片想いは基本的には辛いものだと思う。たとえ、彼がとても優しくて、恋人にするとは決して言ってはくれないけれど、普通の男友達以上に優しくしてくれたり、二人きりで飲みに誘ってくれたりするなら、片想いも決して悪いものではない。
世の多くの男が、自分に好意を寄せてくれる女性はそれだけでありがたいと思っている。……だとすれば、片想いの彼に嫌われた、冷たくされたと泣く女性が存在するわけはないんだけど。
だから今回は、残念ながら片想いの彼になんらかの理由で嫌われてしまっている女性のために大切な話をしていこうと思う。
(1)嫌われる、避けられる理由をまず「推測」でいいから把握しよう
★他に好きな人がいる彼に迫ってはいけない
まず、愛する彼に嫌われてしまう理由で一番ありがちなパターンとしては「恋人・奥さん・意中の女性がいる」男にアプローチをしてしまった場合。
これは、自分の立場になって想像してみてほしい。君には愛する彼が、夫が、片想いの彼がいる。けれど、まったくその気もない、君にとってはまったく恋人候補でもなんでもない男がふいに現れて、君の気持ちをお構いなしにアタックしてくる。
たぶん、それを「他に好きな人がいる私なのに、構わずアプローチしてくれるなんて嬉しいな」と思えるのは、今の恋人や夫とよほど仲が悪くなっているか、片想いの相手に見込みがないか、あるいはその男がとても魅力的か、の場合だけだろう。
それ以外は、ただ横恋慕してくる邪魔な存在に過ぎない。だから「見込みはないと、早く気付いてほしい」とばかりにその男には冷たく当たるだろう。LINEの連絡先はまず教えない。教えてしまったとして、雑談には応じない。なるべくスルーする。
彼も同じだろう。愛する女性との関係を、万が一にもまったくその気もない女性に邪魔されたくない、彼女に誤解されたくないという想いが、恐らくは「嫌い避け」と呼ばれる状況を引き起こす。
もし、君が愛する彼に相手がいると知っていながらアタックをしてきて、避けられているなら、残念だけど彼に相手がいる間はまったく打つ手がない。
これは、どんな理由にせよ「片想いの彼に嫌われた」ときの共通の鉄則ではあるけれど、とにかく一刻も早く彼から遠ざかること、姿を見せず彼の記憶から自分の存在を消すことだ。
★特定の相手がいない彼なのに、アプローチしたら嫌われた場合
もし、彼には恋人もいないし結婚もしていない。好きな女性もいないと分かっている場合。にも関わらず、はっきりと嫌われているわけではないとしても、恐らくは「ごめん避け」をされている状態だとすると、その理由は恐らくは「彼が望む君との距離よりも近づき過ぎた」からだろう。
君にも「LINEのやりとりをするのはいいけど、二人きりで飲みにも行くけど、休日のディズニーに誘われたり服を買いに行くのに付き合ったりはしたくない。万が一知り合いに会ってしまって、恋人と思われたら嫌だから」
という「友達。以上にならない永遠の恋人未満」の異性の友達がいるかもしれない。
厳しいことを言うけれど、男は、特に女性にモテる男はこのレベルの女友達を(なにかあれば、まかり間違って一線を超えることはあるだろう。ただし、その場合も「友達」から「セフレ」になるだけで、それ以上にはならない)たくさん持っている。
そして、女性発信で連絡がくるから、飲みに誘われるから「親切心」と「取り巻きキープ」でそれに応えているだけで、よほどのことがなければ「恋人への昇格」は考えていない。
★彼の心の「一線」を越えてはいけない
そんな「恋人になりえない友達」とは、非常に親しげに見せても、彼の中で「これ以上近づかないでほしい」という一線がある。
例えば、育ってきた家庭環境や田舎にいる親のことは聞かれたくないし話したくない。好きな芸能人の話ならいくらでもするけれど、自分の初恋の幼稚園の先生の話は、いつか妻となる女性にだけ話す宝物の記憶として「取り巻き」の女性には話さない。
2人で飲みに行ったら必ずおごる。それは男として当たり前だと思っているから。自分のほうが収入が多いと知っているから。だけど、毎回飲みに誘ってくる女性が明日誕生日だと知っていても、女性から言い出すまではその話には触れない。「友達以上の何か」を期待させたら悪いから。
そして、プレゼントもしない。旅行先からおみやげとして銘菓は買ってくるけれど、それは食べたらなくなるものだから。真珠の名産地で安くてきれいなブレスレットが売っていても、優しい男ほどそれはただの友達の女性には買っていかない。「アクセサリーをあげたら、期待させてしまうから」
★気のない相手が近づいてきたら、男は逃げ腰になる
それらの彼の心の「一線」を見逃して「2人で飲みに行くしいつもおごってくれるから、彼は私を好きなはず」と接近したら、彼は接近された分、逃げ腰になるだろう。
例えば、2人の間ではそれまではLINEのやりとりはせいぜい一日1往復だったとする。
しかし、飲みに行った翌日から女性が「いける!」と判断して「おはよう~。今日は何してる?」なんてメッセージが来始めたら、男は警戒する。スルーしてまた元のペースに戻そうとするかもしれない。
そうやって、彼が「近づけば、遠ざかる」を繰り返して「察して欲しい」とサインを発しているのに気付かず、そのままアプローチを続けた結果「鬱陶しい」「もう、これ以上近づかないでくれ」という意志を態度、行動で出さざるおえなくなるまで追い込んだ結果が「嫌い避け」の状態だ。
LINEでブロックをされる、されないにしても未読スルーになる。みんなの集まりにすら、彼が顔を出さなくなる。SNSでいいねをくれなくなり、彼の投稿も読めなくなる。会社や集まりの場で会ってもそっけない……。
このケースも、最初のケース……「愛する女性との関係に邪魔な女」になってしまったケースと同じように、絶望的に見えるかもしれない。ただ、この場合は最初のケースよりも作戦ミスではあるけれど、まだ関係の挽回は可能だし、最初のケースよりも挽回できるまでの時間も短い。
じゃあ、中編では(2)撤退と作戦タイムについて話していこう。
『君がこれ以上、振り向かない彼のことで苦しまないように』脱・片想い