雑穀は、小麦や稲などと同様に、世界中で栽培され、日本へ輸入されています。雑穀には健康を維持するために必要な成分が含まれている事から、最近はダイエット・健康・美容ケアの一環として取り入れる方が増えているのです。
雑穀米は食べやすくお洒落ということで、若い女性にも人気があります。
各国で、一部の地域にしか存在していない雑穀も沢山あります。
例えばアフリカで栽培されている雑穀は、乾燥している環境でも栽培されやすいモロコシが多いです。
インドであれば、インド発祥のインドビエなどが有名です。
アジアで雑穀と言えばヒエやアワなどですが、アメリカではアマランサスなど、雑穀のと呼ばれる穀物の種類まで異なります。
今回は世界の雑穀事情、国内の雑穀事情と、雑穀を購入する際に知っておきたい輸入雑穀についてご紹介します。
世界の雑穀事情
各国には独自の雑穀文化がありますが、世界共通で親しまれている雑穀があります。
ソルガムと呼ばれる雑穀は、お粥、パン、スイーツなどにも使用されています。
日本では、団子の原材料として使用されています。
エチオピアでは蒸して食べるだけではなく、粉末状に加工して薄く焼き、おかずを巻いて食べます。
アフリカでは、ソルガムは主食です。
お粥、パンなどにしたり、そのまま食べる事も多いです。
さらに、ビールの原材料にも使用されています。
ソルガムを調理し、食事の中に取り入れている国は沢山あります。
中でも最もソルガムを活用している国は中国であると考えられます。
中国のソルガムにはいくつかの種類があり、お酒の材料や酢の材料として使用される種類もあります。
お酒に加工されたものは高級酒として扱われます。
粉末状にして麺に加工したり、白米と一緒に炊いて雑穀米として食されています。
国内の雑穀事情
雑穀の国内消費量
およそ50年前まで、歴史の中で常に雑穀は主食・栄養源として親しまれてきました。
戦後、食文化の変化や技術の進歩によって雑穀が食される機会はほとんどなくなり、白米の消費量すら減少しています。
雑穀は、アワやキビなどを中心として白米の5分の1程度の小さな粒が特徴です。
小さな粒ですが、胚芽ごと食べる事ができるため、ミネラルやビタミンは白米の5倍摂取可能であるともいわれています。
胚芽には様々な栄養素が凝縮されていますが、近年雑穀が注目されている理由は抗酸化成分が含まれているという点です。
エイジングケア成分として、女性を中心に注目を集めています。
消費量増加の鍵は岩手県
岩手県は県内の8割が山であり、古くから雑穀の栽培が盛んに行われ重要な食料となっていました。
現在でも国内生産量1位を獲得しており、鳥獣被害を防ぐ技術や栽培のノウハウも継承されています。
米農家も多く、米の栽培技術と雑穀の栽培は似ていることから、応用して雑穀の栽培に乗り出す農家も少なくなりません。
地元大学では農家の協力のもと、雑穀の栽培と製品作りを行っています。
この様に、栽培が進むにつれて価格の低下も期待され、さらに国内生産量・消費量を上げる事に繋がると考えられます。
輸入雑穀について
現在日本で食されている雑穀のうち、およそ9割は輸入雑穀です。
輸入雑穀に対しては不安を抱く方も少なくはないでしょう。
しかし、輸入にあたって厳しい検査が行われています。
輸入雑穀類検定
動物の飼料として輸入される穀物、人間の食用穀物などを輸入する際、重量証明・理化学分析を実施しています。
また、検査機関では、輸入雑穀の検査だけではなく国内産農産物検査も行っているため、食品としての安全性は高いといえるでしょう。
輸入雑穀の魅力
輸入雑穀の魅力は、低価格であることです。
国産でも低価格なトウモロコシなどの雑穀や輸入雑穀を使用する事で、低予算で雑穀を使用した料理を作ることが可能です。
輸入雑穀のアワやキビは、輸入雑穀の中でも低価格な品種です。
そのため、ブレンド雑穀に加えられているケースが多いです。
味や食感にこだわらず、雑穀の栄養素を手軽に摂取したいという考えの場合には、輸入雑穀が最適でしょう。
輸入雑穀の味
国内産の雑穀は、丁寧に管理され、栽培されています。
その技術や雑穀の種類が受け継がれている状態です。
輸入雑穀の中には、動物の飼料として栽培された品種もあります。
それを食用として販売しているケースもあり、当然人間の口には合いません。
輸入雑穀は食感も味も良いとはいえません。
白米に混ぜて雑穀米を作ったとしても、白米の水分を吸収し白米のおいしさまで奪います。
低価格を売りにしているブレンド雑穀には、輸入雑穀が使用されています。
輸入雑穀が入っているブレンド商品と国産雑穀のみの商品では、食感も味も異なります。
本来おいしいはずの雑穀が、輸入雑穀を食べたために「雑穀はおいしくないものである」と位置付けられてしまう可能性もあります。
最後に
雑穀は、世界中で親しまれている作物です。
また、世界を渡って栽培されている、非常に古い歴史を持つ作物でもあります。
各国で異なる雑穀の食べ方は、食文化を知ることにも繋がる興味深いものです。
今後も品種改良によって新しい雑穀が誕生する可能性があります。
雑穀がブームになっているとはいえ、現段階で雑穀が主食になる可能性は低く、生産も岩手県に偏っています。
雑穀を栽培しやすい環境が整っている事や、歴史や食文化の継承が理由です。
今後消費量を増価させるためには、雑穀を栽培する技術の進歩や、雑穀を摂取する事の重要性を世間に広く認識させる必要があるでしょう。