久々の「現代の呪（しゅ）」シリーズ、今回は「名前」にまつわる「呪」について話すぞよ。
「名は体を表す」という故事もあるが……。
故事で「名は体を表す」というものがある。名前はそのまま、その名付けられたものの本質を表している、という意味じゃ。
名前の意味や響き、使われる漢字の意味など全てが、その人間の本質を表しているとの考えで、姓名判断の「画数」以前に、大切な考え方なのじゃな。
しかし、生まれ持った名前については、苗字の由来もあろうし、親が付けるもので己では気をつけようもなく、またそこに込められた意味が実現するか否かについては、非常に難しい話になるので、今回はちと割愛させていただく。
それよりも、もっと己でコントロール可能で身近な「ニックネーム」について話をしていくぞよ。
おかしなニックネームはおかしな運命に？
さて、ときどき芸能ニュースを騒がす有名人で、その芸名やミュージシャンや芸人であればコンビ名などを体現したような事件を起こして、話題になる者がいる。
まだ記憶に新しい人気バンドのミュージシャンと、それまで万人受けするいい人キャラだったからこそ、その行為が激しいバッシングの対象となった女性タレントの騒動では、当事者のミュージシャンが所属するバンド名が事件内容と符合しているため、このニュースのタイトルにおもしろおかしく使われた。
また、この事件のほかにも、すでに風化した話を蒸し返すのは申し訳ないゆえ具体例は出せぬが、ネガティブな意味、特に「やられてしまう」「転落してしまう」といった意味を持つ言葉を芸名やコンビ名に入れた芸人や著名人が問題を起こし、「この名にしてこの事件あり」とばかりに書き立てられたケースは多く見つかる。
もちろん、何かと一般人よりも目立つゆえに、有名人は名前など関係なく諸々の問題に巻き込まれる者も多かろう。
名という「言霊（ことだま）」は侮れず
しかし、やはり本名ではないとはいっても、芸名を使う者にとっては己の本名に等しい影響力を持つ芸名、あるいは職業上の運命を司るコンビ名やバンド名、グループ名などに、縁起の良くない言葉を使うのは禁物である。これは芸能人などのみならず、会社名や店名、プロジェクト名などでも同じじゃな。
なぜなら、どのような場面で使うにしても、名は「言霊（ことだま）」の発現力が「普段、何気なく口にする言葉」以上に強いからじゃ。
普段から「どうせ私なんて」のように、己を卑下する言葉を使っているとやはり「どうせ」と言いたくなるような人生になってしまう、試験を受ける時など「落ちるに決まってる」などと言っているとやはり落ちやすくなる、といった話は、占いを好きなおぬしは恐らく知っておろう。知っていて、普段から気をつけているやもしれぬのう。
普段使うSNSなどの名前、メアドや各種IDも要注意
さて、言霊に気をつけているおぬしは当てはまらなかろうが、世の中には己のニックネーム、SNSなどで使う名前やメールアドレス、昨今で言うならばLINEのIDに当たる文字列に、自虐的な言葉を使う者がおるのじゃ。
例えば、己の容姿や精神状態を卑下する言葉。何かに失敗したこと、不得意なことや嫌いなもの、苦手なものを強調する言葉。
女子には少ないが、男子の場合は時々、他人が読んで不快に感じる言葉、読み上げる機会があったなら赤面するような卑猥な言葉を面白がって入れていることもある。
しかし、これは己で己にかける呪いとなる。自分の容姿を卑下する言葉を己のSNSネームにつけて、頻繁にそれを目にし、他者からもその名で呼ばれ、その名で己を認識されれば、おのずとその名に実体が近づいていってしまうのじゃ。
例えば、思春期の女子にありがちな、プロフ画像を見れば充分に可愛らしいにも関わらず「ブス」「デブ」などと己で付けている女子。これは、せっかくの可愛らしさを日々、己で打ち消そうとしているのと同義。メアドや何かしらのIDなどでも、影響力は似たようなものじゃ。
もし、万が一これを呼んでいるおぬしが、シャレのつもりや、ちょっとした自虐的な気持ちからネガティブな言葉を使っている場合は、そしてどうも運気が冴えないと思うているならば、ポジティブな言葉に変えてみることをおすすめするぞよ。
では、後編では、そういった名前の付け方で読み取れる、男子の深層心理を暴いていくぞよ。ネット上で絡む相手の見分けにはもちろん、現実で知り合い気にかけている男子の心の内が、少し分かるやもしれぬ。
後編「要チェック！男のSNSネームやIDで分かる隠れた願望・自己評価」に続く。