人に干支(えと)を聞いて自分と同じだったら親近感を持ったり、違っていたら自分の干支から計算して歳の差を割り出したりしていませんか?
皆さん、少しは思い当たる節があるのではないでしょうか。
実は十二支を全部言えないとか、なぜ犬はあるのに猫はないのか不思議・・・など、今さら聞けない!という方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は、知ると面白い十二支の知識をちょっとだけお話ししましょう。
十二支にまつわる昔話
こういう昔話があります。
神様が動物たちに新年の挨拶に来るように指示され、歩くのが遅い牛は早くから出発し最初に到着したけど頭に乗っかっていたねずみが飛び降りて一番になり、それから虎、兔、龍…と続き、これが十二支の順番になった。。。
でも龍(たつ)は架空の生き物だし、三番目の虎がいた時点で兔は寄り付かないよなぁと思ってしまいます。
ちょっと夢がないことを言ってしまいました…
実はこの十二支の順番には意味があるです。
これを知ればなるほど!と思っていただけると思います。
その前に…
十二支は季節や時間、方角を示す手段でもあります。
十二支が示す時間とは
夜中の0時を一番下の子とし、時計回りに卯は朝の6時、午は昼12時、酉は夜18時としています。昔の人は時計を持っているわけではなかったので子の刻が0時ピッタリというわけではなく0時くらいという感覚だったのでしょう。
よく時代劇の中で“丑三つ時”という言葉を聞きますがこれは夜中の2時くらいのことを言い、真っ暗で人通りが無く犬の遠吠えだけが聞こえるような静寂な場面が浮かんできます。
現在使っている“午前” “午後” “正午”は昼の12時くらいを表している十二支の午(うま)から来た言葉だということがわかりますね。他にも地球の北極と南極を縦につなぐ線を“子午線”と呼ぶのも十二支の子と午です。
これは単に縦の一列が子と午ということではなく十二支は方角も表すからなのです。
十二支が示す方角・季節とは
2つの図を見ると子は深夜で寒く静かな感じ。
時計回りに卯のあたりでは夜が明け季節では暖かくなり、午のあたりでは一日でもっとも太陽が接近し季節も暑い頃、そして酉のあたりは夕方で西日が照りそろそろ日没、季節なら収穫と次の季節の準備というところでしょう。
このように十二支を追っていくと1日の流れや季節を感じることができます。
以上のことを踏まえて十二支の一つ一つはネズミやウシではなく植物の成長と関係があることを説明しましょう。
十二支は植物の成長の例え
十二支は植物の成長に例えられています。
- 子・・・孳(じ)、ふえるという意味です。種の中に新しい命が発生する時です。
- 丑・・・紐(ちゅう)、種に中に生じた根がまだ土の中でくねっている状態です。
- 寅・・・螾(いん)、動くという意味で地上に芽が伸びてきた状態です。
- 卯・・・冒(ぼう)、植物が発生して茂るさまです。
- 辰・・・振(しん)、植物の活力が旺盛な状態です。
- 巳・・・已(し)、植物が繁栄して極限状態です。
- 午・・・忤(ご)、分岐点で衰えの傾向が見られる状態です。
- 未・・・味(び)、花は種を付け木には果実が実る頃です。
- 申・・・呻(しん)、果実が熟し、稲穂が金色になる時です。
- 酉・・・緬(しゅう)、収穫物する最盛期な状態です。
- 戌・・・滅(めつ)、植物は役割を終え枯死の状態です。
- 亥・・・閡(がい)、次の種が土中で春を待っている状態です。
子は孳、丑は紐などのように十二支の文字が一箇所入っている漢字や同じ読み方で当ててある漢字もあります。
土中の種が根を張り、芽を出し成長し、やがて花を咲かせ実がなり我々はそれを収穫し、そして次の年の準備をする。
十二支にはこういった流れがあるのです。