水は私たちが生きていく上で必要不可欠な飲み物です。しかし、ダイエット中に水を飲むと水太りしてかえって逆効果になるという話も聞いたことありませんか?健康のために水を飲もうと言われていますが、健康のために水を飲む場合、どれくらいの量をいつ飲むべきなのか?また、なぜ水を飲むと健康にいいのか?など疑問に思う方も多いと思います。今回は「水を飲む」ということについて、水を飲むことによるメリット、健康効果や美容効果、そして1日に必要な水分摂取量について詳しくご説明します。
①人間にとって一日に必要な水分量は?
人間の体内の水分含有率を知っていますか?
赤ちゃんだと、身体の約76%水分で出来ています。
健康な成人の男性の水分含有率は約60%、成人女性の水分含有率約55%です。
女性は男性より脂肪量が多いため、水分含有率が低くなります。
また、加齢とともに実質細胞数が減少するため、高齢者になると体内の水分含有率は約50%までに減少します。
厚生労働省での「健康のために水を飲もう」推進運動では、飲み水として一日に最低必要な水分量は、約1.2リットルとしています。
これは、私たちが普通に生活していても、一日に約2.5リットルの水分がなくなっているからです。
また、普段の食事から摂取できる水分量は一日に約1リットルとされ、また、体内では一日に約0.3リットル水分が作られているとされています。
そのため、人間にとって一日に必要な水分量は最低約1.2リットルと示され、1日約1.2リットルの水を飲むように言われています。
しかし、夏の暑い時やスポーツをした時は必然的に汗を沢山かくので、こまめな水分補給が必要です。
この場合、1日に摂取すべき水分量は増えてきます。
② 身体の水分が不足するとどうなる?
子供達を中心に水分不足に伴うスポーツや部活中の熱中症の事故のニュースは毎年耳にします。
中高年の世代でも、水分不足が脳梗塞や心筋梗塞の引き金になるとされています。
また、環境省での「熱中症環境保護マニュアル 2018」では、最近、高齢者では普通に家で過ごしていても、熱中症になる方が増えていると報告されています。
厚生労働省での「健康のために水を飲もう」推進運動では、水分減少率(体重に占める割合)が10%になると、筋肉の痙攣や循環不全が起こり、水分減少率(体重に占める割合)20%になると生命危機に陥ると示しています。
③ 熱中症の症状とは?
熱中症には気をつけるように言われますが、どのような症状が熱中症かわからない方もいると思います。
熱中症の症状は、目眩や立ちくらみが始まり、頭痛、吐き気や嘔吐になり、意識消失や痙攣になっていきます。
熱中症は、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能が上手く働かなくなるのが原因で起こるものです。
また、屋外だけでなく、室内でも熱中症になる場合があります。
自分は健康だと過信せず、身体が熱くなってきたなど体調の変化に気をつける事が大切です。
④ 水を飲むこと事で得られるメリットは?
さて、人間には1日に最低約1.2リットルの水分量が必要だと分かりましたが、水を飲むことが身体に及ぼす良い影響、水を飲むメリットとは何でしょうか?
次からは水を飲むことで得られる健康効果や美容効果など、メリットについて説明していきます。
*水を飲むと新陳代謝が上がる
水を飲むことで血液の流れを早くし、栄養や酸素が上手く運ばれるために細胞が活性化され、新陳代謝が必然的に上がります。
新陳代謝が上がると身体の体温が上がるため、基礎代謝も上がります。
*水を飲むことで排便をスムーズにする
水を飲むことで、胃に水分が送られます。
胃が重くなる事で、大腸の上部が刺激されます。
これにより腸のぜん動運動が起こり、便が出やすくなります。
朝起きた時にコップ1杯水を飲むと便秘予防になると言われる理由には、このような意味があるのです。
*水分補給には美肌効果がある
赤ちゃんの肌はツルツルしていてハリがあります。
先ほど紹介したように、人間は生まれた時、身体の76%が水分で出来ているからです。
しかし、歳をとるつれて、身体の水分含有率は少なくなる上に、肌に沢山含まれていた水分が少なくなってきます。
そこで、水分を補う必要があります。
化粧水などで肌の上から水分を補っても、肌の奥の方まで水分は届きません。
水を飲むことが肌への水分補給になり、美肌効果につながります。
*水を飲むことでカロリーを抑えることが出来る
普通、飲み水にはカロリーがありません。
つまり、喉が渇いた時にジュースや砂糖入りなどのコーヒーなど、カロリーが高い飲み物を飲むよりも、
水を飲むことで摂取カロリーを抑える事が出来ます。
また、水には空腹を抑えてくれる働きがあります。
⑤ 水は一気に飲むべき?
水を飲まないといけないと思って一気に何杯も水を飲んで、すぐにトイレに行きたくなった経験はないでしょうか。
実は、一度に体内に吸収できる水分量は限られています。
その為、一度にたくさんの水を飲むのではなく、こまめに水を飲むことが大切なのです。
喉が渇いてから水を飲むのは、脱水が始まっている証です。
喉が乾く前に水を飲むようにしましょう。
特に水分が排出されやすい起床後、スポーツや入浴後には特に意識して水を飲むことが大切です。
まとめ
私たちに必要不可欠な水は、生命維持に必要なだけでなく、健康や美容に様々な良い効果を及ぼしてくれます。
水を飲むことにはでたくさんのメリットがあります。
また、特に暑い夏の時期や、スポーツや部活などする際には、水分補給が重要です。
ジュースやコーヒーばかりを飲む癖のある方も、この機会に水をいつもより飲む習慣へ改めてみるのも良いですね。
一気に水を飲むより、こまめに水を飲むことが大事です。
参考文献
厚生労働省 「健康のために水を飲もう」推進
環境省での「熱中症環境保護マニュアル 2018