ラクテーション
ハワイでは、(アメリカの他の州でも)退院は驚異の早さですが、生後一週間ですぐに検診があります。
また2週間目にも病院に行き、体重の増え方を見たり、何か赤ちゃんに問題はないかをチェックをしていきます。
その時、私の場合、赤ちゃんの体重が出生体重より11%ほど落ちてしまったので、授乳後に搾乳をし、搾乳した母乳またはミルクをあげるトリプルプランというものを勧められました。
赤ちゃんのためにと頑張りましたが、毎回の授乳のたびに搾乳をするのも赤ちゃんがぐずっていればできないし、なかなかスムーズに行かないこともしばしば。
結構大変な3工程で、ほぼ1時間ごとの授乳だったので精神的に少しずつ負担になっていきました。
産後のホルモンバランスの乱れや家事が以前のように思うようにできないことへのストレス。
旦那は協力的とはいえ、日中の世話はもちろん一人。
家事は結局私の仕事なので、まともな料理を作れなかったり、掃除や洗濯が後回しになって散らかっていく部屋を目にするのもだんだん嫌になっていました。
私の両親は、産後2日後には帰国しなければいけなかったため、甘えたことを言う相手もいませんでした。
検診の際に、優しい言葉や、産後のうつ状態のような私の気持ちを理解してくれるナースと話し、ボロボロ泣き出してしまうこともありました。
旦那はそんな気持ちの不安定な状態にそこまでだとは気がついていなかったので驚いていました。
それから、赤ちゃんの体重の増えがあまりよくなかったのもあり、ラクテーション科という授乳専門のナースやドクターのいるところへ行くことを勧められました。
そこでは、授乳がうまくできているかをチェックしてアドバイスをしてくれます。
まず、授乳前の赤ちゃんの体重を計り、また授乳直後に体重を計り、どのくらい母乳が摂取できたかをみて、生後の日数と体重から、どのくらい足りてないかを計算し、搾乳した母乳またはミルクをどれくらいあげれば良いかなど、細かく教えてくれます。
きっと新米ママなら一度はみんな、自分のおっぱいは足りてるのか、どれくらい飲んでいるのかと心配になるはずです。
そう言った不安を話すことだけでも救われましたし、実践として解決して行く方法を提案してくれるのも助かりました。
初めは、赤ちゃんだってママだって、初めてのことでお互い不慣れです。
それを専門家に診てもらいながら、授乳のコツをたくさん教えてもらいましたので紹介します。
⑴ skin to skin
もちろん外出先では難しいですが、生後すぐは特に授乳はできるだけ、ママも洋服を脱いで肌と肌のスキンシップをしながら授乳することで、赤ちゃんがより安心した心地よい状態でおっぱいが飲める。
⑵ 赤ちゃんのお腹とママのお腹をぺったんこして肩の力を抜く
お腹をくっつけるようにしながら授乳すると赤ちゃんも飲みやすく、ママも楽ちん。首や肩周り、余分なところに力が入りがちです。リラックスしながらラクな体勢を探していく。
⑶ いろんな角度から授乳にトライ
赤ちゃんを横向きに抱っこしながらの形から、ラグビーボールを持つような縦形、添い寝しながら、ママが仰向けになりながらなどいろんな形で授乳することで、赤ちゃんもいろんな角度で飲むことで、まんべんなくおっぱいを吸うことができ、乳腺炎の防止になる。しこりが残らないように触って確認する。
⑷少し乳首周辺をつまみ、おっぱいを出し、赤ちゃんの鼻を通って口の方向へ
おっぱいが少し出ていることで、まだ慣れない目も見えずらい赤ちゃんが匂いでおっぱいを探しやすい。鼻を通り口に下げることで口が開きやすい。
⑸赤ちゃんのお口は大きく
大きくお口を開いた状態で唇がフレアー型に開いていると効率よく飲みやすく、ママも痛くなりにくい。
ラクテーションで学んだことは、ママが頑張りすぎないこと。
初めは絶対と言ってもいいほど乳首が痛くなります。
痛くなるのは当たり前だと、ママは自分が我慢すれば赤ちゃんはおっぱいを飲めると思って、血が滲もうが、どんなに痛かろうが、我が子のためと我慢しがちです。
私もそうでした。でも、我慢しちゃダメです。
私がラクテーションで言われたことは、『我慢しても治らないから、思い切って1日しっかり休ませて回復させること。』
丸一日や二日間は搾乳してボトルであげる、またはミルクにしてみてください。
痛いのを我慢し続けて授乳をしていると、授乳は痛いもの、苦痛なもの、我慢するものというように脳内にインップットされてしまい、知らず知らずのうちに、ママの大きな心の負担になります。
最終的に授乳が嫌になり、諦めたり、授乳不可能なレベルまで傷が悪化してしまうママも多いと聞きました。
1ヶ月もすれば、赤ちゃんもママも、お互い飲み上手、飲ませ上手になっていき、乳首も強くなり痛みも和らぎます。
焦らず、頑張りすぎず、ママは自分を犠牲にしすぎないのは、赤ちゃんのハッピーに繋がります。
避妊法
なんとハワイでは、臨月の検診から産後の避妊法についてどうするか考えておいてねと言われます。
生まれる前からもう避妊の話?!と少しびっくりしましたが、産後すぐに妊娠をするのはリスクもあるため、次回の妊娠を考えている場合もそうでない場合も、計画的な妊娠ができるよう色々な避妊法を紹介されます。
日本ではあまり耳にしない、まだ使われてないものから馴染みのあるものまで多くの選択肢があります。
例を挙げると、女性の体の中に入れるリングやIUD、インプラントなども種類は豊富で、3ヶ月効果のある注射やもちろん毎日飲むピルもあります。
もう妊娠を望まない場合はさらに長期で避妊ができるものもあります。
産後の1ヶ月検診でどうするかを決定し処方してもらいます。
どの避妊法も副作用が出ることもあるので、しっかり相談をして決めます。
現在アメリカでは母乳育児が一番勧められています。
色々な環境と状況があるので人それぞれですが、生後6ヶ月間は母乳を飲ませることで、精神成熟度や精神安定を高め、さらには出世率まで関係するという研究がされています。
ミルクには母乳には含まれないとされるビタミンEが含まれますし、日々質の良いミルクの研究もされています。
良いとされることは日々変わっていきますし、一概に良いも悪いも言えるものではないと私は思っています。
ママが混乱しない程度に知識を深め、そこから自分にあったケアの仕方、育児法を見出していけばいいのです。
育児は長いマラソンのようなもので、最初から飛ばしてしまうと息切れしてしまいます。気長にのんびりした気持ちを忘れずにいたいものです。