エンゲル係数って何?計算方法や平均値、下げる方法はある?

エンゲル係数という言葉は、聞いたことがあると思います。家計の中で、エンゲル係数は食費の割合を表す数値だということはなんとなくわかってのいても、エンゲル係数っていったい何に役に立つの?と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

エンゲル係数が計算できるようになると、ご自身の家計の中で、食費に使っている金額が多いのか、少ないのか判断できるようになります。そこで今回は、エンゲル係数とは何か、計算方法や平均値、エンゲル係数を下げるために、無理のない食費の節約の方法をご紹介します。

エンゲル係数ってどんな意味?

エンゲル係数とは、消費した支出の中の食費の割合を表したものです。
エンゲル係数は、1857年にドイツの社会統計学者のエルンスト・エンゲルが発表しました。エンゲルの法則とも呼ばれます。どの国の経済傾向を知るにも使われる、とても有名な経済指標の一つです。

食費は生活になくてはならないものですので、収入が少ない場合、食費が支出の大半を占めることになるので、エンゲル係数が高くなります。逆に、収入が高い場合、食費の割合が低くなるので、エンゲル係数も低くなるという傾向があります。
戦後の貧しい時代の日本では、平均エンゲル係数が60%を超えていましたが、現在では20%台まで下がっています。
このようにエンゲル係数は、その国の経済状況を知るのにも使えるのです。

エンゲル係数の計算方法は?日本の平均はどれくらい?

エンゲル係数は、以下の計算式を使うことで求めることができます。

エンゲル係数(%)= 食費 ÷ 消費支出 × 100

ここでいう消費支出は、収入のうち、実際に支払いをした総金額です。食費に加えて、光熱費や医療費や住宅ローンなど、実際の支出です。くれぐれも貯蓄分を入れた、手取り金額全てではありません。

ですので、エンゲル係数を求める時は、1か月分の支出がわかるもの(家計簿や通帳など)を用意しましょう。全体の支出がわかれば、あとは食費分の金額で全体の支出を割れば計算できます。

日本全国の平均エンゲル係数は?

収入によってエンゲル係数は変わっていきますので、今回は収入別の日本全国平均のエンゲル係数をご紹介します。
全国平均エンゲル係数と比べて、ご自身のエンゲル係数はどうでしょうか?
以下の図は総務省統計局家計調査年報より抜粋したものになりますが、食料にかけている金額は外食も含みます。

単身世帯のエンゲル係数(平均)

年収(万円) 平 均 200~300 300~400 400~500 500~600
消費支出 163,781 160,732 174,867 196,936 214,484
食料 40,331 39,835 43,072 44,701 47,842
エンゲル係数(%) 24.6 24.8 24.6 22.7 22.3

二~三人世帯のエンゲル係数(平均)

年収(万円)  平   均 200~250  250~300  300~350  350~400  400~450  450~500  500~550
 世帯人員(人) 2.97 2.40 2.40 2.44 2.58 2.81 2.95 3.07
消費支出(円) 293,379 182,444 196,310 222,964 240,649 259,574 275,203 280,992
食料(円) 75,258 56,075 60,378 65,146 68,072 70,265 70,756 73,242
エンゲル係数(%) 25.7 30.7 30.8 29.2 28.3 27.1 25.7 26.1

参照:総務省統計局 総務省統計局 家計調査年報 家計収支編2019年調査結果より

単身でも二人以上の世帯でも、年収が上がるにつれてエンゲル係数が低くなっているのがわかります。
二人以上の世帯の収入別の調査結果は、収入1,000万円以上の項目までありますが、収入が1,000万円以上でもエンゲル係数は21%台です。

エンゲル係数が高いってどういうこと?

エンゲル係数が求められたら、食費が家計のどのくらいを占めているのかわかるようになります。ですので、エンゲル係数が計算できれば、ご自身のエンゲル係数が、平均より高かった場合に、家計の見直しの手助けになります。

食費は生活の中では、ある一定以上は削ることが難しいです。
エンゲル係数が高い場合というのは、収入が低く、食費が支出の割合の多くを占めているか、もしくは食費をかけすぎていると判断できます。
逆に、エンゲル係数が低い場合、収入が高く、食費の支出の割合が低いと判断できます。(それか過度に食費を削っているかです)

日本での二人以上の世帯の平均エンゲル係数は25.7%*です。(*総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯2019年版より)

ご自身のエンゲル係数を計算して、もし30%を超えるようでしたら、収入が低いか、食費にお金をかけすぎているかということになります。エンゲル係数が30%近くなってきていたら、食費を見直しましょう。外食を頻繁にする方は、高くなりがちなので、見直しの余地がある可能性があります。

日本での理想的なエンゲル係数は20%台前半と言われています。20%程度といわれる場合もありますが、昨今は食材の値上げも頻繁にありますので、20%台前半が理想と覚えておくとよいと思われます。

このように、ご自身の家計の見直しでは、エンゲル係数を計算することは、とても役に立つのです。

我が家のエンゲル係数が高い⁉エンゲル係数を下げる方法

エンゲル係数が高くて、食費を下げたいと思ったとき、むやみやたらに節制しようとすると、購入する食材が偏ったりして、健康を損ねる場合があるので注意しましょう。
もやしは安いからと言って、毎回もやしばかりでは栄養が偏ってしまいますよね?
食材を全て国産でこだわりたいなどで、食費が抑えられない方にも参考になるように、無理をしない食費の節約方法をご紹介します。

外食を減らす

外食は1回で、自炊の何倍もの金額が飛んでいきます。特に単身世帯だと、食事を作るのが面倒だからと、つい外食してしまうことも多いでしょう。
最近では、中食といって出来合いのお総菜を買ってきて、家で食べることも増えてきましたが、やはり自炊がいちばん食費を節約できます。

外食はたまのご褒美とするぐらいで、普段は中食や自炊に切り替えると、節約効果が高くなります。

ストックや冷蔵庫の整理整頓をする

買いだめした食材のストックや冷蔵庫に保存しているものも、ちゃんと整理しなければ、買ってきた食材を使い切れなくて捨てることになります。

ここで覚えてほしいのは、食材を捨てる行為は、お金を捨てるのと一緒ということです。

冷蔵庫の奥に、数か月前に賞味期限が切れている食材が入っていたり、ストックのレトルト食材が棚の奥に眠っていたりしませんか?
もう食べられないからと捨ててしまう前に、きちんと整理して食材を把握していれば、無駄なく食材を使い切ることができます。

普段から、食材の無駄をなくすようにすれば、毎日新鮮な食材を摂取できますので、健康も守れて、節約にもつながります。

特売日を確認する(買い出しの回数を決める)

スーパーなどでは、特売日が設定されていて、お得に食材の買い出しができる日が多いです。
毎日スーパーに行くと、買う気がなくても、あれも・これもと余計なものまで買ってしまって、浪費してしまうことが多くなります。
それを防ぐために、1週間のうちの買い出し回数を決めておくと、余計なものを買うことが減らせます。
1週間に1回、特売日に買い出しをして、野菜など長く保存ができないものが足りなくなったら、1回だけ補充の日を作るなど、工夫して買い物をするようにしましょう。

家計簿をつける

日頃から家計簿をつける習慣を作ると、家計を把握できるようになり、どこに無駄があるのかわかるようになります。
しかし、家計簿をつけるのが続かない人も多いです。
最近では、スマートフォンのアプリの家計簿アプリもありますので、昔より家計簿をつける手間は省けるようになりました。
家計の見直しをしたい方は、家計簿をつけることを習慣化することをおすすめします。

最後に

今回は、エンゲル係数についてと、食費の節約方法をご紹介してきました。
全国平均のエンゲル係数は25.7%で、理想のエンゲル係数は、20%台前半でした。ご自身の家計のエンゲル係数を把握して、理想の数値に近づけるように工夫しましょう。
食事は健康に繋がる大切なものです。極端な節約で健康を損ねないために、エンゲル係数をうまく活用して、家計と体の健康を管理しましょう。

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