品としてもしっかり効果を発揮している万能成分であることがご理解いただけたのではないでしょうか。もうすぐ冬ですが、冬といえば「こたつにみかん」が日本の定番です。しっかりみかんからクエン酸を摂取して、元気な体で寒い冬を元気に乗り越えていきましょう!