あさりの砂抜きは一見難しそうに見えますが、ポイントや基本の方法さえわかればとてもシンプルで簡単です。今回は、あさりの砂抜きにスポットを当てながらご紹介していきます。あさりの砂抜きは、基本の方法がありますが、時短で行える方法もあるのです。ぜひ、両方チェックしながらあさりメニューを1品、食卓に加えてみるのもいいかもしれませんよ。
あさりの砂抜きが必要な理由
あさりは、大きく成長すると殻の長さが6cmにもなる二枚貝の1種です。私たちが目にするあさりは、3〜4cmのものが多く、殻の表面に放射状の線があるところが特徴的。実は、あさりは砂抜きをしなくてはならない理由がきちんとあります。まずは、あさりの砂抜きをしなくてはいけない理由から簡単にご紹介しますね。
あさりは海水と一緒に砂を吸い込んでしまう
潮干狩りに行ったことがある人は、イメージしやすいと思いますが、あさりは海の中ではなく、比較的浅い砂浜の泥の中に潜んでいます。あさりは、泥の中に生息し、餌としてプランクトンを食べているのです。水管と呼ばれる部分から海水ごとプランクトンを吸い込んだり、糞と一緒に海水をはき出したりします。この時に、どうしても海水と一緒に砂を吸い込むため、あさりには砂抜きが必要になるのです。
あさりの砂抜きは時間に注意!海水がベスト
あさりは、生物であり、とてもデリケートなので、砂抜きの前に覚えておきたいことがあります。それは、あさりを砂抜きする時の時間の注意点です。あさりは砂抜きのためだからといって、一晩中つけておくのはNG。あさりは、エラ呼吸をして生きているので真水ではなく、海水を使うことが大切なのです。
あさりの砂抜きの基本的な方法
あさりの砂抜きの方法と言ってもいくつかの方法があります。まずは、塩を使った基本のあさりの砂抜きの方法からご紹介しましょう。海水がないので、自分で海水を作ってあさりの砂抜きをしていきます。
用意するもの
あさりの塩抜きで用意する材料とアイテムをご紹介します。まずは、塩、あさり、水、ザル、ボウル、500mlのペットボトル、アルミホイルを準備しましょう。
あさりの砂抜き方法、まずは基本をチェック!
①あさりをボウルに入れて、擦り合わせながら水洗いをします。あさりの殻の表面についている汚れを取るために行いましょう。
②ボウルのあさりを一度取り出してボウルを軽くすすぎ、ペットボトルの中に水を入れて500ml測ります。水をボウルに移したら、ペットボトルのキャップで塩を計量し、同じくボウルに投入しましょう。塩が溶けるまでしっかり混ぜたら、海水と同じ塩分濃度3%の海水が完成します。
③ボウルの上からザルを重ねてあさりを投入。塩水に入れたあさりがひたひたになるくらいがGOODです。アルミホイルを上からかぶせて、時間を置くのですが、スーパーや鮮魚店などで購入したあさりは、約1時間、潮干狩りで獲ってきたあさりは、約半日くらい置くことがおすすめ。
④時間が経ったら、水気を切り、そのまま30分〜1時間ほどさらに放置します。こうすることで、塩が抜けてしょっぱさが緩和されるのです。ザルを上げた時に、ボウルの中に砂が落ちていれば砂が抜けている証拠ですし、中間で少しアルミをめくってみて水管が出ているようなら砂抜きができている証拠なので、チェックしてみましょう。
あさりの砂抜きに失敗しないコツ
あさりの砂抜きは、頻繁にやるわけではないので、失敗していないか心配になります。砂抜きに失敗してしまうと、あさりの中に砂が残ってしまい、食べた時にも少し嫌な気持ちになってしまいますよね。そんな失敗を防ぐためにもいくつかポイントをご紹介しておきましょう。
あさりの砂抜きに失敗しないコツ①塩の濃度
先ほども少し触れましたが、あさりの砂抜きをする時は、できるだけ海と同じ環境に近づけてあげることがポイント。そのため、砂抜きをする際、水と塩を使って海水と同じ塩分濃度の海水を作ってあげる必要があります。塩分濃度が濃すぎても薄すぎてもNGです。
基本は、3%の濃度がベストで、500mlの水に対して塩が大さじ1の割合で混ぜてあげましょう。
あさりの砂抜きに失敗しないコツ②重ならないこと
あさりの砂抜きをする時は、あさり同士が重ならないように平らな網付きパットを用意して、あさりを平らになるように並べてあげるとよりGOODです。あさり同士が重なってしまうと、十分に呼吸ができませんし、殻を開いて砂を吐きたくてもお互いが邪魔をして、なかなか吐けません。
あさり同士が邪魔をせずに、しっかり砂を吐けるように環境を整えてあげましょう。
あさりの砂抜きに失敗しないコツ③温度に気をつける
あさりの砂抜きの失敗しないポイントは、塩水の温度です。塩水の温度は、20度がベスト。思わず冷蔵庫に入れたくなってしまいますが、冷蔵庫の中は冷えすぎてしまうので、冬眠状態になり、砂を吐くどころではなくなってしまいます。
逆に、25度以上の夏場のような状態になるとあさりが温度差に耐えきれなくなり、ショックを受けてダメになる可能性もあるので、注意しましょう。
あさりの砂抜きに失敗しないコツ④暗い場所で行う
あさりは、泥の中で暮らしているため暗い場所を好みますし、夜行性でもあります。砂の中にいる時と同じ状態を作って上げることで、活発になり、砂をよく吐いてくれるそうです。あさりの砂抜きをする時は、アルミホイルや新聞紙を被せて、暗い環境を作ってあげましょう。
あさりの砂抜きはお湯で時短!?
あさりの砂抜きの時間をもっと短縮したいという人は、お湯を使ってあさりの砂抜きをする方法があります。時短ですし、簡単にできるので、ぜひ、実践してみて下さいね。
お湯で砂抜きする方法
①あさりの砂抜きに使うお湯は、温度が45〜50度がおすすめです。温度計で測って用意しておきましょう。まずあさりを擦り合わせながら流水で殻の表面の汚れを洗い、お湯の中に投入。
②お湯の中でも擦り合わせながら洗って、重ならないように平らに並べて10〜20分ほど放置します。少し口を開くくらいがベスト。お湯の温度が高いと熱が通り、口を大きく開いてしまうので注意しましょう。
③時間が経ったら、再び水やぬるま湯で汚れを洗い流します。
お湯でなぜ砂抜きができるの?
あさりは、急にお湯に浸けられると身を守ろうとする防衛本能から呼吸をして自分を冷やそうとします。そのため、通常よりも勢いよく呼吸をすると同時に、砂を吐くそうです。しかし、お湯につけるとあさりにはストレスがかかってる状態なので、味が落ちるとも言われています。
お湯に入れてあさりの砂抜きをする時短でする方法は、急いでいる時だけにしておくことがベストです。
砂抜き後のあさりの保存方法
あさりの砂抜きの後は、あさりを保存する方法をご紹介しておきましょう。あさりの保存方法には、大きく分けて2種類の方法があります。それが、冷蔵庫で保存する方法と冷凍庫で保存する方法です。それぞれ保存できる期間も異なるので別々に見ていきましょう。
あさりの保存方法①冷蔵庫で保存
砂抜き後のあさりの保存方法は、とても簡単です。冷蔵庫であさりを保存する時は、濡らした新聞紙やキッチンペーパーの上にあさりを並べて包み、容器に入れて冷蔵庫へ。冷蔵庫の中でも、温度が高めの野菜室がおすすめだそうです。
さらに、酸欠を防ぐため密閉しないようにする点もポイント。冷蔵庫では、3日間は保存可能と言われていますが、生物なので、最長でも2日以内で食べ切るようにしましょう。
あさりの保存方法②冷凍庫で保存
砂抜き後のあさりの保存方法で一番のおすすめは冷凍です。砂抜き、塩抜きした状態のあさりは、殻付きのまま冷凍保存できます。まず、表面の水分を拭き取り、ジップロックに入れましょう。しっかり空気を抜いて蓋をしてから冷凍庫へ。
冷凍保存の場合、3ヶ月は保つと言われていますが、ベストは、1ヶ月で使い切ることです。いくら長く保つとはいえ、保存期間が長いと鮮度や旨味が落ちてしまう可能性があるので注意しましょう。
砂抜きあさりの簡単でおすすめのメニュー
最後は、砂抜きしたあさりを簡単に美味しく料理するためのおすすめレシピをご紹介します。あさりと聞いたらお味噌汁やシンプルな酒蒸しを想像しますが、他にも魅力的なレシピがたくさん。早速、見ていきましょう。
①あさりとキャベツの酒蒸し
シンプルな酒蒸しではなく、キャベツと一緒に調理するあさりの酒蒸しのレシピをご紹介。あさりの旨味がキャベツに染み込んで何とも言えない優しい味に仕上がっています。
・材料
春キャベツ400g、あさり200g、ニンニク1片、料理酒60ml、オリーブオイル大さじ1/2、塩小さじ1/4、黒こしょう少々
・作り方
春キャベツの芯を取り除いて、一口くらいの大きさに切ります。ニンニクも薄切りにしましょう。フライパンにキャベツ、ニンニク、あさり、料理酒を投入し、中火で加熱します。沸いたら弱火にして蓋をし、15分間蒸しましょう。
あさりの口が開いたらオリーブオイルと塩をサッと振りかけて混ぜ、器に盛りつけてから黒こしょうを振って完成です。
②あさりと水菜のボンゴレパスタ
あさりを使ったパスタメニューは色々ありますし、男女問わず大人気です。その中でも、お家で簡単に作れるあさりと水菜のパスタをご紹介しましょう。
・材料
塩少々、パスタ2束、水菜1袋、オリーズオイル適量、ニンニク1片、鷹の爪お好みで、あさり1パック、塩こしょうお好みで、バター10g
・作り方
鍋に塩を入れてパスタをお好みの固さよりも少し固めに茹で、水菜はお好みの大きさに切っておきます。フライパンを熱して、オリーブオイルを引き、ニンニクと鷹の爪を加えて炒めながら香りを出しましょう。あさりも加えてから、塩こしょうとバターを投入してさらに炒めます。
茹で上がったパスタを入れて、最後に水菜を投入し、軽く炒めたら完成です。
最後に
あさりの砂抜きは、ポイントを抑えておけば簡単に行うことができます。1つ1つの行程で注意点はありますが、その注意点を意識しながら行うようにしましょう。基本は、塩水を作って重ならないように並べられる平らなパットの中で行うことがベストだということがわかりました。ぜひ、あさりの砂抜きにチャレンジして美味しいあさり料理を作りましょう。