「言い伝え」は世界中に存在し、代々受け継がれてきた知恵として現在でも広く知られています。
そのたくさんある言い伝えの中でも結婚にまつわるものをご紹介します。
結婚にまつわるジンクス①結婚相手と赤い糸
「運命の赤い糸」というととてもロマンチックな響きですね。
昔から結婚相手とは赤い糸でつながっているという言い伝えがありました。
この話の元となっているのが中国の「続幽怪録(ぞくゆうかいろく)」という書物です。
実は赤い糸は元々「赤い蠅」であったことが書かれています。内容はこうです。
唐の時代、男が宗城を旅していると、不思議な老人と出会いました。
老人の持っている袋の中身を尋ねると、老人はこう言いました。
「これは赤蠅(せきじょう)だ。
これで未来の夫婦の足をつなぐと、例え両者が敵同士であっても身分違いであっても結婚から逃れることは出来ないのだ」そして結婚の仲人を月下老人と呼ぶのは、この赤蠅を持った縁結びの老人の言い伝えからきているとされています。
結婚にまつわるジンクス②結婚祝いや仏事にはおつりをつけない
これはおつりを付けてしまうと「1回で終わらない」という意味があります。
すっきりカタがつくようにおつりをつけないことで、繰り返さないという意味があります。
結婚にまつわるジンクス③葬式に出会うと吉、婚礼に出会うと凶
どちらも正反対のジンクスです。
夢占いやジンクスには見たものを反転させて読むことがあります。
死を吉兆、結婚を凶兆と読むのもポピュラーな方法なのです。
結婚にまつわるジンクス④戌の日に結婚すると出戻ることになる
戌の日に結婚式を上げると、また実家に戻ってきてしまうというジンクスです。
犬がどんなに遠くにいても家に帰ってくるという帰巣本能があることから生まれた言い伝えとされています。
一見犬が悪者のようですが、出産の時は犬のお産の軽さにあやかって戌の日に腹帯をしたりします。
単なるこじつけですが、犬が長い間人と共に暮らしてきた事が分かる言い伝えです。
結婚にまつわるジンクス⑤花嫁の涙は豊作をもたらす
これはヨーロッパの言い伝えですが、この類のジンクスは世界中にあります。
ドイツでは「花嫁の号泣は吉兆で、結婚式中に泣く時は結婚生活において幸福である」というのが一般的です。
これには「前に泣かない者は後に泣かなければいけなくなる」といった意味が込められています。
スラブ民族でも泣く花嫁は最も重要と言われており、ロシアでも心ゆくまで泣くことに大いに重要さを認め、泣けば泣くほど参列した友人から賞賛されたそうです。
結婚にまつわるジンクス⑥新郎新婦の親戚にあたる老婆が、麦を二人の袖口にまき散らす
これはおまじないの一種です。
二人の家の食糧庫がいつもいっぱいになっているように、という財産の増加の願いを込めたものでした。
今でもライスシャワーをするのはそのためです。
ロシアでは新郎新婦に水をかけて健康を祈る儀式や、クリスマスイブにソラマメやいんげん、穀物の粒をまいて多産を祈る呪術も行われてきました。日本では主食であるお米がやはりしっくりきますね。
結婚にまつわるジンクス⑦1年に二人嫁がせると、一方の運がなくなる
これは運の取り合いの心配をしての言い伝えです。
特に双子は同じものを与えないと運気に差が出ると言われてきました。
二つあるものをバランスよく調和させるためや、1年の運を一人だけのものにするために言われていたようです。
しかし短期間に二人も娘が嫁いでしまったら、親は寂しいでしょうね。
言い伝えはこじつけの物も多い一方で、先人の知恵として伝わったものも多くあります。
特に結婚式は伝統を重んじる儀式の一つなので、言い伝えを証明できるかできないかに関わらず、たった一度なら従ってみても面白いかもしれませんね。
信じるか信じないかは自分次第ということです。