妊娠中に取りたい三大栄養素とは

赤ちゃんがお腹にできたことにより、食事は二人分取らなきゃと考える妊婦さんも多いですよね。たくさん食べることはもちろん大切ですが、赤ちゃんのためになる栄養素を意識して食事してみませんか。

妊娠して初めて葉酸という言葉を聞いた方も多いのではないのでしょうか。
葉酸とは新しい細胞が成長するために必要な要素で、特に赤ちゃんの体が作られる妊娠初期に不足していると先天性異常や流産を引き起こす危険性があるといわれているため、もっとも大切な栄養素だといえます。

では、葉酸の1日の推奨摂取量である480マイクログラムを食事から摂ろうと思った場合、何をどれくらい食べれば良いのでしょうか。
葉酸はその名前の通りほうれん草や小松菜などの葉物野菜であったり、果物であればイチゴ、根菜のさつまいも、乾物のわかめや桜えびなどからも摂取することができます。
その中でも含有量の多いほうれん草について見てみると、二株(60グラム)食べてもたったの126マイクログラムで、これでは推奨摂取量の半分にも達しません。
またこれは生の状態の含有量のため、熱に弱く水に溶けだしてしまう葉酸を無駄なく摂るようにするには、加熱は最小限にして溶け出したスープまで飲むと良いでしょう。毎日の食事だけではなかなか摂りきれない量をサプリメントで補うのもひとつの方法です。
実際に私も産婦人科で受けた栄養指導の際、葉酸のサプリメントをサンプルとしていただきました。今は簡単にネットで入手することは可能ですが、サプリメントにはレチノール(ビタミンA)のように摂りすぎに注意な栄養素が含まれている場合もあるため、医師と相談して選ぶようにしましょう。

妊婦検診では妊娠初期、中期、後期と血液検査が行われ、その結果を見た産婦人科の先生から貧血を指摘された妊婦さんは少なくないと思います。
その場合は鉄剤にて鉄分を補給するように指示を受けますが、妊娠中の貧血というのは三割~四割は起こるので、珍しいことではありません。
何故この貧血が起こるのかというと、赤ちゃんが成長するにあたって多くの血液が必要な中、母体からの補充が追い付かないためです。

貧血のリスクとして挙げられるのは、出産は多くの出血を伴うため、血液が足りないと輸血しながらの出産になることや、貧血による立ちくらみからの転倒の危険性などです。また、意外と盲点なのは母乳も血液からできているので、鉄分は出産後も大事な栄養素のひとつなのです。

では、鉄分の1日の推奨摂取量である21ミリグラムを食事から摂ろうと思った場合、牛ひき肉には100グラム当たり2.3ミリグラムほどしか含まれてはおらず、1日の推奨摂取量を満たすには約1キログラムも食べなければなりません。現実的には難しいですよね。
また、鉄分が多いことで有名なひじきは10グラム当たり5.5ミリグラム含まれていますが、肉や魚に含まれている鉄の形とは少し異なり、吸収率が10分の1になることもあります。
そのため植物性の鉄分を摂る時には吸収を助けてくれるビタミンCが多いキャベツやブロッコリーなどと一緒に摂ることや、効率を考えて動物性の食品から鉄分を摂取することが大切です。

カルシウムと聞くと骨を丈夫にする、牛乳に含まれていると想像しやすい栄養素ではないでしょうか。
カルシウムは上の2つに比べ、足りなくなることは少ないです。
ただし、赤ちゃんの丈夫な骨を作るのに欠かせない栄養素なので積極的に摂取することが大切です。
何故足りなくならないかというと、カルシウムは骨として私たちの体に蓄えられており、必要であればそこから補充されるためです。

カルシウムの1日の推奨摂取量は650ミリグラムで、主に乳製品や大豆製品に多く含まれます。
妊娠中、授乳中はより多くを求められる場合もあるでしょう。

また、乳製品の中でもチーズは塩分が多く含まれているので摂りすぎには注意が必要です。
さて、コップ一杯(200ミリリットル)の牛乳には約220ミリグラムも含まれているので、毎食一杯牛乳を飲むと、推奨量はほぼ摂取することが可能です。
他にも木綿豆腐一丁(300グラム)には360ミリグラム含まれているので、食卓に工夫して並べましょう。

更に、カルシウムが骨になるのを助けるビタミンDを含む鮭やきのこ類などと合わせて摂るようにすると尚良いでしょう。

最後に

赤ちゃんと栄養素の関係をよく知ると、少し怖くなった方もいるかも知れません。私たちの食事が赤ちゃんにどんな影響を与えるかを意識しながら、日々の食事を考えて楽しめるといいですね。

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