朝起きたら、むくみで顔が一回り大きくなっている。
昨晩、泣いたわけでもないのに、起きたらまぶたが腫れぼったい。
前の日に水分を摂り過ぎたのであれば、そのせいだろうとも思えるものの、それも心当たりがない。
ホルモンバランスが乱れてむくみがちになる生理前や生理中でもない。
健康診断では特に腎臓や肝臓に異常がなかった、健康体のはずの私がなぜ?
……と思ったら。
水分の摂り過ぎと病気以外での「むくみ」の一番考えやすい原因は「塩分の摂り過ぎ」です。
人間の身体は、体内の塩分濃度を常に一定に保とうとする働きがあります。
そのため、塩分を摂り過ぎると血中の塩分濃度を下げるために、水分を体内に留め置こうとして、本来排出されるはずの水分を排出しなくなってしまいます。
外食や加工食品に頼りがちな生活では、自覚しないうちに塩分を多く摂っている場合がありますので注意が必要ですね。
■塩分の摂り過ぎによるむくみを撃退するには?
利尿作用のある食べもの=カリウムの多い食材を摂取する
カリウムが多く利尿作用が期待できる食材には、
アボガド、メロン、バナナ、大豆、いも類
スイカ、きゅうり、冬瓜
などがあります。
※ウリ科の野菜には利尿作用があります。
カリウムには、体内の水分量を一定に保つ働きがあり、余分な水分の排出を促します。
※注意※
逆に、腎臓の機能が低下しているときには、カリウムが排出されなくなってしまうので、むくみの原因が腎臓機能の低下によるものの場合は、カリウムの摂取は控えることとされています。
先に上げたスイカ、きゅうり、冬瓜、3つのウリ科の野菜はすべて夏が旬です。また、メロンも夏が旬、バナナは昨今では年中食べられますが元々は暑い国で育つ果物です。
暑さで汗をかき、塩分も水分も多く摂りたくなる夏に、ちょうど旬を迎えて食卓に並ぶようになるのは面白いことですね。
夏野菜や夏が旬のフルーツ、南国フルーツは水分が多く、利尿作用が高かったり、体の熱を取る働きを持ったものが多いです。
逆に、冬が旬の根菜類などは、身体を温めるものが多いです。
昔からよく「旬のものを食べると長生きする」と言いますが、とても理に適っているんですね。
■秋が旬のむくみ改善に役立つ食べ物は?
秋は気温が下がり、過ごしやすくなるものの汗もかきにくくなります。
夏の間に汗をかくからと塩分も多めに摂って、塩辛い味付けに慣れてしまった場合は、秋口からは意識して食事を薄味に、塩分を控え目にしていけるといいですね。
また、涼しくなってくるこの時期からの、 むくみの改善に役立つ食材でまずおすすめしたいのは「ごぼう」です。
■カリウムだけじゃない!むくみ改善に役立つごぼうの成分「イヌリン」とは?
ごぼうには、カリウムのほかに、イヌリンという水溶性食物繊維が含まれています。
イヌリンは糖や脂肪の吸収を抑える働きがあり、糖尿病の予防に効果的と言われています。また、腸内ではビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えて腸内環境が整うのを助けるため、便秘解消にも役立ちます。
★ごぼうの栄養素を効率よく摂取するには?
ごぼうの栄養は皮の部分に多く含まれています。タワシなどで表面の泥だけをこすり落とすように洗うのがおすすめです。
ごぼうの独特の苦味を嫌って、アク抜きのために酢水に漬ける下ごしらえ法がありますが、このときにごぼうの有効成分も抜けてしまいます。
最近では一年を通じてスーパーなどで手軽に手に入るので季節感がなくなってしまいましたが、ごぼうの旬は11月から1月。定番のきんぴらごぼうの他、煮物や鍋物で積極的に取り入れていきたいですね。