日本でも世界でも……。内部告発者は消されるのが暗黙のルール?
「内部告発者は消される」のが世界のルールなのか……。日本でも過去にいろいろな業界で内部告発者が、それがたとえたくさんのファンを持ち世に知られた芸能人であろうと不審死が相次いでいるけれど、いずれもうやむやにされ、ファンが声を挙げても誰も取り合わない状況が続いている。(残念だけど、2次的に取り上げた人間や媒体も消される憂き目に遭うから、今のところ探偵事務所でもなく守ってくれるDSの後ろ盾もない僕はまだ口をつぐんでおくよ。命あってのものだねだからね)
これまでは世界でもマスメディアは沈黙してきたけれど、ボーイング737MAXの問題についてはマスメディアの関係者も飛行機に乗るからなのか、やはり時代が変わったからなのか、大きく取り沙汰されている。ただ、日本のマスメディアではやはり報じられていなくて、オルタナメディアだけが少し取り上げているようだけど。ちなみにそんなオルタナメディアの記事は大手の検索エンジンではヒットしない。
以下は、海外の有名な経済系オルタナメディアであるzerohedgeの記事の翻訳。
残酷だった:2番目のボーイング関連の内部告発者が死亡
(2024年5月2日)
米シアトル・タイムズによると、ボーイング航空機の供給業者スピリット・エアロシステムズ社の内部告発者が、急激に広がる感染症との闘病の末に火曜日朝に死去したと報じられています。
45歳のジョシュア・ディーンさんは、カンザス州ウィチタ出身の元機械技師兼品質監査員です。彼は、737MAXの製造工程で発生した欠陥をスピリット社の経営陣が無視していたと主張しました。具体的には「整備士がMAXの後部圧力隔壁に穴を不適切に開けていた」などの問題点を指摘しましたが、経営陣は何も対策を講じませんでした。そこで連邦航空局(FAA)に安全上の懸念を提起しましたが、スピリット社は彼を「козел отпущенияек(身代わり)」 として利用し、同社は欠陥の存在を航空局に対して虚偽の報告をしたと語っています。
ディーンさんは自身の告発で次のように述べています。
「私が解雇された後、スピリット・エアロシステムズは、当初、圧力隔壁の欠陥について連邦航空局や一般の人々に何も知らせようとしませんでした。」
その後の11月、連邦航空局はディーンさんに書簡を送り、「調査の結果、あなたの主張は連邦航空局が承認した安全プログラムの下で適切に対処されたことが判明しました。ただし、これらのプログラムのプライバシー条項により、具体的な詳細は公開できません」と述べ、ディーンさんの主張には一定の根拠があることを示唆しました。
ディーンさんはまた、スピリット社の株主訴訟において証言を行いました。
スピリット社の経営陣が品質上の欠陥の情報を隠蔽し、株主に損害を与えたと主張する株主訴訟が12月に提起されました。ディーンはこの訴訟を裏付けるため、自身の告発内容を詳しく述べた証言録取書を提出しました。
1月にボーイング737MAXの機体からパネルが外れる事故が発生し、スピリット社の品質管理の問題が改めて注目を集めると、ディーンの元同僚の一人がディーンの告発の一部を確認しました。
-シアトル・タイムズ紙
報道によると、ディーン氏は以前は健康で「健康的なライフスタイルを送っていた」そうです。
しかし、叔母のキャロル・パーソンズ氏によると、ディーン氏は2週間にわたり重体だったとのことです。呼吸困難を訴えて病院に搬送された後、挿管を受けましたが、その後肺炎を発症し、さらに重症の細菌感染症MRSAにもかかったそうです。
パーソンズ氏によると、ディーン氏の容体は急速に悪化し、ウィチタからオクラホマシティの病院に緊急搬送されました。そこで体外式膜型人工肺(ECMO)を使用されましたが、ECMOは患者の心臓や肺の機能が働かない場合に、体外で血液を循環させ酸素を供給する装置です。
-シアトル・タイムズ紙
医師は、ディーン氏の両手と両足を切断することも検討していました。
パーソンズ氏は「ディーン氏が経験したことは非常に過酷なものでした。心が痛みます」と語りました。
ディーン氏は2023年4月に解雇された後、内部告発に対する報復解雇だとして労働省に不服申し立てを行いました。
ディーン氏は、ボーイング社の内部告発者であるジョン・”ミッチ”・バーネットさんを代理した南カロライナ州の法律事務所に依頼していました。バーネットさんは3月にチャールストンで銃撃を受け、「見かけ上は自殺」とされる死亡事故があり、その直前に品質問題に関する告発をめぐってボーイング社から報復を受けていたことを示唆する証言録取の最中でした。
チャールストン郡検視官事務所は、バーネット氏の死因は「自身が発射した銃撃による銃創」と見られると報告しました。しかしその約2か月後の現在も、警察による彼の死亡事件の捜査は継続中です。
-シアトル・タイムズ紙
ディーン氏の弁護士の一人であるブライアン・ノールズ氏は次のように述べています。
「内部告発者は必要不可欠です。彼らは社会の利益のために、不正や腐敗を明るみに出してくれます。そのために立ち上がることには多大な勇気が必要とされます。これは非常に厳しい状況です。私たちの思いはジョン(バーネット)さんの家族とジョシュア(ディーン)さんの家族に向けられています」
一方で3月、ボーイングがスピリット社を買収する交渉に入っているとの噂がありました。両社とも1月5日に737MAX 9機が飛行中にドアプラグが外れた事故以降、航空会社顧客や連邦規制当局から品質問題の改善を迫られていたためです。
翻訳元記事:“It Was Brutal”: 2nd Boeing-Linked Whistleblower Dies