なんだか最近、わけもなく気分が落ち込んでしまう。
原因は分かっているけれど、原因の解決はしばらく難しく、そのことで頭がいっぱいで気持ちが落ち着かない。
ちょっとしたことでイライラしがちで、以前に比べて怒りっぽくなった気がする……。
心が不安定になっているときに役立つアロマはいくつかありますが『ベルガモット』は、メンタル面での作用が期待される精油の代表格。
紅茶のアールグレイの香り付けにも使われているので、ベルガモットを知らない、という人でも一度は嗅いだことがある、とても私達の生活に身近な香りです。
ベルガモットとは?
ベルガモットは、学名『Citrus bergamia』
ミカン科で、他の柑橘系の精油と同様にすがすがしい香り。
ライムにも似たやや小さめの実がまだ半分ほど青く、熟しきっていない段階で収穫し、果皮から精油を圧搾法(※)で採取します。
※光感作性のある成分「フロクマリン類ベルカプテン」を含まないようにするため、水蒸気蒸留法で採取した「フロクマリンフリーベルガモット油」「ベルガモットFCF油」などもある。
ベルガモットの働きは?
◎身体に対する働き
殺菌消毒作用と抗ウイルス作用があるため、泌尿器のトラブルや口唇ヘルペスに対して有効とされています。
◎心に対する働き
気分が落ち込んでいるとき(不安・抑うつ状態・それらにともなう不眠など)に、フレッシュな香りが心を明るく上向きにさせてくれます。
また、逆にイライラや怒りで心が落ち着かないときには、心を鎮める作用があります。
ベルガモットの精油は、使う人の状態に合わせて働き「中庸」をもたらす
ベルガモットの精油には、心を高揚させる作用を持つモノテルペン炭化水素類と、鎮静させるエステル類の双方がほぼ同じ割合で含まれています。そのため、使う人の心の状態に合わせてそれぞれの成分が働き、中庸をもたらしてくれるのです。
西洋医学の薬の場合は、気分が落ち込んでいるときに高揚する薬を使用したら、効き目は強く即効性もアロマよりあるかもしれませんが、効果が強すぎて興奮状態になってしまったり、逆にイライラや緊張を抑える目的で鎮静作用のある薬を使用したら、今度は気持ちが落ち込み過ぎてしまったりするかもしれません。
ベルガモットの使い方
気分が落ち込んでいる、あるいはイライラしているときに、コットンや、なければティッシュなどに1滴。爽やかな香りで気持ちがスッキリしてきますよ。
【注意】ベルガモットは「光感作(こうかんさ)」といって、精油が皮膚についた場合、そこに紫外線が当たると皮膚の炎症が起き、色素沈着が起きる原因成分のフロクマリンを多く含んでいます。
アロマオイルを使用したトリートメントを行うサロンなどでは通常、この原因成分のフロクマリンを除去したフロクマリンフリーの精油を使用していますが、自分でベルガモットを購入して使用する場合は、使用後に直射日光に当たることは避けなければなりません。(※)
※0.4%以上の濃度のローションやオイルによるトリートメント後は、12時間は日光に当たってはいけないとされています(出典:JAS)
できれば自家用も、フクロマリンフリーの精油を使用したほうが安心ですね。
もっと手軽にベルガモットを楽しむには?
アロマテラピーにはそこまで興味がない、ベルガモットの精油を購入しても、たぶんそれほど使わない、でもイライラや落ち込みをどうにかできるなら香りには興味がある……。そんな方にはアールグレイの紅茶がオススメ。
アールグレイの茶葉にはベルガモットが吹き付けてあるので茶葉の香りを嗅ぐだけでも、もちろん紅茶として飲んでもOK!
これからも、日常生活のちょっとした場面で役立つアロマをご紹介していきたいと思います。
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