他人が恥をかいている様子を見て、自分も恥ずかしくなってしまったり、ショックを受けた経験はありませんか。その感情を「共感性羞恥心」といいます。共感性羞恥心は、その文字から「なんとなく恥ずかしいことなのかな」と想像できますが、社会生活を送るうえで大小にかかわらず誰にでもある感情で、決して恥ずかしいことではありません。
そこで今回は、共感性羞恥心とは何か、感じやすい人の特徴や克服する方法について解説します。
共感性羞恥心とは
「共感性羞恥」とは、他人が何か失敗したり、誰かから叱られたりして恥をかいている姿を見て、自分が体験しているかのように恥ずかしくなる感情を指します。
例えば、ショッピングモールなどで店員がお客さんからクレームを受け一生懸命謝っている姿を見て、店員の立場になり心が折れそうになったり、その場に居られなくなったりした経験はありませんか。
職場や学校などでも、失敗した人に対して周りは笑っているけれど、自分は笑いごとではないと感じたことはありませんか。
共感性羞恥心は特に自分とリンクするようなものに感じやすく、同じような環境の人(身近な人や同業者)の感情を、自分のことのように感じてしまうようです。
当事者に強く同情したり感情移入したりする人もいますが、すべての人がそうではありません。「これが自分自身だったら嫌だ」と感じる人のほうが圧倒的に多いでしょう。
共感性羞恥は人目を意識した感情であり、感受性の高い人に強く起こる傾向があります。
共感性羞恥心を感じやすい人の特徴
共感性羞恥心は必ずしも悪いものではありませんが、それを不快に感じ物事を楽しめない人は克服できたらいいなと思いますよね。ここで共感性羞恥心を感じやすい人の特徴をあげます。
プライドが高い人
「恥をかきたくない」「人よりも下だと思われたくない」など強く感じるプライドが高い人は、他人の恥を自分のことに置き換えてゾットする傾向があるので共感性羞恥心を感じやすいといえます。
人目を気にする人
自分がどのように見えるのか、他人の評価や人目を気にする人は共感性羞恥心を感じやすいでしょう。失敗してつらい思いもありますが、それよりも外野から哀れに見られている様子がたまらなく、恥ずかしいし嫌だと感じます。
感性が豊かな人
出来事を自分のことのようにとらえる感受性が豊かな人は共感性羞恥心を感じやすい傾向があります。
二次元の世界でも楽しめない
共感性羞恥心を感じやすい人は、現実にあり得ないと思うようなアニメなど二次元の世界の出来事でも動揺したり萎縮したりして楽しめない傾向があります。
ハラハラドキドキが苦手
バラエティー番組などでハラハラドキドキする企画が流行する一方で、そのようなシーンを見ていられないという人は共感性羞恥心を感じやすいといえるでしょう。
共感性羞恥心は克服できる?原因を取り除こう
繰り返し書きますが、共感性羞恥心を感じやすいのは必ずしも悪いことではありません。ですが、共感性羞恥心を強く感じドラマやアニメも見られない場合は克服したほうが楽しい毎日を過ごせるでしょう。
ここで、原因を取り除き克服する方法を提案します。
共感性羞恥心を感じる原因
共感性羞恥心の度合いは個人差がありますが、共感性羞恥心を感じる原因のひとつは他人を意識するから起こると考えられます。
失敗を見られることに嫌悪感を覚えない人はいませんよね。他人事でも過去に同じような経験があれば、強く反応する傾向があります。
共感性羞恥心を克服する方法
共感性羞恥心を克服する方法として、まずはその環境に慣れることがあげられます。生きていれば誰にでも起こることと客観的にとらえて割り切ってみてください。「あー怒られている、あるよねー」くらい思えるようになると気持ちが軽くなりますよ。
また、自分と他人をきちんと線引きすると気持ちが楽になります。克服法としてテレビやアニメはうってつけでしょう。「そのパターンか」など突っ込みを入れながら見れば客観視できるようになり楽しめますし、慣れますよ。
プライドが高く、過去の失敗がトラウマで共感性羞恥心を感じやすい自分に気づいているならば、過去の失敗を笑い話として周りに話すと、それが恥ずかしいこだと思わなくなるかもしれません。失敗経験誰かに話し「わかるー」と共感してもらったり一緒に笑ったりすることで気持ちが楽になるのでおすすめします。職場や学校など同じ環境の人や。家族など寄り添ってくれそうな人に話してみてください。
共感性羞恥心は克服できる
共感性羞恥心の度合いは人によって異なりますが、誰でも感じることですよね。感じて悪いことでもなく、プラスにとらえると他人の失敗を見て「こうならないように気をつけよう」と思える瞬間でもあります。
ただ、共感性羞恥心を感じやすくつらいと思う場合は、その気持ちを軽くするほうが毎日楽しいでしょう。共感性羞恥心はちょっとした気持ちの切り替えで克服できるものなので、今回紹介した方法を意識して取り組んでみてください。