ミントは、歯磨き粉やガムなど、私たちの暮らしの中で馴染みの深いものですね。ミント精油は清涼感があり、スッキリとした香りであるためアロマテラピー初心者の方にも受け入れやすいものでしょう。そんなミントはアロマテラピーとしての効果も高いため、より多くの活用法を知って上手に取り入れていきたいものですね。ミントをアロマテラピーとして活用することで、体や心の不調を解消することができるのです。ここでは、そんなミントの由来や、ミントの代表格であるペパーミントについて、そしてミントやメントールのアロマ効果についてまとめていきいと思います。
ミントの由来
「ミント」は、ギリシャ神話に登場する妖精「メンテ」に由来します。
ギリシャ神話とは、ギリシャに神々がいた頃のお話ですね。
当時、冥界を支配していた神ハーデスが、メンテの美しさに魅了されてしまい、それを知った妃のペルセポネが嫉妬のあまり、「草になっておしまい!」と踏みつけ、それ以来メンテはミントと呼ばれる草になってしまったというお話です。
それ以来、ミントは爽やかな香りを発しながら、今もなお存在し続けているとされています。
古代のギリシャやローマ時代、ミントは結婚の祝宴に欠かせないものでした。
例えば、ミントでテーブルを飾ることや、床にミントを敷き詰めること、また花嫁の頭にはミントで編んだ冠をかぶせたといわれています。
その当時から、ミントの香りは人々の心を癒す象徴だったのですね。
ミントの緑は、目にも優しいものですね。
喫茶店などでは、ケーキやお水に添えられていることも多く、緑の葉っぱが私たちを癒してくれます。
ペパーミントとは
ミントには数多くの種類がありますが、その中でも爽やか系アロマの代表格といえば「ペパーミント」です。
そんなペパーミントの葉から得られるのがペパーミント精油です。
ペパーミントは、古くから幅広い用途で親しまれているものになります。
日本では「セイヨウハッカ」と呼ばれ、その昔は「目覚め薬」、「目貼り草」などと呼ばれていました。
ペパーミントの葉を目の上に貼ると、その香りで目が覚め、気分がスッキリするためですね。
イギリスの研究によると、ペパーミントの香りを吸入した後の瞳孔運動を測定したところ、昼間の眠気が有意に解消されたとあります。
ペパーミントの効果
ペパーミントは古くから消化器系の不調に利用されており、胃腸の働きを整える作用があるため、
消化不良・胃痛・便秘・乗り物酔いなどの症状にも効果的です。
西洋では古くから健胃・制吐・抗痙攣・発汗促進などの目的として使われていました。
また、イギリスではペパーミントに含まれる精油が消化不良・気管支炎・過敏性腸症候群の治療として使われています。
ただし、ペパーミント精油は皮膚に対して刺激性があるとされているため、精油の使用にはじゅうぶん注意が必要です。
爽快感・清涼感のあるペパーミントは、心が沈みがちなときや、暑さを忘れるひととき、そして気分転換をするのに打ってつけですね。
ペパーミントに含まれるメントールの効果
ペパーミントのあの清涼感は、メントールという成分の働きによるものです。
メントールは皮膚に浸透して血管を刺激し、血行を良くして体を温めます。
スースーとした冷たい感じがするため、体温を下げるかのように思えますが、これはメントールが冷たさを感じる神経を刺激することによって起こる脳の錯覚なのです。
ですから、湯船にペパーミント精油を数滴垂らして入ることで、湯上りの肌には爽やかな涼感が得られ、体は血行が良くなって温まるというわけです。
梅雨の時期や、寝苦しい夏の夜などにオススメです。
このクールダウン効果は、日焼けによる炎症やほてりなどにも有効です。
またメントールには、頭痛や筋肉の痛みを和らげる効果や、防虫効果があります。
抗炎症作用や抗アレルギー作用もあるため、花粉症や鼻炎の緩和にも役立ちます。
精油の香りを付けたおしぼりをペパーミントで包み、冷蔵庫で冷やしたものは、夏の日のお客様をおもてなしするときにオススメです。
自宅のお庭やベランダでペパーミントを育てると、ペパーミントを楽しむ習慣となるでしょう。
最後に
このように、ミントには様々なアロマテラピー効果があるということがわかります。
そして、古い時代から受け継がれてきたものであるということにも気付かされます。
現代社会においても、私たちの身の回りには、ミントの成分を含んだガム・歯磨き粉・薬品・シャンプー&コンディショナー・ボディソープ・ヘアトニック・入浴剤・芳香剤など数多くの商品がありますね。
それだけミントの成分から得られる効果が高いということがわかります。
そんなミント精油を、芳香浴・沐浴などアロマテラピーによって活用することで、ペパーミントがより身近なものになります。
気分転換や体調不良などにも積極的に取り入れていきたい精油といえます。