世間によく知られている吐いてしまう吐きづわりとは対照的に、食べたくなくても食べてしまう、食べないと気分が悪くなる『食べづわり』。
私も経験したこの食べづわりについて、前回は、どのようなものなのか?また、対処法などをご紹介しました。
第2回(最終回)となる今回は、実際に食べづわりを経験した筆者の主観で、具体的にどのような事がつらかったのか?また、まわりの方々の対応の中で、嬉しかったことや助かったことをご紹介します。
『食べづわり』が知られていなくてつらい
食べづわり……。経験した今だからこそ知っている言葉ですが、私自身、妊娠前には知らなかった言葉です。つわりと言えば、吐くもの、酸っぱいものが食べたくなるものなどと思っていました。
つわりがはじまってから数日、最初はつわりだと気がつきませんでした。あまりにも知っている症状と違うので、妊娠が原因だとしても、つわりとは違う何かなのかな~?と思いながら、ネットで検索してみると「食べづわり」という文字がヒットして、あーなるほどな。と、自分の体調の原因がわかりスッキリしました。
当時、母に「食べづわりなんだよね~。」という話をした際、「なにそれ?そんなのないよ、聞いたことない。食い意地張ってるだけじゃないの?」と言われたことは今でも覚えています。
私自身も知らなかったことなので、どうしようもないのですが、つわりは仕方がないことであり、自分で選んでなるものではありません。余裕がなかった私は、つわりじゃないのに、食べたいのをつわりって言って甘えたいだけなんじゃないの?と言われたようにとってしまい、当時はとてもつらかったです。
食い意地が張っていると思われてつらい
先程の話に通ずるところはありますが、よく食べることで、つわりが軽いと思われる他に「食い意地が張っている」と思われることが多々ありました。
私は、妊娠中に結婚式を挙げたのですが、披露宴中、気分が悪くならないように、運ばれてくる料理を残さず食べていたところ、ゲストの方に「あんなに食べる新婦さん、初めて見た!」と言われました。
実はこのゲストさんは、私が食べづわりなのを知っている方で、冗談半分で言っているとわかっているのでつらくはないのですが、同じ場にいて、私のつわり事情を知らない方からすれば、私は単純に食い意地が張っているように見えたのではないでしょうか?
実際、結婚式とは違う場でも、よく食べるね!と言われて「食べづわりで~」と説明したことが何度かありました。きっと、質問するまで至らずに、よく食べるなあ…と思っている人もいるんだろうと思うと、悲しくなりました。
食べてしまうことへの罪悪感がつらい
食べて太ってしまうと難産になる。そうすると赤ちゃんも出てくるのが難しくてつらい思いをする。
食べるということは、その分お金もかかる。この状況で私が「食べる」ことは、何のメリットにもならないんじゃないか?
そんな気持ちとは裏腹に伸びてしまう手。動く口。罪悪感以外の何物でもありませんでした。ちょっとしんどいのを我慢すれば解決するのに!気持ち悪い……もう無理…。
中途半端に飲み物などで誤魔化すと、気持ち悪さが消えずそのままそれを吐いてしまったり。日々何かを食べるたびに心が消耗する毎日でした。
食べづわりだけじゃないこともある
私はほぼ食べづわりだけでしたが、それでもたまに空腹に関係なく吐くことがありました。強烈な眠気や高温期による微熱のけだるさなども経験しました。
人によっては、吐きづわりと食べづわりを併発する方もいます。食べないと気持ち悪い。でも食べ物の匂いがしんどい。無理して食べても結局吐くというトリプルコンボ!想像を絶しますね。
つわりは、本当に複雑なようです。100人いれば100通りのつわりがあるということです。
「つらい」ことを認めてほしい
あくまで私の主観になってしまいますが、食べづわりがあまり知られていないことで、つわりじゃなく甘えだと思われたり、つわりだとしても食べてりゃなんとかなるんだろ?などと思われることが一番つらかったです。
人にどう思われているというのは、被害妄想もあるかもしれません。けれどそれが妄想なのかどうかを判断する余裕もないぐらいに、つらくて消耗します。それは、吐きづわりでも食べづわりでも変わりません。
ですから、周りから「つらいね」「頑張ってるね」と、今つらいこと、踏ん張っていることを認めてもらえることが本当に支えになりました。
また、旦那様(赤ちゃんのパパ)や、ご家族の方に家事を手伝ってもらえることも、本当に助かります。何もかもをやれ!妊婦の奴隷になれ!とは言いませんが、家事を手伝ってくれるというのは「出来なくても怒ってないよ。一緒に乗り切ろうね。」という意思表示となり、精神的にもママは救われることかと思います。
いかがでしたか?
2回に分けてお送りした、食べづわり特集。かといって別に食べづわりが特別なわけではありません。吐きづわりと同じように、食べづわりも、その他のつわりもつらいんだということです。
赤ちゃんがお腹にいる十月十日。つらいのは妊婦だけではなく、妊婦が動けなくなった分を補ってくれている周りの方々もだということは重々わかっています。
お互いのつらさを尊重しながら、お互いに支え合っていけるのが最善です。これから新しい家族が増える皆様が、暖かいご家庭を築けることを、心から願っています。