今回は、午年の守護仏さまとされている『勢至菩薩』（せいしぼさつ）について。これで、ついに干支の守護仏８仏様コンプリートよ。
■その名のごとく「偉大な力をあまねく至らしめる」仏様
『勢至菩薩』ってたぶん、干支の８仏の中だと一番マイナーなんじゃないかしら。単独でお祀りされてることってあんまりなくて、阿弥陀如来の「脇侍」として、観音様と三尊形式でお祀りされてるばかりだし。だから、「午年じゃないからどうでもいいわ！」って人も多いかもしれないわね。
でも、その名前は「偉大な力をあまねく至らしめる」って意味で、智慧の光であらゆる物事を照らして闇を払って下さるし、足をドンッ！って踏み鳴らしたら何階層にもなってる地獄の底までズドドドドド・・・って揺れちゃうくらいのパワーの持ち主なんですってよ。しかも、そのご利益がまた意外なの！
■影が薄いなんてもう言えない！『勢至菩薩』のご利益は「悪霊退散」
メインのご利益は「智慧の光であらゆるものを照らす」ことで、道に迷ってるなら行くべき方角を、人生がお先真っ暗に思えてるなら周囲を明るく照らし出して、「ああ、大丈夫だ！生きていける！」って気付かせてくださるのね。
でも、ただ困ってる本人に正しい道を「気付かせる」だけじゃなくて、その人が道に迷ったり人生に絶望したりする原因がもし、本人以外のところにあるなら、それを追い払ってくださるの。足を引っ張る、行く手を阻む、誤った道に誘い込もうとする誰かや何か・・・。色々いる人生の「悪霊」的な存在を、「ドンッ！」って。
■覚えやすくパワフルなご真言でご加護を
他の仏様の真言も、それぞれにご加護が欲しいときに唱えるのがおすすめだけど、結構覚えにくいのも多いわよね。でも、この『勢至菩薩』のご真言はゴロが良くて覚えやすいわよ。
「オン サン ザン サク ソワカ」
これを唱えると、勢至菩薩の智慧の光が降り注いで、煩悩やその原因が去っていくんだそうよ。ついでに、早口でリズミカルに唱えてるとなんだか力が湧いてくるわよ。
■勢至菩薩は『阿弥陀三尊像』を探すと見つかる
さっきも話したけど、お参りするならお近くの『阿弥陀三尊像』を探すのが手っ取り早いわ。あと、ご本尊としてお祀りされてるのは、有名なのは京都の知恩院。
浄土宗 総本山知恩院
公式ＨＰ 勢至堂
じゃ、次回は何で今密教だのご真言だのがアツいのかって・・・実は、来年、2015年は真言密教の聖地・高野山の開創1200年の記念の年に当たるからなのよ、真言密教を日本に伝えた弘法大師空海ってすんごいのよ～！って話ね。