砂糖はよく健康によくないと言われますが、実は砂糖の種類によってカロリーや栄養成分が変わってくるのをご存知でしょうか?今回は管理栄養士の資格をもつ筆者が、「砂糖」の種類とカロリー、栄養成分、そして砂糖や甘い嗜好品との上手な付き合い方をご紹介します。
砂糖の種類とカロリー・栄養成分一覧
砂糖とは、ショ糖とも言われ、サトウキビやテンサイを絞ってでた汁を精製して結晶化して作られた天然の甘味料です。砂糖の種類は沢山ありますが、代表的な砂糖をご紹介します。
上白糖
誰もが砂糖と聞くと思い浮かぶのが、上白糖。100gで384kcal、大さじ1(9g)で34.6kcalです。糖質はそのうちの99.3%で、残りの0.7%が水分です。ブドウ糖と果糖がほんの少し含まれるものの、ショ糖がほとんどです。上白糖は水分が少し含まれている分、ふっくらしていて料理やお菓子など何でも使える砂糖です。
グラニュー糖
紅茶やコーヒーに入れる砂糖と言えばグラニュー糖。100gで387kcal、大さじ1(12g)で46kcalです。糖質はそのうちの100%です。また、グラニュー糖はショ糖100%で出来ています。上白糖に比べると、サラサラしてクセがないので、お菓子作りやコーヒー、紅茶など素材の風味を生かしたい時に便利です。
三温糖
薄茶色の砂糖と言えば一番思いつくのは三温糖ではないでしょうか。100gで383kcal、大さじ1(9g)で34.5kcalです。糖質はそのうちの99%で、水分が0.08%、残りの0.01%がナトリウムやカリウムなどの無機質です。また、ブドウ糖や果糖が少し含まれるものの、ほとんどがショ糖です。上白糖より甘みが強いので、煮込み料理などコクを出したい時によく使われます。
黒砂糖
独特の強い甘みがある黒砂糖。100gで356kcal、大さじ1(9g)で32kcalです。糖質はそのうちの90.3%、水分が4.4%、たんぱく質が1.7%、残りの3.6%がカリシウムやカリウムなどの無機質です。また、ブドウ糖、果糖が少し含まれるものの、ほとんどがショ糖です。かりんとうなど、独特の味を出したい時に便利です。
はちみつ
深みのある甘さを持つはちみつ。100gで303kcal、大さじ1(22g)で、67kcalです。糖質はそのうちの81.9%、水分が17.6%、たんぱく質が0.3%、カリウムなどの無機質が0.1%です。また、ショ糖や麦芽糖が少し含まれるものの、ほとんどがブドウ糖と果糖です。
ダイエットや糖質制限中にえらぶべき砂糖はどれ?
5種類の砂糖を紹介しましたが、砂糖でも、種類によって栄養成分が変わってきます。
グラニュー糖は、100%ショ糖でできているのに対して、黒砂糖は、たんぱく質や無機質が含まれています。
また、黒砂糖やはちみつは、他の砂糖に比べて、カロリーが少ないです。
しかし、黒砂糖やはちみつが上白糖より低カロリーであるからといって、何でも黒砂糖やはちみつにするにもムリが生じてくる時もあると思います。
料理する用途に応じて、黒砂糖やはちみつを利用できる場合は、利用するようにしましょう。
また、はちみつは、他の砂糖に比べて糖質が少ないのが特徴です。
糖質を気にされてる方ははちみつを使うのも良いでしょう。
ポイントとしては、黒砂糖やはちみつは上白糖より甘みが強いため、普段の上白糖の量より少なめにしましょう。
砂糖は健康に悪い?カロリーオーバーに注意
砂糖は一般的に健康に悪いと言われていますが、何故でしょうか。
一般的に甘い物には砂糖が使われています。
また、甘いお菓子は炭水化物と脂質を多く含み、ほかのたんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が欠けてる場合が多いです。
炭水化物や脂質を私たちの身体の中で代謝するには、ビタミンやミネラルが必要ですし、筋肉を増やすにもたんぱく質が必要になってきます。
甘い物ばかりを沢山食べすぎると、身体の中で代謝出来ず脂肪として蓄えられてしまうのです。
また、甘い物は「心の栄養」と言われます。
私たちはストレスを感じた時についつい甘い物で発散してしまう事があると思います。
ストレスを感じながらの食事は早食いをしてしまいがち、いつの間にか食べすぎてしまう場合も多いです。
また、炭酸飲料にも砂糖が沢山含まれています。
炭酸飲料を水代わりに飲んでいると、気が付かないうちにカロリーだけを摂取している場合が多く、いつのまにかカロリーオーバーになっている場合もあります。
砂糖や甘い嗜好品との上手な付き合い方
砂糖が健康に良くないと言っても、全く砂糖をとらないというのもストレスを感じてしまい、逆効果になる場合が多いです。ここで、砂糖との上手な付き合い方のポイントを紹介します。
黒砂糖やはちみつを使ってみる
黒砂糖やはちみつは、上白糖に比べて低カロリーです。
また、黒砂糖は上白糖に比べて、無機質が含まれているので、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。
また、はちみつは糖質が上白糖に比べて少ないので、糖質を気にされてる方で甘さを加えたい時に良いでしょう。しかし、はちみつは大さじではかると上白糖より2倍以上重さがあるので、使用する時は注意が必要です。
無糖のお茶やハーブティーなどの暖かい飲み物と一緒に甘いものを食べる
暖かい飲み物は、空腹を落ちつかせてくれます。また、甘いものと、暖かい飲み物を交互に口にすることで、食事時間がのびるので、食べすぎを防いでくれます。
あらかじめ量を決めとく
甘いものを食べる時はあらかじめ量を決めましょう。とくにファミリーパックのような小袋で何個も入ってる場合は、食べない分をあらかじめ棚にしまって見ないようにしましょう。
また、炭酸飲料なども、コップに注ぎ、残りを冷蔵庫にしまっておきましょう。
まとめ
砂糖には色々な種類があり、カロリーも栄養成分も違う事が分かりました。黒砂糖やはちみつなどをうまく使うのがおすすめです。また、甘い食べ物や飲み物の量が過剰にならないように工夫し、たくさん口にするのではなく、少量で風味を楽しむようにしましょう。
参考文献:文部省 食品成分データーベース